猫猫先生が断念したという大久保康雄の伝記だが、例によって詳細年譜は作りかけていただろうか。
年譜が存在するのであれば、追記してほしい事項を発見。
中島敦の妻たか宛昭和16年10月1日消印の書簡に、ヤルート滞在中に竹内虎三という役人に会い、昭和14年に大久保を案内して、マーシャルの離島へ行ったという話を聞いた旨が書かれている。これについては、猫猫先生も『中島敦殺人事件』で言及しているところである。さて、この大久保のヤルート訪問の正確な時期が判明した。
生方敏郎が発行した『古人今人』36号、昭和14年8月20日所収の「知人消息」によると、「◎大久保康雄君は、四月横浜港を出で、マリヤナ、カロリン、マーシヤル等の群島を巡視、六月十八日ヤルート島へ着いた」という。
