わたりろうか このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-03-31

スーパーリラクゼーション・トゥ「夢十夜」 00:04 スーパーリラクゼーション・トゥ「夢十夜」を含むブックマーク

こんな夢を見た。

我が家で宴の支度をしていた。皆が食べ物を卓に並べていた。中学生時分の友だった。父と母が勤めで遠方に向かった。カメラを渡した。最も新しい小さなカメラは壊れており、手のひら三つ分ほどの大きめのカメラを渡した。

宴が始まった。まだ何も食べぬうち、自分の女は何をしているだろか、と話す者がいた。妬んだ私はその場を出、我が家の前の坂を裸で滑走し、爪で速度を上げ、腰で方向づけを為し、ドリフト走行でメンズDVDショップを目指した。

このような暴挙に出れば、皆は後に面白がってくれるだろう、そう思っていた。国道沿いにある舗装された歩行者用道路を滑走するが、うつ伏せになった胸や腹や脚は痛まず、速度だけが上がった。裸でこのような速度を出し滑る者はいまい、そう思いつつ婦女子の好奇の目など認めるに、常ならぬ愉快を感じていた。

ドリフト走行で最後のカーブを曲がり、肘で急ブレーキを掛けるも、左側に見えるはずの店はなく、数メートル過ぎたところから、微速にてあるはずの場所に近付いて行った。

取り壊された建物とその跡に生えた草が見え、不思議に残ったシャッターに、メンズDVDショップはここここに移転します、と書かれた貼り紙があった。

この国道をもうしばらく走れば、もう一件のメンズDVDショップがあった。

しかし、そこまで走るのは億劫であり、何より落胆が大きかった。

もう宴も始まってしばらく経つ、早く帰らねば、と思い帰路に就いた。

徐行にて歩道を滑走していると、ラブホテルがあり、そこを一角とする十字路の斜向かいに、佇まいの美しい、若者で賑わうショッピングモールが見えた。こんなところにこんなものがあったのか、と興味をそそられ、ゆっくりと道路を横断し、ショッピングモールの広場を滑った。

活気があり、豪奢である、ここは良い、と満足し、再び横断歩道を渡り、ラブホテルの駐車場に差し掛かったとき、大きな地震が起こった。

人々は叫び戦き慌てふためき、向かいの巨大スーパーの客も、ガソリンスタンドの車たちも、尋常ならぬ恐怖に我を忘れていた。地震が止んだ。私は早く帰るべく、ラブホテルの脇から通る坂道を行き、田んぼの中に家々がまばらに建つ風景を楽しんでいた。

大きな叫び声があった。もう地震は止んだのに、しつこい恐怖である、と思い振り返るに、先ほどよりますます人々が恐慌の中にある、どうしたものだと前を向き目線を上げると、山が噴火していた。

火口からは巨大な、小さいもので五十センチメートル、大きなもので五メートルはある、恐るべき岩石が雨粒の数をもって次々こちらに飛来してきていた。それらは家に当たり道に当たり、人や物やを問わず鏖殺した。私は近くにあった人家の陰に隠れた。人家は巨石に耐え、軒すら耐え、耐震性とは頑強であることを言うのか、と私を感嘆たらしめた。

一つの巨石が私目掛けて飛来した。それはシューティングゲームの弾のようであり、私は横に素早く滑りそれをかわした。いくつか同様にかわし、火山弾恐るに足らず、と、私はいささか機嫌を良くした。しかしその威力と、眼前に広がる岩の雨と赤黒く光る山の頂は光景として余りに荘厳で威風に溢れ、私はそれを写メで記録した。家に帰ったら皆に見せてやろう、きっと何よりの土産になるに違いない、身を隠しながら写メの映りを確認しつつ、私は思った。

雨が止むように、空が晴れた。山は鎮まり、私は街の様子を見ようと、民家の軒下からラブホテルの駐車場へ滑走した。

三たび叫び声が上がった。今度は何事かとショッピングモールの空を見るや、白い雲が浮かぶ虚空から、巨石が幕が如く降り注がれていた。

その一つが私を狙った。

私は避けようとしたが、雲からの巨石は速く、かわしきれないと覚悟を決めた。

次の瞬間、寝汗と共に私は起きた。恐怖の記憶を胸に階下に赴くと、宴は既に終わっており、やっと起きたか、と嘲笑の声が聞こえた。笑いが起き、しかし未だ恐怖に震えていると、数人が帰ると言い出した。

そうか、気をつけてな、と残る皆で送り出すや、隣家であろう、その辺りから、女と其奴らの声がした。声は車が発進するや消えた。

残った皆で其奴らを罵倒した後、玄関に布団を敷き、眠ることになった。

私は眠れなかった。巻誠一郎がこちらを見ていた。二三話をすると、巻は寝た。

その後、友人のHと、兄と慕うSさんと共に、ここをこのように滑っていたのだ、と説明しつつ歓談しつつ、一件の蕎麦屋の前に着いた。

我々はSさんに蕎麦をねだり、Sさんは渋々ながら承諾してくれた。

我々はSさんに色んなことを訊ねた。その中で、既婚者であるSさんは女性に興味をどのように持っているのか、というものがあった。

Sさんは、ええか、と関西弁を使い始め、給仕の美しい少女を呼び、空中に点字を描き始めた。

それは見事な凸模様であり、その下には試験管の中から太いタンポンを抜き出したような絵があり、その先端からは英語でインサートと書かれた吹き出しが飛び浮かぶのだが、達筆に過ぎて判読が難しかった。

二三ハートマークをあしらったのち、少女に向き直り、Sさんは、アイラビュー、と言った。これが大人の男だ、と、我々は大いに感嘆した。

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2009-02-27

クシャマインについての二三の事柄2 16:34 クシャマインについての二三の事柄2を含むブックマーク

すっかり陽が落ちたころ、クズミがランタンを持ってクシャマインの近くに来た。フレッジがいなくなったことを確認したのだ。クズミはまだ少女だったが、フレッジの祝いに参加した一人であり、フレッジのことを好いていた。フレッジの頬に赤みが照り始めたころ、彼女はフレッジに問いかけた。「ねえフレッジ、わたしってきれいになったかしら」「そうだね、きれいになった」それ以来、クズミはフレッジにあまり近寄らなくなった。彼の首に掛かる白銀の光が何より美しく、自分の着ている薄布のスカートの裾に出来た土の染みが、やけに大きく感じられた。それからクズミは髪飾りをつけ、服を少し上等な、それでも村にある限りのものだが、花をあしらったものに替え、靴は、幸い弟たちがたくさん働いてくれていたので、農作業に適さない、踵を低く持ち上げる皮の、白い兎の毛がついたものにした。それから彼女は少し酒を飲み、料理を覚え、よく家屋の跡を見に行った。青がおりて夜になると、彼女は時折ランタンを持って外に出かけ、近くの小川に掛かる橋に座り、星を見た。その光が彼女におりてくるだろう、いつかおりてくるのだ、そう思って、村の男に求愛をされた頃、フレッジは村を出た。

彼女は思った。白銀に自らがなるより、フレッジに求められ白銀を手にする方が、よほど近道だったのだと。そして彼女は、白銀よりもフレッジを求めていたことを知り、ランタンの灯を消し、クシャマインの小屋にもたれ掛かって泣いた。翌日、彼女はフレッジのことを男に告げ、あのようになって欲しい、と言った。男はフレッジの顔をよく覚えておらず、どうしたらいいか問うた。クズミは毎日のようにクシャマインの小屋にもたれ掛かって泣いた。まるでそこを守るように。クズミは幾人もの男に求愛されては、同じことを告げ、同じように問われることを、しばらく繰り返した。それは星が何度も出ては入り出ては入りする間で、クズミはやがて大人になった。白銀の光が胸にあるうち、クズミはずっとランタンの灯を消し続けるのだろう。クシャマインの小屋の周囲に彼女が柵を作ったのは、その頃だった。

jyunjyoujyunjyou 2009/03/01 00:03 概ねの人がクシャ物語に興味ないみたいだから同等以上に興味なさそーな情報を発信するよ…!スカイプ入れましたー!
isikawa119
お馴染みのアーイディー、ID?アカウント?なので登録ヨロー☆
ほんと世の中って想像以上だわ。

jyunjyoujyunjyou 2009/03/01 07:16 おはようございます!
伊賀くんになってきます!
まだ深夜じゃねーか!

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2009-02-26

クシャマインについての二三の事柄 16:12 クシャマインについての二三の事柄を含むブックマーク

そこにそれはあった。橋を渡ると木造の家屋があり、そこにクシャマインが詰め込まれていた。番をしているフレッジと目があった。「ここを出るのかい?」「ああ、ここはもう僕を必要としていないからね」フレッジはクシャマインの守りをして随分経つが、まだ若い青年で、外に出るには問題のない体と知性を備えていた。「どこへ行くんだい?」「ここが見えないところさ」フレッジの顔をまじまじと見た。褐色の肌の頬に赤らみが見え、それを僕は美しいと思った。「君ならどこでもやっていけるさ」「ありがとう」「じゃあ、さようなら」

一匹の獣がいた。家屋の中に進入しては子どもや大人分けず食べ、毛並みが薄い白銀に輝き、速く走る獣だった。

かつてフレッジはその獣を一人で退治したことがあった。その時、皆はフレッジを村の英雄のようにあらゆる酒で祝福し、褒め称えた。それから獣は一度も現れなかった。フレッジは少年の末から青年の始まりに移り、皆は獣のことと、フレッジのための晩餐を、すっかり忘れてしまった。灯りの中で白桃の酒を飲むフレッジは、やはり褐色の肌をしていたが、そこに若い輝きを見せていた。頬が赤く染まっていたか、炎のオレンジ色が彼を照らしていたので見えなかった。

フレッジが村を出る。その首には、獣の毛でこしらえた、鉄の輪に白銀の糸がふわふわと並ぶ、きれいな首飾りが掛かっていた。

フレッジが村を出た。誰かがクシャマインの守りをするのだろうが、それはまだ何も決まっていないことだった。

僕は草が生え揃う中、一部だけまばらになった箇所を見た。そこは獣が襲った家屋があった場所で、家屋が薪と荼毘の材料になったあとは、誰も手を付けていない場所だった。それが村の人々が思うかなしみの表現であり、そこには草があまり生えなくなった。

墓は村の外れにあった。そこに、フレッジからもらった、獣の毛の一本を、そっと添えた。

辺りは青い空が布の色を濃くしていき、覆われた僕たちはやがて家に帰る時間になっていて、墓の周りにも、遠くの畑にも、誰もいなかった。ここからクシャマインの小屋は見えなかった。

白銀が夜に差し掛かるまでの、恐らく最後の光に触れ、白く光った。

フレッジからこの光は見えないだろうと思った。僕も、家に帰らなければ。

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2009-02-25

わたりろうかだよ!初携帯更新祭 03:04 わたりろうかだよ!初携帯更新祭を含むブックマーク

最近サイドバックにハマッてるんですけど。

基本的にサイドバックって美女じゃないですか。センタリングあげるよー、とか、そういった種類のナポレオン・ポルチオ火山じゃないですか。

サイドハーフ界に現れた超新星とお話していたのですが、オケツがメルトバナナ起こしちまった、無印の店員でも擦り付けておきな、ライジングフェラパクト、すげえ!ツイスト陰毛だ!、卓袱台をひっくり返し息子を叩きながら「ピーターパンになりたい!」、俺の盲腸が豊胸手術に踏み切ろうとしているのだが保険は効くのかね、レジカウンターを真っ直ぐ行って崖から垂直に微動だにせず落ちた場所が温泉で幼馴染みや押し掛け女房や岡惚れフィリピーナの裸を見てしまい洗面器を投げられて女になってしまったが外性器がビラビラして空も飛べるはず、ゴミで煌めく世界が僕たちを拒んでも?、ずっと傍で太っていてほしい、アナルが広がる!俺の盲腸!俺の盲腸!俺の盲腸!それなんてモイスチャー?ズタズタタンタンタンタタン!「えー始まりましたーAMラジオイッチョーやってみっか!のお時間です司会は勿論私髪は茶色で心は純白、分泌物は不穏な色でお馴染みキエサルヒマ多香子でーす(四人テーブル!)はーいトラウミーな声援をアリガトー、それでは早速今日のゲストをお呼び致しましょう、人間魚雷さんと産婦人科の前でケンカするカップルに巻き込まれて服が着エロみたいになったお婆ちゃんとその最後の残し種、赤いナプキンでーす!(ヒューヒュー)はーい盛り上がってますねードーン!落ちた!奴らは落とし穴に落ちた!探検がーはじまるー未知のー世界へー僕らのーたーびはー大蛇のー気紛れー、はい、キマグレンの新曲で、うんこ味のうんこに入ってコーン一本丸々かうんこ味の美女かうんこ味のうんこかメンバーで争った結果麻生性の相違につき解散した女がすげえニコラス・ケイジに似てて石投げてやったらキーって鳴いて山に逃げた!やっぱブスは動物だぁ、先生の仰ってたことに間違いはなかったっぺ、よっしゃ、サッカーの時間だてよ、ほら、行くっぺ。よっしゃ。」 彼らの言う先生とは何者だろうか。彼らが通う学校はおそらく昭和初期に出来たのだろう、木造の及ばない箇所はなく、老朽化が及ばない箇所もない、火をつけるには最適の物質といえる、80坪ほどの長方形をしたものだ。それにはあらゆる虫が棲み、その虫たちはあらゆる色を持っており、その虫たちは無数の脚を蠢かせており、その虫たちは触角で私たちに触れる。それは尖っており、時に痛みすら感じるほどだ。都会では味わえない感覚に、僕の肌の口が舌鼓を打ち、その音が遠雷のように響くと、僕の元に間もなく悲しみがやってくる。その雨に耐えきれそうもないから、僕は学校を出た。少年たちは明日も少し大きくなって学校に向かうのだろう。僕の肌はこれ以上鋭敏にはならない。僕の快楽は、止まってしまった。脱出装置が煙を吐かなくなって、空に放り出されたら?いずれ地は僕を砕く。それまでの時間が長いか短いか、それは、今まで逃げてきた飛距離、その高度に委ねるほかはない。僕はどれほどの高みにまで逃げて来られたんだろう。ここは既に重力圏から外れているのか、それとも見上げれば無数の雲と星と同好の、あるいはこう呼ぼう、ごっこで一斉に逃げた仲間たち、競争の踏み切りに並んでいた奴ら、そうか、そんなに高く、自らを飛ばせたのか、そこから見える景色は、ゴールの先の景色のようかい?そう、響かない声を洞に発する仕草で、悔しさを、逃げ負けた悔しさをどこか確かに感じながら、感情の対象を数えきれないほどに、そして、数える間もなく逃げ始めた故郷とは違う、逃げた空とも違う、重厚にして無情な、人々が笑顔で暮らす大地に、その分厚さに砕かれねばならない低さで、僕は飛んでいたのだろうか。村の人々は、もしかしたら幼馴染みや、斜向かいの優しいお婆ちゃんや、乾物屋のおじさんか知れない。僕は、研鑽し、勉強し、努力し、陥れ、欺き、迷い、もうどれほどの燃料もない、飛べる先は見えてしまったと、諦め、慟哭し、しかし抗い、諦めきれずただ逃げ出した先に見える、ある奇跡を!身体に精神に観念に物質にこの手に肌に、狂おしく甘美にして崇高な涙の味を流し込んでくれる、その流水を、源泉を、僕を洗い清め剥がれた恥ずべき垢の下から立ち現れる、身体を知覚した僕を、涙を再獲得させた、その熱狂を、法悦を、合掌を獲得させたその、先を、全てを包むような、全てを思い出させるような、全てを奪還させるような、その、先の、もの、を、それに近付きたくて触れたくて僕はいたのに、墜ちて倒れたところは見慣れた風景すら脱していない、ただ飛んだ気になっていただけだなんて、僕は耐えられない。僕の町には一つの学校があり、それは燃やすには最適な物質であり、そこには子どもがいる。村内放送がラジオを流す。誰かが断片で何かを構成している。あるいは放棄しているのだろうか。ならばその放棄が、どこか遠くへ、願わくば遠くへ、飛び立つ一つの構成された、そう、そうなるのだろう。少年たちに、僕はサッカーを教える。センタリングは、速く低くより、美しい放物線を描く、ある一瞬を切り取れば、空に向かう、重力から逃げる一つのロケットとして飛び立つ絵画的感動を呼び起こす、そういったものであって欲しいと、僕は彼らに伝えた。山に夕暮れが隠れる。校舎は長い影を作り、僕はここを出る。どうか、この脚は、僕を遠くまで連れていってくれますように。蜻蛉が、不意に頬を掠める。羽があれば、どこでも行けたのかなあ。そんなことを呟いたあと、思い出した唄を歌う。声は、夕闇の水田に掻き消えて。

jyunjyoujyunjyou 2009/02/27 20:13 掲示板のかわりにコメント欄があるので水田ワロスwwでも書き込むといいよ!
今日はマンガを三冊呼んで、ひとりに声を掛けて、概ね寝ていた。朝起きたらひとりだった。三本の煙草を吸い、三つのクッキーを食べ、二度流されそうになった。いちど内線電話がなり、これから二度目の食事をとる。美人特有の優しくて無神経って言葉が面白かった。こんばんは、美人です。

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2009-02-24

感謝の一万字 03:38 感謝の一万字を含むブックマーク

私には書くことしかないのです。と申し上げれば私の可能性を狭めるようで、言葉に縛られるようであまり申し上げたくないことなのですが、しかし、私は書くのです。それがここ数日で出した結論であり、私は日記を書くのです。日記は任侠と伎芸と純情と素直と、あと某かです。私はその某かを、もっと大きくしていきたい。私は、日記を書きたい。毎日更新始めます。わたりろうかは日記サイトであり、石川は日記書きであります。日記で全てを得たい。日記で私を広げたい。日記の先に、日記があり、日を綴って、私を表せたらいい。わたりろうかは日記サイトです。昔、あるサイトを評して、内面世界が豊かな人、という言葉がありました。私は豊かになりたい。豊穣の先で、わたりろうかの真ん中で、あなたと手を繋ぎたい。わたりろうかは日記が書かれるサイトです。こんばんは、私の日記です。

日記 03:38 日記を含むブックマーク

紫煙が宙に浮かび、この煙草は少しうまいんじゃないかと思う。それは喉に負担が掛からない、痛みが走らないからうまい、という上等な料理にハチミツをぶちまける思想の遥か先を越えたうまいであるのだが、この煙草はうまいんじゃないかと思い、二本を連鎖して吸い、明日からは煙草を手に取るまい、と思った。矛盾はそこかしこにあり、それもこれもこれもそれもその一つに過ぎないのかも知れないが、私は今日何時に起きただろう。朝と呼んで差し支えない時間であったように思う。布団は私を常にあたたかくして、今日は父に頼まれ事をされた。父の前で打鍵するのは久しぶりであり、その打鍵スピードが父の役に立ったこと、そのスピードを称賛されたことが、久しく味わっていない嬉しさを私に与え、私は何度も、私の打鍵は速かっただろう、私の打鍵は役に立っただろう、と彼の前で繰り返した。何通かのメールがあり、それに返信は出来ていない。非常に近しい友人が、ミスタードーナツ前から電話を掛けてきた。それは私を気遣うものであったが、私はそれよりも、君はそれ以上ミスタードーナツに通うな、脂肪はひとたび付けば落ちにくいものだ、と苦言で返した。苦笑の表出とも取れるメールがその後来た。このような関係は、概ね円満なものであると考える。例えば今日、寝間着から着替えていたら。この部屋に誰かが訪ねてきたら。空から少女が降ってくる話を今更持ち出す訳ではないが、ここに少女がいたらその外見は、白いワンピースのような、あるアニメで主人公たちが着ていたプラグスーツのような、その裾がスカートであるような、'60のファッションにあるようなタイトなワンピース、白い、薄く光沢を放つワンピース、それを着た少女がここに現れる、それを夢想する。待ち人。待ち人。待ち人。待ち人はここに現れるのだろうか、待ち人は誰なのだろうか、今日電話をくれた友人は待ち人なのだろうか、私を見てくれる人々は待ち人なのだろうか、見たことがない、しかし街を確かに闊歩する美しい女性が待ち人なのだろうか、紫煙はそれを教えてくれず、恐らくこの煙で先週は床に臥していたのかと思うと、あながち箱に書かれた脅迫文も嘘や大袈裟や紛らわしいものではないと推測し恐らくそれは当たっているのだろう。部屋の窓から見える向かいの家の老人は私を町役場の役人に不審者として、私は一歩も外に出ていないにも関わらず、不審者として通報する非常に先鋭的な批判精神を持った古強者であるのだが、彼は今日いなかった。厳密に言えば、窓を開けていた短い間、彼はいつものちゃんちゃんこ若しくはジャージ姿で彼の家の周囲を、あるいは庭と呼ぶにはあまりに通路的な庭を、うろうろと歩いてはいなかった。この町にはいつも煙が立っており、それは老女が畑仕事の際取れたゴミを私設の焼却場で全て灰にしようとするからだ。それは周囲500メートルを濃霧の中に叩き込み、彼女はその煙を最も多く吸っている人物であると思われる。あいにく私は目がよくなく、窓外を眺めても彼女の格好を確認することは出来ないのだが、何かハイテクノロジーなスーツでも着こんでいるのだろうか。米軍がそういったスーツの開発に着手した、と、かつて好きだったサイトで読んだ。あいつら夢に邁進しすぎ、とあったが、彼女も夢に邁進しているのだろうか。その夢は煙に乗り、町を覆い、近隣の中学校及び高校及び住宅街の人々に多大なダメージを与える。この町はそういったことを受容する町であり、大きな坂の先にはT字路があり、右折するのか左折するのかだけを選択させる。この辺りには美容院が多く、その密度は繁華街のカラオケ店の数を遥かに凌駕する。そして聞くところによると、近隣の高校を卒業した男女の多くが美容師育成専門学校に進学するという。少し離れたところに、全国的にもレベルの高い進学校がある。その周囲は国道と警察と、あと寂れた住宅街、子どもとその母親が憩うだけには大きすぎる建物となった旧ダイエー跡地などがあり、煙は立たない。町を上方から眺めるに、左下、私たちが住む場所にだけ、なにやら白い影が映り、医療の現場でも不穏とされるであろう様子が手に取るようにわかる。それをレントゲンとして、何が透視されるだろう。この辺りの中高生は大型スーパーの地下一階にある軽食スペースで時間を過ごす。そのほとんどがここに集結しているのではと錯覚させるような、激しい混雑が見られることも決して珍しくなく、彼や彼女はクレープやマクドナルドが販売する何らかの品を頬張り、あてどもなく、或いはあてに向かって、話をし続ける。話が煙になれば、大型スーパーは白煙に呑まれ、上階で日用品や食料品を購入している主婦や、あるいは何の目的で居るのか分からない多くの人々をその中に巻き込み、大型スーパーは焼却炉となる。坂道は非常に急で、小さな都市伝説として坂の上から自転車で下りてきた少年がスピードに乗りすぎて坂の末端にある駅に衝突、ホームとホームの間を飛び越えて、風になったという話がある。傾斜角は表示されている数値で15度だったろうか。住民の平均年齢が高いそこでは、軽いマフラーの音を弾かせて、少年少女が深夜のコンビニに集まるように、老人たちがパンを求めて走る。評判のうまいパン屋があり、そこは老若男女、あらゆる人々が3坪ほどもないだろうスペースに押し寄せる。満員電車さながらのそこは、夢想するには最適だが近寄るには恐怖の対象となる女子高生などに占拠される場合もあり、私は入店する時間を見計らうか、意を決して虎穴に飛び込む。そして上等なサンドウィッチやきなこパンを手にするのだ。きなこパンは袋から出すや否や粉を撒き散らし、食べ終わるころには私の手は黄土色に染まり、口髭は染色をしたような有様となっている。ここで私のブラジルに対する簡単なイメージを申し上げたい。常夏で、海岸があり、その砂浜では常にいつ何時でもビーチサッカーが行われ、街は布の屋根がついた露店で溢れかえっており、その雑多な中を少年が手袋を丸めたボールを蹴り転がし、通行人を100人抜きする、人々はアロハシャツを常備しており、陽光の中で笑う黒い男はサングラスを掛けている、貧民街には汚水が溢れ、人々は感染症で隣人を失う毎日に慣れている、発砲音がキックオフの合図であり、全ての国民は贔屓のサッカーチームを持っており、ジーコやペレやロマーリオは愛憎を、抱えきれない程の人々の切実な愛憎を質量化出来ないほどに抱えている。陽光の中でサッカーと貧困とチャリティーの裕福とスターがおり、砂浜は白く輝く。私の町に戻ろう。私の町にスターはいない。おそらく必要とされていないか、スターの存在を忘れているか、私が知らないスターがどこかにいるのか、そのいずれかだろう。私の知らないスターはスター足りえていない。しかし恐らく、無数のスターが軽いマフラーの音でどこかを走ったり、趣味のいい古着店で趣味のいい音楽を掛けたり、開闢会まであと一歩に迫ったり、某かの活動を行って、人々の喝采を集めているのだ。おそらく充満するほどにこの町はスターを求めており、そしてスターは毎年あるいは毎月あるいは毎週、毎日、毎秒、どこかで作られる。絶滅などしてはいない。スターは飽和しており、そこにおいてスターは現れない。煙が充満し、それは概ね昼から夕方に起こり、夕暮れが町を異なった色に染めるや、煙は入れ替わるように掻き消える。スターは煙と夜が作り、コンビニエンスストアの前には車高の低い車が並ぶ。人々は繁華街に出向き、あるいは憩える公園に出向き、あるいは電脳街に赴き、この町の服を脱ぐ。煙がその尾となっているのか、夜がその襟巻きとなっているのか、私は知らない。ここには布団があり、それは私をあたたかく迎える。布団に潜れば夢を見る。私は近頃夢を覚えていられない。煙を吸いすぎたか、と、遠くの老女になんとなく舌打ちをしてみる。夢に邁進しすぎ、とあったが、煙は遥か遠くブラジルの地でどのような成分となるのだろう。この辺りでサッカーをしている人間はいない。バッティングセンターが少し離れた場所にあり、そこで野球少年や野球中年がスイングをしている。それぞれの夢があり、それぞれに夢があった。そこに煙はどのように作用したのだろう。夜はどのように作用したのだろう。窓外は今、頼りなく街灯が照るのみの闇であり、ここに大きな大きな布団を敷けば寝やすいだろう。人々は夢を見る。晴れた日が訪れる。緑は繁ると適切な長さに伐採され、青い香りが飛び散る。青い空が覆う。老人は役場に行く。私はここで、ここで、ここで、何を。息を吐く。作られた、煙の臭いがする。これはただの気分だ。

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