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神保町系オタオタ日記

2012-02-26

優秀な森やうすけさん

誰ぞの周辺ではとっくに話題になっていたと思うが、大屋幸世*1『近代日本文学への糸口』(日本古書通信社2011年9月)の「あとがき」に森やうすけ氏が出てくる。

すると曾根さん*2日本大学大学院で指導し、現在はフリーの研究者である森洋介さんに、平(ママ)山平助論があると言うではないか。私は驚いた。かつて私はちょっとしたことをきっかけに、森さんとは何通か手紙を往復している。優秀な学生であるという印象は持っていた。

[]群馬県人田村栄太郎

玉川信明『田村栄太郎 反骨の民間史学者』を再読。

話が前後するが、田村は農民運動を調べ始めた最初の頃には、高崎から県庁所在地前橋市図書館に通っていた。ここに松平大和守の家の藩庁史料があって、その中に一揆史料も入っていたので貸してくれといったら、館長が、貸すのは困るから見にきてくれといった。それで田村は半年以上も市立図書館に通い、重要なところはみんな書き写してきた。その中に宿場の交通史の史料も入っていたということである。

田村は、明治26年9月25日高崎市嘉多町十九番地生まれ*3。川合義虎とも親しかったという。

田村はどういう縁でか、かの亀戸事件で殺された河(ママ)合義虎とも大変親しくて、河合は東京群馬の間を始終往復していた。河合が運動を指導していたというわけではなくて、田村を介していろいろ世話を受けていたという関係らしい。田村も河合を畏敬していて、「もし河合が今日無事に生きていたら、共産党の中央委員か何かになっていたろう」といっている。

ただし当時河合が虐殺された亀戸事件については、ぜんぜん知らなかった。

*1:昭和17年前橋市生まれ。

*2曾根博義先生

*3:父円次郎は、富山県魚津の人。

shomotsubugyoshomotsubugyo 2012/02/26 15:56 ありゃバレた汗 めぐる古書籍ひろがる古本人脈ぢゃ

jyunkujyunku 2012/02/26 16:17 森氏の高須芳次郎に関する論文についも言及されていて、同論文はあちこちで評判になっておるようじゃ。

yukunoki-ayukunoki-a 2012/02/26 19:29 オタさま
玉川信明は朔太郎の詩の仏語訳に関連してオーベルリンを調べるために『松尾邦之助交遊録』を読んだ程度で、『田村栄太郎 反骨の民間史学者』は知りませんでした。
ありがとうございます。

jyunkujyunku 2012/02/26 20:14 どういたしまして。
玉川の本は私も他のを読んだと思うのですが、得るものがなかったのか、言及するのは今回が初めてのようです。

森 洋介森 洋介 2012/03/04 22:12  引用された部分で、その前後では正しく記してゐる「杉山平助」を誤って「平山」としてあったことよりも察せられる通り、『大屋幸世叢刊3』は既刊1・2と比べてかなり誤植が多いのが、折角の出版なのに惜しいことでした。特に、小生に觸れたのは「あとがき」のさらに後に添へた「2輯追記」なので、急いで書き足したものか、記憶違ひが見られます。大屋先生との交渉が生じた「きっかけ」は、正に問題の杉山平助論が出た直後に當方から拔刷を送呈したのが一番初めでしたが、お忘れになったのでせう。なほ、拙論が「あちこちで評判になって」ゐると仰るのは大袈裟で、少なくとも本人には格別批判が聞こえて來ず、手應へを感じられずにをりますから、大屋著や貴兄に言及戴いたのは有り難く存じます。

jyunkujyunku 2012/03/05 07:43 そういう経緯でしたか。先生もお年なので、失念したのでしょう。