今年も出ました、スメラ学塾に言及した文献が。講談社選書メチエの石川公彌子『<弱さ>と<抵抗>の近代国学 戦時下の柳田國男、保田與重郎、折口信夫』がそれ。森田朋子論文*1に依拠している。目新しい内容としては、保田が「言霊私観」でスメラ学塾を批判しているということ*2。石川さんは、東大出身とのことだが、本書の182頁に不思議なことを書いている。高楠順次郎が、『知識民族としてのスメル族』序文で、スメラ学塾関連文献を紹介しており、同塾との関係が推測されるとしている。この序文は、私も2006年7月8日に紹介したところだが、再掲しよう。
スメル民族の研究に就ては、医学博士戸上駒之助氏の『日本の民族』(岡書院)大三島宮司三島敦雄氏の『天孫人種六千年の研究史』(スメル学会発行)井上芳郎氏の『シュメル、バビロン社会史』(啓明会発行)及び余の『亜細亜文化の基調』(萬里閣発行)を参照されたし。
戸上の書は昭和5年、三島の書は昭和2年発行で、どちらもトンデモ本の部類に入れてもいいのだが、スメラ学塾(昭和15年創立)とは無関係。井上の書は昭和18年発行だが、内容はまともな学術書で、本人は多少トンデモない人間だったかもしれなが、スメラ学塾との関係は確認されていない。石川女史はなにか勘違いをされているのではないか。
(参考)昨年スメラ学塾に言及した文献は、同年12月15日参照。
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坂崎重盛『神保町「二階世界」巡り及其ノ他』(平凡社)。ナンダロウさんの『路上派遊書日記』の書評も収録。
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「いつも最初に見る書名索引が見つからないので、「経費削減で掲載をやめたのか」と思ったら、編集後記で「掲載図書索引はお休みです」と。索引が休載って、そんなことあるのか」・・・・「ナンダロウアヤシゲな日々」から。←猫猫先生様