神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『二級河川』18号の「『図書週報』掲載の訃報一覧」

二級河川』18号(金腐川宴游会、平成29年11月)をいただきました。ありがとうございます。「地獄・極楽懐ゲー攻め!」特集だが、ファミコンはほとんどしたことがないのでよくわからなかった。トム・リバーフィールド「『図書週報』掲載の訃報一覧」を読みました。金沢文圃閣から復刻された『図書週報』(古典社、昭和5-17年)の「消息」欄を中心に訃報を拾い、分野別に記事記載事項(肩書きや死因など)、没年月日などを一覧にしたものである。日外アソシエーツ『新訂増補人物レファレンス事典』などにも記載がない人物があって有用である。ただし、復刻版の解題「新本の週刊新聞から古本の月刊雑誌へ」で小林昌樹氏が指摘しているように、風評の類も入っていて、妹尾幸陽(本名幸次郎)のように戦後没する人物が昭和7年に自殺したという「誤報」もあるので要注意である。もっとも、リバーフィールド氏がその点も配慮し、判明した誤りは備考欄に注記されている。
記事記載事項で面白かった(というと語弊があるが)ものを二三挙げると、

野田書房主(野田誠三)・・・内妻との情痴関係で服毒自殺
池谷鉱次郎・・・蘇峰翁に沼津にすぎた者とほめられた元中学教諭漢学者
岡田時彦・・・俳優。枕頭に「古本年鑑」をおいたまま永眠

幾つか気付いたことを指摘する。

67頁 「其中堂主人」→「其昌堂主人」
同頁 吉田書店主・・・備考欄に記載がないが、吉田粂二、昭和8年12月17日没(松山荘二『古書肆「したよし」の記』(平凡社、平成15年3月)による)
68頁 中山孤村・・・「三年前死亡」とあり、その旨記すべき
75頁 古在由直「法学博士」→「農学博士」(182号の「前号訂正」による)

バーフィールド氏が次号ではどんな一覧をまとめてくれるか楽しみです。