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助産院は安全?

2011-03-10

「助産師の会陰縫合術」について、厚労省に聞きました

もう先月になってしまうんですね、早い…

2月28日に厚労省に電話して「助産師が会陰縫合をすることについて、平成二十二年厚生労働科学研究費補助金事業において、試行と検証を実施しているそうですが、詳細はなんですか? 研究要旨を教えてください」と質問しました。担当は看護課の女性の方でした。

この研究は平成22年からの2年の計画だそうです。

研究の正式名は『チーム医療の推進における看護師などの役割拡大・専門性向上に関する研究』です。この中にいくつかの班があり、その中の一つだけに助産師のこの会陰縫合術についてがあるそうです。

何故、このような研究がなされるのか…その理由は「産科医不足」のためだそうです。これは以前にも当ブログにこの理由から「今の状況から仕方ないじゃないか」というような意見がありましたが、他の方からは「会陰縫合が出来ないで困っていて、助産師に頼みたいという状況ではない」というご意見の方が多かったです。

産科医不足の問題をフォローするのが何故、助産師の縫合術になるのかはかなり疑問ですが、既にこの研究が始まって、1年経つわけです。助産師教育課程として、試行授業として学校でも取り入れているところもあるということを聞いたら、「必須ではない」ということでした。

現段階、傷の深さがどのくらい深いところまで出来るかなども研究している」ということも言っていましたので、もう「出来る」前提のようだというのは確実でしょう。

本日先に書いた『助産師の新たなる野望?>スメア採取』にもあるように、試行どころかどんどんと「やっていいんだよ」の方向に走っています。

とにかく“研究中ですから”が常に盾となりまして、具体的なことは話せないそうです。(しかし不思議だなぁ、どうして秘密にするのだろうか、企業じゃないんだから、競い合うことじゃないのに)

助産師には勤務して医師の監督下にある助産師と、開業している助産師がいる。この研究の結果、助産師にも縫わせて良いとなったときに、開業している助産師にも権利を与えられるのか?」と聞いたところ、様々な事情を想定して、どのような環境でなら可とするか、研究結果で開業助産師にも任せられるとなれば、許される行為となるということでした。医師の方の中には「勤務助産師対象でしょ?」とおもわれる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこの回答から、「やはり開業助産師も該当者だ」と感じました。だって、勤務している助産師の方からは「医師の方が縫合出来ないほどの状況は感じられない」というご意見がありましたから、この権利(業務)拡大は開業助産師側の方が求めていたのではないかとおもえてならないです。だから、開業助産師はやってはならないというような線引きは最初から有り得ないとおもっています。

また、学校で縫合の授業を受けてきた新人助産師と、授業を受けていない既に社会に出て活躍している助産師差別できるのかと聞いたら、既に社会に出ている助産師にも出来るようになるシステムなども研究しているそうです。

会陰切開は論じていないということです。(でも、パブコメには入っていましたよね?)しかし、「縫合するのには当然必要なことですから」ということで、麻酔は考えているそうです(っていうか、きっともう研究していますね、“考えている”という言い方でしたけど)。

これらから考えられる問題は同時に考えていますよっていう感じで言っていました。

これ、関係あります?>CNS教育と何が違う?―特定看護師モデル事業に質問集中

読んでいると、「助産医」ランプが点滅します。

厚労省の方も、「産科医の不足を補うのに」ということを何度も仰っていましたが、産科医不足を立て直すのに助産師が会陰縫合をする必要がどれほどあるのか、実際に現場の産科医の方や助産師の方にきちんと事前に聞かれたのでしょうか。すごく気になるのは、「協力してくださっている産科医の方もいます」という言い方に「複数」ときちんとつけられていたことです。なんか、反対意見はありません!みたいな感じでした。どうなんですか? 産科医の皆様。そして、勤務されている助産師の皆様。「あぁ、ここで助産師さんが縫ってくれたら助かるのに!」ってことや、「あぁ、ここで私(助産師)が縫えたら良かったのに!」ってどのくらいあることなんですか?

2年の研究なので、今はその途中らから何も公表することがないということです。可能性としてゼロではないのが、途中経過を報告することが何かであるかもしれないけど、確実ではないということ。あと、2年の研究成果で「更に研究が必要」となれば、研究を続けるそうです。2年の研究の中で、「助産師が縫うことによる事故発生の確率」とか、そういうことをきちんと想定したりしているんですかね。疑問です。

開業助産師が「暗がりで産むことが理想」としたりしているのに、そこで縫うとなったら急にライトをしっかり照らしてしっかりと縫えるのでしょうか。ちょっと、開業助産師を該当者として外していないところからして、完全に暴走だとおもいました。あと、仮に開業助産師が該当者から外されるとしても、勤務助産師歴何年で、その中で医師の監督下でしっかりと実践した症例が何例以上なら可とかは有り得そうな気もしました。

最後に、厚労省の方に「私は助産院助産師の問題をブログで書いているのですが、この電話の内容も書きますので」と伝えたら、一旦上司に相談されて、「これはまだ研究途中のことですから、文章では出していないことですのでちょっと」と、書くのは困るモードなので、それはおかしくはないですか?と聞き直したら、「ではどうぞ」という感じでしたが、どうして秘密なのかがさっぱりわかりません。産む側の私たち一般人にも凄く重要な問題ですよね? 散々、助産師の方達は「会陰切開はしないでも産める」とか、そうやって私たちを脅かしてきていたとおもうんです、なるべく医療が介入しないようにといわれてきました(だから、助産院や自宅出産がいいのだという理屈でしたね)。私たち産む側は、この問題を考えるべき立場にいないと厚労省はおもっているのでしょうか? パブコメの意見募集にしても、寄せられた意見を「参考にします」程度で、あれも一体なんだったのか。

今日はここまでになりますが、まだ関連した問題がありまして、ある方からも御意見頂いたりしているので、後日改めます。

タカ派の麻酔科医タカ派の麻酔科医 2011/03/10 16:51  開業助産師に会陰縫合との組み合わせでの局所麻酔を許可する事態になれば、それに関連する形で、新生児死亡か褥婦の死亡例が間違いなく出ます。が、たぶん因果関係不明ということでそのままになりそうな気がします。カンガルーケア調べてみると、特にそう思えます。

匿名希望匿名希望 2011/03/10 23:47 プロフィールには否定もせず、とかかれていますが、あなたの文章には安全なお産を目指したいがためのコメントだけではなく、助産師業務や制度、また正常分娩を業とする助産師がハイリスク分娩にあたった時の責任の糾弾をしている、またその情報に重きをおいて集めているように思えます。問題提起にさらに実効性を得たいのであれば、問題提起した後に有効が得られるような立場であることと公平性が必要と思います。様々な記事の背後にあるあなたの確信となる隠された感情はただ一つなのではないですか、各記事はその裏返しのように思います。

suzansuzan 2011/03/11 05:27 現在の助産師教育では、会陰縫合までさせるのは、無理でしょうね。
どう考えても教育体系ができていません。
学校での教育ではない、現場に出たあとです。
医者だって、医学部で産婦人科教育を受けたりしない、できない。
医師免許をとって、産婦人科研修がはじまってから学ぶのです。
研修医教育だけでも、現場は手一杯です。
教育する年代の医師が不足しているんですから。
そこに、新人助産師を教育する余裕は、ありません。
医師が足りないから助産師にやらせればいい、というものではないのです。

琴子の母琴子の母 2011/03/11 06:11 匿名希望さん、おはようございます。

私が琴子を助産院で産んでから学んだこと、知ったことからの意見はつい先日記事にしています。
http://d.hatena.ne.jp/jyosanin/20110221/1298271100
プロフィールについてですが、助産院でリスク管理の徹底などされてるところご存知でしたら教えてくださればご紹介しますよ、それは以前から申し上げてることです。
公平性ってなんでしょうか。
助産院や自宅出産での事故、悲惨な現実を公にしないプロの方達の方が公平性に優れてるとおもわれますか?
私は公平性は社会全体で保たれるのがやっとである、それだって妊娠出産については十分に偏ってるとおもいます。

尚、次回からは「匿名希望」というお名前はご遠慮ください。
それは当ブログでは使い捨てのようなHNは書き込まれても削除しますとお断りしていますので、次回も同じHNですと、内容にかかわらず削除しないといけないので、次回からは変更してくださいますよう、お願いします。

さちさち 2011/03/11 20:14 はじめまして。さちといいます。結婚5年目、34歳で先日妊娠が分かりました。
早速図書館に○まごクラブを借りに行きました。でも、なぜだか分からないけど、とても違和感があり、この雑誌を二度と読まないと思いました。それで、妊娠に関する勉強は避けていたのですが、私の弟が医療従事者で、常日頃より子供は帝王切開で産むべきという自論を持っており、そんなに帝王切開がいのかな・・・と急に思い立ち調べ始めて、こちらのHPに辿り着きました。『産む側の勉強』たしかに、それが必要だと思いました。弟は自然分娩で子宮口が急にしまり、赤ちゃんが酸欠となり脳に障害を持ってしまったという例をよく言います。それが、どれくらいの頻度なのかよくわかりませんが、私は高齢で授かったこの命を健康にそして元気に産んであげたい。病院で産むこと・帝王切開で産むことに抵抗はありません。○まごクラブに違和感を持ったのはなんだったのだろうと考えると吉村医院の記事や妊婦旅行の記事だったように思います。むやみに、赤ちゃんを危険にさらすことは避けるべきではという私の考えと随分違う記事が多かったからだと思います。今後、こちらのHPをもっとじっくりと読ませて頂き、勉強させて頂きたいと思っています。このHPに出会えてよかったです。

感染症屋感染症屋 2011/03/12 23:35 いつもいろいろと勉強させていただいています。このような緊急事態にもかかわらず、このような声明を出す団体の方の神経を疑います。母乳育児ができない母親から生まれた子供はどうでもいいのですか?http://jalc-net.jp/

はちこはちこ 2011/03/15 00:32 はじめまして。
現在、5か月の男児の母をしている者です。

私のまわりには”自然育児””自然なお産”に傾倒している友人が多く(隣の幼馴染はなんとY医院で出産しました!)、常日頃ものすごく違和感を感じているなかで、このブログと出会いました。

ホント、最近の”自然な”お産ブームってヘンですよね。

Y医院も、遠く九州や東京から新幹線や飛行機で産みに来て、どこが、「自然」なんでしょう。
ただ古い民家で産む、それってコスプレみたいなもの?と疑問に思ってしまいます。


私自身、子にトラブルが起こる可能性があり(実際は幸いなことに何もおこらず)、NICUが整っているという理由で紹介され、大学病院で出産しました。
設備はめちゃめちゃ整っていますが、実際、私のお産は点滴を入れるでなく、陣痛促進材を打つでなく、会陰切開をするでなく(必要ならズバッと切ってくださいね、とドクターにお願いしてましたが、私の体が大きいからか、切らずに出ました)、ただひたすら陣痛に耐え、分娩台で一生懸命いきんで子供を産みおとしました。

これでも”自然なお産”崇拝の人からみたら、大学病院で産んだというだけで、不自然で不幸なお産なんですかね?

病院だろうが、助産院だろうが、場所にかかわらず、基本的にお産は自分でするしかないものです。
もちろん、病院では、お産にはよくあるトラブルのために産科のドクターが控えていてくださいますが、自然派の人のいうように、病院で産む妊婦さんが「お医者さんが管理しつくしたお産で、お医者さんが産ませてくれる」ものではありません。
母子に危険がない限りは、医師も助産師もじっと見守ってくれていると思います。
(ドラマとかで昔よくあった、週末ゴルフに行きたい産科医が薬で出産を早めるとかいう設定に影響されて間違った認識ができてしまったんでしょうかね)

よく悪くいわれる分娩台も、私個人の感想としては、
「めっちゃいきみやすい!」
でした。足を乗せる台の角度が工夫されているのでしょうね。

自分のことばかりつらつら書いてしまいましたが、もちろん助産師さんも立派な資格でお仕事だと思うのですが、
助産師=アンチ医療
となっている現状を残念に思っています。

mwhikarimwhikari 2011/03/18 08:54 感染症屋さん、
JALCの声明に関しておっしゃっているようですが、どのメッセージを見てそのように思われるのでしょうか。
人工乳の子どもがどうなってもよいなどということは、どの文脈からも感じられません。
むしろ、母乳をあげているお母さんの支援をすることによって、赤ちゃんの健康はもとより、避難所が健康に保たれることや、乏しい粉ミルクを本当に必要としている赤ちゃんに届けることが可能になるということが書かれています。
母乳育児を推進している団体は「自然派」だということで、こちらのブログに集まってこられる方には、「とにかく気に入らない」という対象なのでしょうか。

ふぃっしゅふぃっしゅ 2011/03/19 10:32 琴子ちゃんのお母さん、避難生活をおくられていらっしゃることに心からお見舞いもうしあげます。こちらで出会った方々のご無事を心からお祈りしています。

「nature is wild」ですね。日頃、私たちの生活がいかにたくさんの知識と技術の積み重ねによる安全の恩恵を受けていたかと痛感します。

二十数年前に、私はインドシナ難民キャンプで働いていました。
ボートピープルといってベトナムから身動きとれないほど乗っている漁船で何日も南シナ海を漂流してきた方々を受け入れていました。
そんな過酷な漂流のなかで出ないおっぱいをしゃぶらせて生き延びた赤ちゃんに必要なものは、何よりもミルクでした。
難民キャンプでの生活が始って、授乳期のお母さんには優先的に食糧とミルクがが配布され、落ち着いてきた段階で母乳になっていく方もいらしゃったと思います。難民の方たちは、もともと農村や漁村などでミルクなんて使っていない人たちがほとんどでしたから。それでもミルクの配布は必要でした。
先の見えない避難生活の精神的負担と緊張、避難所の中で家族の水や食料を確保したり、子供たちの世話をすることはお母さんたちにとってそれまでの日常の生活以上の大変さがあります。
家族の誰かが赤ちゃんにミルクを飲ませてくれれば、お母さんが他のことをする余裕もでます。

JALCの声明の問題点は、時期が早すぎたということがまずあると考えます。
救出されたばかりのボートピープルのお母さんに「吸わせればでます」「母乳は完全無欠の栄養です」「不潔な状況でミルクをつくるのは危険です」ということは、さらに赤ちゃんを危険な状況に陥れることになります。

避難所で救援物資が滞っているなかで、お母さん自身が一日におにぎり1個で生きている中で、「吸わせれば母乳はでます」と言えるでしょうか?
人の体は危機に直面すれば、まずはその個体自身を守ろうとするはずです。当然母乳はでなくなります。それでも数日ぐらいは母乳を出せる体力のある人もいるでしょう。こういう非常時には、強い人に基準を合わせるのではなく、誰もが助かる方法をアドバイスする必要があります。

「ストレスで母乳が干上がることはありません」「一過性のものです」「医学的根拠があります」と言いきって大丈夫でしょうか?
リラクテーションといって、一旦授乳期を終了した人でも分泌再開ができることは事実です。それはあくまでも、母体の健康状態がよく食糧・水分が十分にある状況でのことでしょうし、個体差があると思います。
今回のように避難した直後のお母さんには、「まずは自分の体調、赤ちゃんの状況に合わせてミルクを使って大丈夫ですよ。状況が改善すれば、また母乳を続けることも可能です」というメッセージを送ることの方が、どれだけ救われることでしょうか。

「下痢の赤ちゃんにでも母乳は続けられます」。通常はこれも正しいことです。ところがお母さん自身が十分な水分も栄養も取れていなければ、母乳分泌が減ることで赤ちゃんは脱水を起こし、一気に危険な状況にもなります。
避難所で下痢をおこしている乳児への対応は、月齢や消化能力に応じた水分・栄養補給方法を教えることが何より大事です。

以上は、「それまで母乳栄養をしていたお母さんも生きていた」場合です。
お母さんご自身が赤ちゃんを残されて亡くなったり、赤ちゃんと離れなければいけない事態になった場合、あるいはもともと人工栄養を選択していた赤ちゃんたちには、ミルクが何よりも必要になります。
「避難所の不潔な状態でつくるミルクには感染のリスクがあります」と、こういう赤ちゃんたちに向かって言うことは意味があるでしょうか?

すべての赤ちゃんがこの危機を乗り越えられるように、清潔な水の確保、ミルクの確保を優先することが大人に課せられた責任です。
この非常時にミルクのリスクだけを強調することは、不安をあおることになります。
母乳を吸わせていれば大丈夫であるのなら、今まで世界中の難民キャンプや被災地でミルクは必要とされていなかったことでしょう。
母乳を吸わせていれば大丈夫であるならば、そうしていたアフリカなどの地域でクワシオコールなど乳幼児の低栄養状態は起きなかったことになります。
でも、少なくとも私の難民キャンプでの体験以降、世界中の難民キャンプや被災地でミルクはいらなくなったという事実はありません。
災害時に、「母乳はミルクに勝る」という価値観を強調する機会にしてはいけないのです。
特に医療従事者は、メリットとデメリットをきちんと理解し、赤ちゃんを確実に安全に生き延びさせることが最優先となる必要があります。

状況が落ち着いたら、また「母乳だけにしたい」という人を支援することはかまわないと思います。

蛇足ですが、WHOが母乳推進をしてきた理由の一つに、ミルクの場合適正な濃度で与えられていないことによる栄養失調があるからではないかと思います。
私のいた難民キャンプでも、せっかくミルクを配給しても裏で現金に替えてしまうことが多々ありました。それでうすめて飲ませるのです。
売られたミルクはどうなるかといえば、難民キャンプ周辺の地域に流通します。
周辺の地域も難民キャンプの人たちよりもっと貧困状態で、横流しのミルクを買って薄めて使うという悪循環です。
日本の避難所では、まずあり得ないと思います。
救援の遅れが批判されますが、それでも日本は医療にしても救援にしても被災地を見殺しにするようなことはないという信頼と安心があります。
いつも私たちの生活が、見えないたくさんの公共のシステムで安全に守られているかを感じます。

感染症屋感染症屋 2011/03/19 12:40 琴子ちゃんのお母様、避難生活大丈夫でしょうか。ご家族様一同、皆さまのご無事をお祈りしています。
mwhikari様、私の記述が短すぎて誤解を招いたかもしれません。ふぃっしゅ様がすでに書かれていますが、非常にリソースが限られた状況では様々な意味で母乳は新生児への最も安全な水分供給源となります。誤解をおそれずに言えば、ミルクが手に入らないセッティング(アフリカの一部、南米の一部の国の貧困層)では時に母が特定のウイルス感染症を有していても現場では母乳を使わざるを得ない事があるくらいです。しかし、日常と異なるストレス下にさらされる災害時の避難所では通常と同じ量だけ母乳がでることはありません。阪神大震災で中心部で被災して転々としていた自分としてはどこの避難所でもうまく、お母さんたちはミルクを使いつつ、母乳を併用していたのを見てきました(ミルクとても助かりました)。
ふいっしゅ様が書かれているようにこの状況で「母乳はミルクに勝る」とプレッシャーを被災したお母さんたち、周囲の人に与えるのはやめてほしいと思います。
目的は「母乳を与えること」ではなく「赤ちゃんの命を確実に守ること」です。

mwhikarimwhikari 2011/03/19 21:48 JALCも母乳で育っている赤ちゃんにミルクが不要だとか、
いけないなどとは言っていないと思いますし、そのような文章はありません。
母乳をあげているお母さんが「出なくなるのではないか」という不安を
抱えるということを見越してのすばやいメッセージだと思います。
一時的に母乳の出が悪くなった場合、人工乳の助けを借りることは大切なことですが、
その際に、おっぱいを吸わせることを全面的にやめてしまうことは、
乳汁産生ホルモンの分泌を止めてしまうことになり、
その後、おっぱいを再開するにはかなりの努力と時間が必要になってしまいます。
ミルクの助けも借りながらでも母乳を吸わせ続けることで、
またおっぱいだけに戻ることができます。
JALCが心配するのは、吸わせることを全く中断してしまうことではないかと思います。
私はJALCの人間ではありませんから、分かりませんが。
もし私が被災したお母さんたちから助言を求められたら、
必要ならミルクも飲ませて(もちろん清潔に安全なミルクを飲ませる方法も助言します。)、
でも、おっぱいを吸わせるのは止めないでと伝えます。
ミルクを他の人に頼んで飲ませてもらって、その間他の仕事をしなさいとは言わないです。
そういう物言いは、母乳をあげているお母さんは働かないで怠けていると言われているようなもので悲しいと思います。
また、実際に清潔を保つのが難しいわけですから、まずは母乳を大切にして欲しいというメッセージは適切だと思います。その上で、支援をする人は粉ミルクと水さえ届ければよいということではなく、湯を沸かすことと清潔なミルクを作る為の準備も一緒に届ける必要があることが理解できます。
ミルクのリスクだけを強調しているとも思いません。
また、こういった機会だからこそ母乳の利点を強調するのは悪いことではないと思います。見解の相違ですから、議論するつもりはありません。
JALCの声明が、母乳をあげているお母さんに対してプレッシャーになるのではないかというのは私も心配したところですが、お母さんたちは賢いです。赤ちゃんの命に勝るものが無いということはよく分かっていらっしゃると思います。
また、人工乳はもらいやすいけれど、母乳をあげているからといって他の人よりも
多くの水や食料を要求することはお母さんにとってかなりのストレスになると思います。
だからこそ、第三者で、かつ、専門的な立場から、授乳中の母さんたちには十分な支援が必要だと訴える意義は大きいと思います。
無事だった人たちにとっても、被災したときには何が必要か、
母乳をどうすればよいのか、支援はどうしたらよいのか、ということを学ぶよい機会だと思います。
いずれにしても、母乳を推進する立場の人や団体に対して、
>母乳育児ができない母親から生まれた子供はどうでもいいのですか?
というような言葉がことあるごとにみられるブログだなと感じています。
記述は短いですが、それ以外の意味に捉えることはできません。

感染症屋感染症屋 2011/03/20 09:08 mwhikari様
ご指摘のことは最もで本来、私のように様々なセッティングでの医療にタッチする場合、繰り返しますが母乳のメリットは知りすぎるほど知っているつもりです。そのうえでのコメントですし、実際、避難所での母乳による栄養水分補給については全く異論はありません。ただ、webでも書かれている「また「災害時にはストレスで母乳が出なくなることがあります」というような情報とともにミルク缶が配布されることは不適切です。母乳で育てている母親には、母乳育児を維持・継続出来るような支援が必要です。」、この前半部分がなければ全くもって同意です。おそらく、私自身の最初のコメントについていえば、自分の経験からも過敏になってしまっているので過剰反応しているのかもしれません。そもそも私自身、育児における母乳の有用性を理解した上で推進していきたいスタンスですので、できればこういった状況での学会の発言に過剰反応したのかもしれません。避難所生活をしているにもかかわらず、ブログも維持してくださっている琴子のお母様のところで議論をするのは本意でないのでこれで終わらせていただきます。

mwhikarimwhikari 2011/03/20 09:24 感染症屋様
よく分かりました。
ご指摘の部分について、私はJALCの言い分はもっともで正しいと思うのですが、
確かに言葉がきつい表現だなとは感じます。特に「不適切」という表現です。
ひょっとしたら元は英文なのではないかと思っています。
日本のラクテーション協会も直訳するのではなくて、日本人の心情に合わせた訳し方をすればよいのにと思います。
行政のやり方とか、途上国への支援などについての報道等を見るにつけ、
「母乳が出ないなら人工乳を」というスタンスが強過ぎ、母乳育児を支援しましょうという姿勢に欠けると常々思ってきました。
ですので、私自身も過剰反応だったかもしれません。
私もこれ以上の議論は望みませんし、今後こちらをROMすることもできそうにありませんので、これで終わりにしたいと思います。
お互い、赤ちゃんとお母さんを守るため、母乳を大切にしながら頑張っていけたらと思います。ありがとうございました。

ふぃっしゅふぃっしゅ 2011/03/20 16:28 琴子ちゃんのお母さん、こんにちは。
そして感染症屋さん、こんにちは。(さん付けで呼ばせてくださいね)
阪神大震災をご経験だったのですね。今回の地震でお気持が落ち着かなくなったのではないかと御察しいたします。そんな中で、避難生活の記憶やご体験を書かれることもつらいことではなかったかと思います。ありがとうございます。

JALCや関連したIBCLCという資格は、その規約などに記載されているように「母乳育児をしているお母さんと赤ちゃん」への民間の支援団体ですね。
できれば小児科学会とかが、すべての授乳方法を対象にした非常時の授乳方法について出してくれるといいなと思います。

今回の地震後、大きな余震やライフラインが停止した時に備えて、私の勤務先でも入院中の新生児に清潔な状態で授乳が続けられるための準備に悩みました。
やはりネックは、いかに清潔に調乳し、哺乳瓶などを清潔に保てるかという点ですね。毎日、余震のたびにドキドキしながら勤務しています。

海外には調乳済みのロングライフタイプのミルクがあるようですが、今後は被災地でもそういうものを常備すればかなり衛生的な問題はクリアできると思います。
バキッとふたをとると、赤ちゃんがチュパチュパと吸えるようなタイプなんていいですね。ディスポの容器は、燃やして燃料代わりにできるとかすると一石二鳥ではないかと思います。避難所でのごみ問題は深刻ですから。
飲ませる前に、その容器をお母さんの体で温めたらちょうど人肌になるので、お湯を沸かしたり、消毒の心配をしたりする必要もないですものね。
感染症屋さんのご経験の中で、調乳に関する工夫などを教えていただけたらうれしいです。(あ、でもつらい記憶を無理に思い出すことはなさらないでくださいね!)

感染症屋感染症屋 2011/03/23 18:13 ふいっしゅさん、mwhikariさん
こんにちは。
この話題はいったん終わるつもりでしたが琴子ちゃんのお母さんがよろしければ
少し続けます。
震災のときは学生でしたので特に調乳に注意していたわけではないのですが、やはりポットが早めに出回っていたと思います。
電気の復旧前はたしかガスコンロでお湯を沸かして調乳されていたかたもいらっしゃったと思います。あやふやな記憶で申し訳ありません。
清潔なお湯を手に入れることが最重要と考えられていたと思います。
人工乳の調整には清潔な水が必要なことは間違いありません。
日本育ちのかたは水道水をそのまま飲むことになれておられますが、
長時間放置すると塩素濃度が薄まり病原微生物が混入した場合、殺微生物力
が低下しますので雨水などが混入すると不潔になってしまいます。
マンションの貯水槽などでしばらくためられていた水を使用する場合
や配給後に保存したタンクの水を使用する際はできれば沸騰させた方が
いいと思います。
こういった点を鑑みても母乳がでる方は母乳を有効活用すること自体には
大賛成ですが、今回の震災でも避難所で母乳のみというのは難しそうに感じます。
 ご指摘いただいたようにリンク先の原文は英語です。It should be made clear that donations of infant formula are not appropriateの下りを「不適切です」と訳しのかなと思います。原文の出典は不明です。PubMedで検索できなかったのでpeer reviewの雑誌に投稿されて受理されたものではないかもしれません。あと、この筆者のKarleen D GribbleさんはPhDです。医師ではなく看護師でもないと思われます。

琴子の母琴子の母 2011/03/24 06:07 こんにちは。
この話題、私自身、もう少し落ち着いたら加わりたいとおもっています(記事にしたいとおもっています)ので、どんどんご意見頂けたらとおもっています!
ご継続、是非に!!!

はちこはちこ 2011/03/25 00:03 こんにちは。琴子の母さん、無事に避難されたとのこと、安心いたしました。
しかし、不自由な避難所暮らし、お体をくれぐれも大切になさってください。

JALCの声明の件、私も思うところがあったのですが、トピずれかな?と書かずにいたのですが、琴子の母さんのOKがでたので、書きます。

私はいろいろ工夫や苦労をしたにも関わらず、母乳が出なかったため、長男が4か月になったころからミルク育児です。
それまでも、母乳育児の参考になるとJALCの出した本などを読んだのですが、「いかに母乳がいいか」を力説されると、母乳をあげられない私がいかにダメか、と責められているようで辛かったです。

今回の声明もミクシィの子育てコミュに宣伝が出たので知りました。
「被災された母乳育児中の方へ!」
みたいなタイトルで。
これを見たとき、「ミルク育児の人はどうでもいいのね」と大変悲しくなりました。
実際、HPを(怖々)のぞいてみると、紙コップでのミルクの飲ませ方などが書いてあり、ミルク育児中の母親に参考になることも書いてありました。
せめて、今回のような非常時には、
「乳児を養育中の保護者のかたへ」
というタイトルにしていただけたら、より多くの赤ちゃんのためのインフォメーションになったのではないでしょうか。

声明の中で気になったのは、支援する人へ、”安易に”ミルクを配るな、という点です。
ミルクを配ることを躊躇させる書き方ですし、母乳不足でミルクを足そうと思っている母親たちに”安易に”ミルクを足しているという罪悪感を植え付けかねません。

「足りない時は清潔に十分気をつかって、必要なだけミルクをつかって。
 でもおっぱいを吸わせることも大事ですよ。
 今はストレスでおっぱいが出なくなっていても、落ち着いたら出ることもありますから」

これくらいの内容ならよかったのに…。


ちなみに、ミルク育児をしている者としては、粉ミルクとお湯、哺乳瓶がなければ、即ピンチです。
心配性の私は車や避難袋に予備のミルクや水、キャンプ用の湯沸かしコンロを常々入れてありますが、避難所の赤ちゃんたちに、十分な哺乳瓶やきれいなお水がいきわたっているか、日々心配しております。

かとうかとう 2011/03/26 22:13 そもそも、ふぃっしゅさんも書かれている通り、水分補給自体が必要な状態です。
何故、今母乳じゃなければいけないのか?どうしようもない人たちですね。
粉ミルクが届かない所では、重湯(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E6%B9%AF)でもいいので与えてあげてください。
濃すぎると駄目なので薄いのを沢山と言うイメージでいいんですよね?>ふぃっしゅさん

ふぃっしゅふぃっしゅ 2011/03/27 13:47 琴子ちゃんのお母さん、こんにちは。寒さ続く中、被災された方々の健康が守られますように。

感染症やさん、当時の状況を教えてくださってありがとうございます。
いくつかの自治体の災害用備蓄物品のリストを見ると、調乳関係の物品は確保されていますし、授乳のための場所を確保するためのパーテッションもあげられている自治体もあり、阪神大震災以降の災害経験のノウハウが生かされていることを感じます。

今回のJALCのメッセージで違和感を感じたのは、調乳の感染リスクを強調していることでした。ササガキ菌による感染への不安を必要以上にあおっているような印象を受けました。
ササガキ菌のリスクを伝えるのであれば、2004年のFAO/WHOの専門者会合で以下のような報告があることも同時に伝えたほうが良いと思います。
「乳幼児が母乳哺育ではない場合、高リスクの乳幼児の保育者に対し、可能な限り、殺菌済みで液状の市販のミルクか、効果的な汚染除去手順によって調整した調整乳(例えば熱湯で溶解する、あるいは溶解した粉乳を加熱する)を使用するよう奨励すべきである。」
実際にミルクを必要とする乳幼児がいる現実に対して、周産期関係者は何よりも清潔に調乳したミルクを被災地でも確保できるような対応策や情報を出すことが最優先だと思います。

避難先での状況が改善され、保健師や助産師が巡回できるようになったら、個々のお母さん赤ちゃんの状況に応じて「母乳でも大丈夫そう」というアドバイスができる段階になるのだと思います。
避難所では食事を受け取ったりトイレに行くだけでも長蛇の列、トイレに行かないように水分摂取を控えるなど、平時には母乳のみの授乳だった方も想定外の困難がでてきます。また今まで母乳だけだと調乳自体が初めてで、さまざまな面で困惑するお母さんもいらっしゃると思います。JALCとしてはこういうお母さんへのメッセージの方が大事ではないかと思いますね。

災害直後では電話もメールもネットもつながらない状況で、JALCのメッセージは被災地には届きようがないし被災直後の方にはまだ必要ではない情報だったと思います。
誰がこの情報を有効だと思ったのか、反対に感染症屋さんやはちこさんのように違和感を感じたお母さん方がいらっしゃるということはどういうことなのか、JALC関係者は受け止める必要があると思います。
また医療従事者は、このような1団体のメッセージに偏ることなく、広い視点で全ての母子への対応を考える立場にあると思います。

かとうさん、こんにちは!
>濃すぎると駄目なので薄いのを沢山
・・・ではだめかもしれないですねぇ。やはり適正な濃度で、適正な量をというところかと思います。また月齢と消化能力に応じた栄養のとり方が必要なので、「5〜6カ月までは、母乳かミルク以外は不要」という通常の離乳食についての考え方が基本になると思います。ただ、4〜5カ月でも経産婦さんだと「早めに離乳食でもこの子は大丈夫かも」という判断があれば、重湯もOKでしょう。でも、被災地で重湯って手に入れるの大変そうですね。

かとうかとう 2011/03/27 23:43 じゃあ、重湯だと調節が難しいですかね。
ミルクより手に入り易いかな?とも思ったけど、ミルクも重要救援物資として送られてる様だし、足りてればそれが一番いいです。

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