神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

国策出版社だったか、第一書房


佐藤優の『国家の自縛』(扶桑社、2005年9月)に、

開戦の説明責任についても、実は戦争が始まって一週間経ったところで日本政府は大川周明を呼んでNHKで十二回の連続講演をやらせているんですよ。六回は「米国東亜侵略史」、あとの六回は「英国東亜侵略史」。(略)
それが当時の国策出版社である第一書房というところから昭和十七、十八、十九年と出版された。戦時中の大ベストセラーですよね。


とあった。佐藤氏は「国策」という言葉が好きみたいなので、まあ第一書房を国策出版社というのもしょうがないかと思ったが、長谷川郁夫『美酒と革嚢 第一書房長谷川巳之吉』でも第一書房の『セルパン』昭和15年10月号の「出版部便り」について、「これは意志的な国策出版社宣言であった、とみるべきだろう」と書かれていた。政府が出資した特殊会社でもないのに「国策〜」という用語を使うのには違和感があるが、どうだろうね。


佐藤氏には、起訴休職外務事務官という肩書きを使われるときがあるが、最高裁で二審判決が確定し、失職したら失職外務事務官と称したりして(笑
それにしても、起訴休職中の人は、もう少しおとなしくしてなさいと思うのだが。


追記:某紙によると、『文学』(岩波書店)7,8月号はSF特集になるとの事。SF冬の時代も終わり、春になったかと思っていたら盛夏だったか。でも短そうな夏・・・