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助産院は安全?

2012-03-16

私たちがいかにして恵まれているのかを知る

イギリスアメリカの違いくらい、私にもわかっていますのでご安心ください。ただ、同じようなカテゴリばかり増やすべきか悩んでしまって、また、まだメイさんからのお話も伺いたいことあるので、ちょっと強引にカテゴリを同じにしてみました。

Facebookで、ある産科医の方が流されたことで知りました。

アメリカ出産体験記 / 秋田赤十字病院  原 賢寿氏

医療保険に加入することの必要、重要性は聞きます。あとは私の想像ですけど、システムを作り上げていくのには合理的に、なんだかそっけないほどにとおもっていたような気がするんですが(漠然とです、追求して考えたことはない)、本当に、日本て恵まれている!!!と感じるばかりです。

日本で病院に行くと、「待ち時間が長い」とか、「先生が愛想悪い」みたいな不満にはすぐに出会えるのですよね。否、正しく言えば、家でテレビを見ているだけで、自然とそういう情報に出会える(うちはテレビを持っていないので、今現在のことはわからないです、もうそういうこともない?)。でも、待ち時間が長くても、診てくれる。そっか、診てもらうだけでもこんなにも苦労するのですね...

検査が必要だったりして、その場で結果がわからないことはあったり、検査のために長いと数ヶ月は待つとか、そういうのはあるけれども、でも、毎回が次の段階への手順となる。それがいかに大変な維持であったのか。

税金の使い方は政治家だけじゃないんですよね。夜間の救急外来のコンビニ受診も大問題、正しく使うべきことへ使ってもらえるように、私たち自身も見直して行動に移していくべきだし。

政治家行政ばかりに責任を押しつけるのは簡単ですが、我々としても日本人らしい「小欲知足」の精神に立ち返り、国民全体が医療に対する意識改革をするべきときではないかと思っている今日この頃です。

頷くばかりです。

そして、「だから病院は必要ない」という思想に染まりつつないか。無意味な医療批判に流されていないか−琴子を産む、そして亡くしてしまうまでは「死」というものに対してただ無知で、恵まれすぎていたからこそ、想像にも現実味はなく、どうしようもなく馬鹿な頭だったけど、私は琴子の死によって、やっと社会を、現実を知ることができたような気がする。

2012-02-10

何故、日本の助産師には“自然分娩至上主義”が多いのか-3

何故、日本の助産師には“自然分娩至上主義”が多いのか-2からです。メイにふぃっしゅさんと私からお願いした『民間療法をしたら罰せられるという点』にくださったご意見を抜粋させていただきました。ありがとうございます。

さて、ご質問の件です。

民間療法をしたら罰せられる」と言うよりは、「根拠のないケアを、その旨を説明せずに行ったら罰せられる」と言い換えた方が正確かもしれません。

たとえばホメオパシー。この有効性は未だに認められていません。ですから、「根拠のないケア」となります。

それを、たとえば助産師がこのように患者さんに勧めたとします。

「アニカドロップというホメオパシーがあるのですが、傷を癒すのに有効だと言われています。会陰の傷が早く治るように、薬局で買って飲んでみてはどうですか?」

これは違法です。

では、次の勧め方はどうでしょう。

ホメオパシーには科学的な根拠がありませんし、効果も立証されていません。ですが、効果があると信じて使っている人もいます。薬店で購入することができるので、誰でも使うことができますが、医師が処方する薬の代わりになるものではないので、処方薬があれば必ず服用して下さい。」

この場合は、違法とは言えないと思います。

乳房マッサージに関しても、その効果が立証されていませんし、科学的な根拠もないので、イギリスでは行いません。たとえば、私が日本式に産婦さんの乳房をマッサージしたとして、後日その方が乳腺炎を発症し、「助産師メイが根拠のないマッサージをしたからだ」と訴えられれば、私に勝ち目はありません。

英国では、看護師および助産師の免許は、NMC(Nursing and Midwifery Council)という機関が管理しています。逆に言うと、このNMCに登録されていない者は、看護師助産師として働くことができません。NMCでは看護師および助産師に対して、多くのルールを取り決めており、一番基本的なルールは Codeと呼ばれる一冊の冊子に集約されています。「患者さんの人権を侵害しない」とか「処置内容は記録に残す」とか、そういう本当に基本的なものです。その中に、『 locally agreed evidence-based standards(英国内で根拠があると認められた)処置以外はしてはならない』とあります。また、『患者さんの自主的な選択を優先させなければならないが、その場合にはそのリスクを十分に説明し、それでも理解されなかった場合には、スーパーバイザー(それぞれの助産師がもつ相談役のような人です)およびその他のチームメンバー(この場合は当然コンサルタントが含まれます)に連絡しなければならない』、とあります。

つまり、「助産師は根拠のない処置を行ってはならないし、患者さんが望んだ場合でも、それがリスクを伴う場合は、その旨を説明し、医師にも報告しなければならない」ということです。

これらのことは学生時代に何度も強調されるので、英国内で教育を受けたものならば耳にタコができるほど聞かされています。訴訟の多い国ですから、これらのルールは、患者さんを守るとともに自分自身を守ることにもなります。

では、どのようにしてエビデンス(根拠)のあるケアを徹底するかというと、英国にはNICE(National Institute for Health and Clinical Excellence)という機関があって、そこがガイドラインを設定しています。各病院がこれらのガイドラインを目安に、実用的なレベルまで下げて、さらに細かくガイドラインを設定します。NICEでは、リサーチの奨励もしていて、常に新しいエビデンスを求めています。

例えば妊婦検診については、NICEからはAntenatal Careというガイドラインが出ていて、フルバージョンは400ページもあります。一項目を取り上げてみますが、ガイドラインによると、「ローリスク妊婦の検診は、助産師が行っても良い」とあります。そしてその根拠として、スコットランドで3041人のローリスク妊婦さんを対象に行ったリサーチの結果、健康面でも満足度でも、医師が検診を行った場合と差がなかったとあります(ちなみに英国では医師も検診時のエコーはしません)。

ホメオパシーガイドライン状の記載はハーバルメディスンとなっています)を含む、代替療法についても記載を見つけました。いくつかリサーチがなされていて、害がないものもあったが、一部のレメディーで早期破水のリスクが上がったとあります。それゆえ、妊婦さんに向けては「害がない、または効果があると期待しないこと、使用する場合は最小限にとどめること」との記載があります。




また、NMCでは、看護師および助産師がルールに従わなかった場合、その者をHearing(この場合は、調停や裁判のようなものだと思います)に召喚して、今後の処分を取り決めます。つまり、NMCが原告看護師または助産師被告です。被告人のフルネーム、資格番号、訴えの内容は、誰もがウェブサイトで簡単に見ることができます。先ほど見てみましたら、一日に多い日で20件ほどのhearingが行われているようです。一例を挙げますと、現在進行中のものに、『羊水が胎便で濁っているのを認めたにも関わらず、医師への報告を怠った』というものがありました。処分としては、厳しい時で免許取り消し、他には、一定期間の免許停止や、監視下での業務などがあるようです。

たとえ刑事事件にならなくても、定期的に行われる監査で発見されたり、患者さんからの苦情で明らかになったり、稀に同僚からの通報で発覚する場合のあるのかもしれません。いずれにしろ、NMCが取り決めたルールに従って働かない者は、処分の対象になるということです。

私自身が有資格者ではないので、労働上の条件等、イギリスと日本の差を語れる術がないのですが、ただ、日本では監査が定期的に行われていそうもないと感じるし、ホメオパシー乳房マッサージ・ケアの説明についての行、日本での宣伝・発言内容のままに助産師イギリスへ行ったら、罰せられること間違いないとおもいました。酷いケースだと、親を丸め込んだ挙句、選んだのは親じゃないかと開き直りますから。こういう助産師は、プロとしての責任感が皆無なんですよね。

日本の問題多い助産師の方が一番嫌うことなのかもしれませんが、メイさんのお話を聞いていると、イギリス助産師の方には“医師をボスとして認めている”というのが大前提にあるのではないでしょうか。日本での助産師の問題を知れば知るほど、医療批判=医師よりも私たちの方が正しい!という意識が常に根底に流れているような気がします。これによって、『病院を頼るようなお産は女の恥』と言わんばかりの荒い意見が隠された妙なメッセージが作られてしまい、医療批判・医師侮蔑の気持ちを一般人にも植え付けてきているように感じます。

ホメオパシーを勧めている助産師が、ホメオパシーには科学的な根拠がありませんし、効果も立証されていません。ですが、効果があると信じて使っている人もいます。薬店で購入することができるので、誰でも使うことができますが、医師が処方する薬の代わりになるものではないので、処方薬があれば必ず服用して下さい。」というようなことを言っていたと、想像もできないです。聞こえてくる話は、「薬を飲んではいけない」とか、「ホメオパシーを飲んでいるのだから、好転反応が出た暁には体が良くなったことを実感できる」とか、そういうのばかりです。

また続けていきます。

2012-01-23

何故、日本の助産師には“自然分娩至上主義”が多いのか-2

メイさん、ふぃっしゅさん、コメント有難うございます。早速ですが、メイさんの教えてくださったお話から更に考えていきたいとおもい、記事にしました。

先に補足として。メイさんが教えて下さる内容は、あくまでもメイさんの体験を通してのことですので、「今は違う」というご意見もあろうかとおもいます。そういった場合、メイさんを否定するのではなく、違うご意見として教えてくださると有難いです。まぁ、要らぬ心配かもしれませんが、時折、“攻撃したい”が主な方がご登場くださることがありますので、経験上、ついつい、先に申し上げるまでです。そこをご理解くださった方のみ、ここから先をお読みください。どうぞ宜しくお願いいたします。


私のような専門教育を受けていない者が言うのもなんですが、気になったところをあげさせてもらいたいとおもいます。


日本では、看護資格を持った者(看護大学ではその限りではありませんが)が1年間の教育を受けて、その上で国家試験に合格することで資格を得ることができます。実習で義務づけられている分娩件数は10件ですが、最近では4件くらいでも卒業させてもらえると聞いたことがあります。

一方イギリスでは、看護資格を持つ者なら1年半、持たない者なら3年の大学教育で、国家試験はありません。実習と学内での学習は50%ずつです。実習においてこなさなければならない最低限の項目は、分娩見学10件および実施40件、妊婦検診(エコーではなく腹部の触診で胎児の向きを確認する)100件、産褥検診(母児ともに)100件、正常を逸脱した妊産褥婦の看護40件です。

まず、卒業までに要する分娩件数が

実習で義務づけられている分娩件数は10件ですが、最近では4件くらいでも卒業させてもらえると聞いたことがあります。

という箇所です。この減らしてもらえることがあるのが事実だとしたら、どういう理由からなのでしょうか。もしご存知の方いらしたら是非、教えてください。

減らされないで件としても、イギリスでの内容

一方イギリスでは、看護資格を持つ者なら1年半、持たない者なら3年の大学教育で、国家試験はありません。実習と学内での学習は50%ずつです。実習においてこなさなければならない最低限の項目は、分娩見学10件および実施40件、妊婦検診(エコーではなく腹部の触診で胎児の向きを確認する)100件、産褥検診(母児ともに)100件、正常を逸脱した妊産褥婦の看護40件です。

と比較するだけで、日本の方が圧倒的に数が少ないとわかりました。あまりの差に驚くばかり。国家資格の有無が日本だと大きく左右するけど、本当は経験の差なんだろうなぁとおもったりしました。エコーは日本だと診察となるので、助産師の方は本来、許されない行為となる故に、何かそういう点での、元々の要不要の差もあるのかもしれませんが、それにしても、内容の在り方からして違いを感じます。


一方日本では、記録はもっと感情的なものが多かった気がします。

「私はこう思いました」とか、「このようにしていきたいと思います」とか、「思う」という言葉をよく使った気がします(私は専門学校出身なので、大学での教育は違うのかもしれませんが)。ですので、こちらで小論文を書く時に、最初はI think・・から始めてしまって、実習担当の助産師「あなたがどう思うかなんて誰も興味ないわよ。根拠のある事実だけを書いて」と言われたのを覚えています。

強調させていただいた箇所は、このブログの外でもよく感じることでもあるので、ついつい...そして、ズバリって気がします。これ、助産院や自宅出産で事故にあったお母さんたちの多くが感じることのような気もします。ちょっと視点が違ってしまって脱線しますが、目の前の助産師は何故子どもが死んだのか? それについて語るのが「運命だった」などと勝手に断言してくれますが、実は自分がどうおもっているか(どうおもわせようとしているか)なんですよ。


実習病院では、学生一人一人に担当のメンター(入学から卒業まで継続してその学生を指導する役割の中堅助産師)がいて、実習記録の評価や、その学生の助産師としての適正を見極めます。大学の教員は実習にはついて来ません。学生はグループ単位ではなく個人で各病棟に割り振られ、スタッフに混ざって行動します。メンターが不適正だと認めた場合は、その学生は退学になります。

一方日本では、実習はグループ単位で、教員が一名各病棟に学生とともに配属になります。実習記録を最終的に評価するのは病院のスタッフではなく教員です。

教員がダメとかじゃなく、ただ、現場を知っている、現実を知っているのはメイさんのくださった言葉を借りると、メンターの方ってことですよね? 一緒に動いて、実際に指導をしている人の評価こそが真実って気がします。


総合的にどちらが大変だったかというと、精神的には日本の方がきつかったと思います。なんというか、寝ないで実習、寝ないでグループ研究、死に物狂いで頑張れ、みんな仲間だ助け合おう、みたいな雰囲気でした。私はクラスで最年長(当時29歳でした)で、あまりなじむことができず、適度な距離を置いてしかつきあうことができずに終わりました。

でも、総合的に見て、学習や実習の内容は、イギリスの方がずっと濃かったです。知らなかったことがたくさんありました。日本で私は何を学んできたのだろうと、自分で自分にあきれました。

日本の方が精神的にきついっていうのは、妙な連帯感でごまかすところもあるからでしょうか。これまたブログ外でも感じることですが、協調性を履き違えていて、意見しにくい状況を保持していますよね。意見の対立を“喧嘩”としか表現出来ないというか、そういうところがある。もったいないなぁっておもうことがよくあります。


イギリスでは国家試験はありませんが、大学内において実技試験があります。どこの大学も基本的には同じカリキュラムなので、これはうちの大学だけではないはずです。試験内容は、緊急時の処置です。肩こう難産、分娩時出血、逆子分娩などの項目から1つと、新生児蘇生術は必須でした。とるべき行動を口頭で説明しながら実技を行う試験です。誤解のないように明記しますが、いずれの処置も、まず最初に「助けを呼ぶ」とあります。つまり、医師を呼ぶのが必須ですそれでも、万一の時のために助産師も知っておかなければならないというスタンスのもので、医師を呼ばずに対応するというものではありません。実際の現場では、医師が次にどんな指示を出すかが予測できるので、より速く動けるというメリットがあると思います。

あぁ、この強調した箇所を、すぐにでも誰か、報道してくださいませんか? この意識が大きく違うとおもうんです。どうも日本の、特に問題のある助産師の方の発言からは『医師を頼るなんて敗北!』というのが感じられてならない。だからなるべく搬送しないようにしていたり、まぁ、現代における助産院や自宅出産というのも、『医療医師)から離れる』ということの表れのようなものでしょうからね。


日本では、緊急時の対応を習った記憶がありません。教科書上では説明程度はあったのでしょうが、実技はありませんでした。ひたすらに会陰保護の大切さを教えられた気がします。しかも、「東大流は左保護、日赤流は中央保護」とか、学校によって流派みたいなものがあって、それこそ根拠だとか研究結果だとかというものには、まったく触れられませんでした。そしてそれを、私はまったく不思議にも思いませんでした。

やっぱり...やっぱり、会陰保護が重要課題であったんですね、だから、助産師の方たちは会陰切開こそが悪! という意見になっていたんでしょうね。そして、流派まであるんですね。

そして、緊急時の対応を習った記憶がないということ、もしかしたらあったかもしれないけれども、記憶に残るほどの濃い内容ではなかったということでもあるのかもしれませんね。

ざっと思いつくままに書いてしまいましたが、何かの役に立ちますでしょうか?私個人は、日本の助産師学校で直接的に自然分娩至上主義を習った記憶はないのですが、思い返すと、講師の個人的な意見があちこちに反映されていたと思います。ですから、自然分娩至上主義の講師の元で、しかもみっちり一年間精神的に辛い状態で仲間意識を育てていけば、同じような助産師が育つのは自然な結果かなと思います。

とんでもないです、とても有難いです。

私は『自然分娩至上主義』というのは、私たち一般人もいつの間にかに洗脳されていることなので、助産師になる方たちだけへの教育が問題だとはおもってはいません。テレビを見ていても、無条件での医療批判に始まり、雑誌や書籍は『マクロビオティック』『オーガニック』『スローライフ』『ホメオパシー』、そして民間療法を紹介するものが多くあり、そういうのを好むようにと情報を偏らせている何かがあるとおもえてならないです。そういう下地が出来た状態で、更に自分の持つ世界へこそ導きたい人が待つような世界(教育)であるならば、洗脳されない方がおかしいほどでしょうね。私自身、自分のことを当時、『自然分娩至上主義』であることをおもったこともありませんでした。そんな客観性は持てずにいたことも問題なのですが、それにしてもです、助産師の方がその肩書き、資格を持った上で「素晴らしい出産は畳の上だ」などと言うのですから。人のせいにしてばかりでもいけないんですけどね、やっぱりそういうことにその場できちんと考えて見直すことが出来なかった私自身が悪くもあるのですが。しかし、その結果で失ったのが琴子、自分の子どもです。こういうことを予測出来る、しているはずの助産師の責任は、やはり重くあるべきです。


現役学生の方からも現状を教えていただけたら幸いですし、何年前のことであろうとも、助産師の方たちの教育内容を教えていただけるのは、私としてはとっても有難いです。勿論、日本、イギリス以外の国のことでも。


メイさん、もう一つお願いしてもいいですか? ふぃっしゅさんのご意見にもあった質問へのご回答も頂けたら幸いです。

またメイさんの最初のコメントで、民間療法をしたら罰せられるという点が興味深かったです。

ホメオパシーで赤ちゃんが亡くなっても、看護協会も助産師会も何も動かなかった。

メイさん、是非、お時間のある時に助産師代替療法について、あるいは職業倫理についてイギリスの情報を教えてください。よろしくお願いします。

ホメオパシーはドイツ発祥のものですが、イギリスでも人気が高いと言われています。メイさんがご存知のことありましたら、是非とも教えてください。勿論、ホメオパシー以外のものでも、何か参考にさせていただけることがありましたらお願いします。




琴子やお友達の天使ちゃんたちの死を大事におもってくださる方がこうやって居てくださって、有難くおもいます。

皆様、これからもどうぞ、宜しくお願いいたします。

2012-01-21

何故、日本の助産師には“自然分娩至上主義”が多いのか

イギリス助産師として働かれているメイさんがご意見くださるようになり、今後、イギリスと日本の違いを教えていただける機会も得られそうなので、カテゴリーに新しく「日本とイギリスの違い」を作りました。メイさん、どうぞよろしくお願いします。

今回の記事は当ブログ『忘れてはならないし、知っておかないといけない知識』にお寄せくださったみなさまからの貴重なご意見を拝読し、そこで私がずっと感じていた疑問を書くことにしました。せっかくの貴重なご意見からピントがずれていると感じられると思われる方もいらっしゃるとおもいます、すみません。しかし、継続していきたいと思っていますので、懲りずにこれからもお付き合いください。

メイさんがご意見としてコメントをくださった中に

私個人としては、日本でも、助産師が縫合できるように教育を見直す必要があると思っています。そして、必要最低限の薬を処方する権限も与えた方が良いと思っています。そうすることによって、助産師が法の隙をぬって、違反すれすれの民間療法を頼ったりする必要がなくなると思っています。

でも、それをするためには、徹底した助産業界の改革が必要だと思っています。過激ですが、今ある助産院はすべて廃止するくらいの覚悟が必要だと思っています。助産師と産科医が協力し合って、同じ判断基準を持ち、同じ危機管理意識を持ち、すべての処置はエビデンスベースド(研究の結果明らかに根拠があるもの)であるべきだと思います。

今の日本の状態では、助産師にそれらの権限を与えることは、危険すぎると私も思います。

こちらのブログを読み進めるほどに、日本の助産院の助産師たちは一体どうなってしまっているんだと、まったく理解不能です。本当に、カルト集団のようですね。恐ろしいです。

日本とイギリスの、資格の名称が同じなだけで、やれる行為や立場の違いをおもうとなかなか表現も難しくなってしまうのですが、皆さんのご意見を拝読していてどうも不思議でならないのが、何故、日本の助産師は“ナチュラル志向”に流れていくケースが多いのだろうか、ということです。

助産師を目指す方にたまたまそういう方が多いのか?

でも以前に、日本の助産師教育者の中に既に思想が偏っている方がいらっしゃるというお話を聞いていますので、私は教育の違いにも凄く興味があります。

もしも日本の助産師に今後、会陰切開や縫合をさせるようにしていくとした場合、私も

過激ですが、今ある助産院はすべて廃止するくらいの覚悟が必要だと思っています。

は鉄則だとおもいますし、もっと過激におもわれるかもしれませんが、教育者の見直しも徹底してされるべきだとおもいます。医療医師を否定する、批判的な考えをお持ちの方は本来、切開や縫合が許されていない現在であっても不適格だとおもっています。

そして不思議が増えることに、suzanさんの

日本とイギリスでは、産科医師の仕事からしてすでに、日本とは異なっています。

国ごとに医療現場での医師の役割が違うのは、ある意味当たり前でしょう。

異なる文化的背景の中で医療制度ができてきたのですからね。

から、医師の方たちは異なる文化的背景の中での教育の差があっても、ある程度は同じ志であるようにおもうのです。勿論、医師の方のなかにもトンデモな方はいますが、それでも日本の自然至上主義の助産師の偏り具合ほどではないとおもうのです。だから余計に、日本の助産師教育に問題を感じちゃうんです。

ふぃっしゅさん

日本の助産制度の浅さ、偏り、問題点については、本当に「遅れている」と思い同感です。

こちらのコメントでも何度か書きましたが、私は看護師勤務後に助産師になったのですが、同じ看護教育を経たとは思えない独特の助産師の気質に驚くことが多くありました。特に、桶谷式マッサージの中での偏った食事指導や舌小帯切除についての疑問が大きかったのですが、そのような未検証の考えに基づいたさまざまな民間療法や民間資格が跋扈していることが問題だと認識されていないどころか、開業のために利用さえされている現実は、本当に母子のためだろうかと思います。

母乳育児の方は大きく分けると桶谷式と、そこから分派の山西派があります。母乳育児の相談専門として助産師の方が開業できるシステムが不思議におもうこともあるのですが、本来は病院と完全に連携しているべきなんでしょうね。何故か開業出来ていることからして、『母乳育児の専門家』として感じられてしまっています。

あと、書いていておもったんですけど、新生児のことって小児科医の医師の方が専門家としていらっしゃるし、妊娠中から分娩に関しては産科医の医師の方が専門家としていらっしゃる、相談できるけど、分娩後の母親の専門家としては勿論、産科医の方たちが専門家としていらっしゃるのだけど、なんとなくグレーゾーンが出来てしまっていて、隙間産業としてしっかり成り立ってしまったような気がします。

確かに、慣れない育児への不安とか、そういう些細なことへ寄り添うようにして関わってくれる人がいるっていうのは、凄く嬉しかったり心強くなったりするとおもうので、はまっていってしまうお母さんたちの気持ちも理解出来るのですが、怖いのは、自然至上主義への入口になっていることが多くあると感じられることです。一時の安らぎ的に存在しているだけならば、私は問題におもうことはなかったかとおもうのですが、そういう施設の中でも医療批判をしていることが新たな自然至上主義の母親をうんでいるから、問題視するのです。何故、助産師の方たちはこういう方向に流れてしまうのか、それが日本特有なのか、もしもそうなのだとしたら、何故そうなってしまうのか。

私は以前から何度も同じことを繰り返すばかりなのかもしれませんが、日本の助産師の教育システムがおかしいのではないかと、一部であったとしても、教育者の中に問題があるのではないかとおもえてならないのです。でもメイは

私は日本でも助産師をしておりました。神谷助産師と同じ助産学校の出身です。

とお話されているので、たまたまおかしい考えに流されてしまう人が多くいるだけなのでしょうか...

H助産師のように、今の制度以前の頃から助産師をしていた方(産婆であった方)の中には、社会的な立場の違いの経験から、「今よりも自分たちに優位だった」のか、昔のままでいようとする人がいてしまったことは否めないとおもうのですが、でもそれはあくまでもある一定の年齢の方たちまでで、産婆であった経験がないはずの人までが産婆であろうとしたり。


ちょっと今回の自分で書いたタイトルから外れることになりますが、メイさんと医師Xさん(本当、ブログではお久しぶりです!!)とのやりとりから、移民の方たちのお話がありました。

学生時代の曖昧な記憶ですが、英国内の妊産婦死亡の第一の要因は肥満(BMI40以上)、第二の要因はコミュニケーション不足。それと、亡くなった方には、英語が第一言語ではない方が多かったと記憶しています。

あぁ、私たちって、あったりまえに守られているんだなっておもいました。自然、自然って、情報を得ることからしても、その環境に甘えてのことであって、本当に野に放たれたようにして生きるしかないとしたら、まともな情報だって得られないんですよね。凄く深い問題に触れた気がしました。


私は琴子のことで、当時の日本助産師会の方から誌面を通じて“産む側も勉強を”と言われたのですが、助産師になる方たちがどんな勉強をしているのか、実態を知りたくてなりません。最初に自然分娩至上主義をもたらしたのが誰(達)なのか。その意思・思想が教育に反映されていなかったのかを知りたいです。

イギリスとの違いについての話ではないようにおもわれてしまうかもしれませんが、会陰切開・縫合問題を含め、イギリスと日本の助産師の教育システムの違いを知りたいと思いました。