「制作問答」

 昨晩、東京中野の美術家大坪美穂さんに電話。ヨシダ・ヨシエの葬儀に参列してきた、と。 ヨシダ・ヨシエ『手探る・宇宙・美術家たち』樹芸書房1989年初版を本棚から抜く。目次には 大坪美穂さん、上條陽子さんらの名前。私たちより上の世代、戦後美術を牽引、並走してきた 評論家が殆ど亡くなり、若い学芸員は頭デッカチで、去年回顧展が催された現代造形作家の作品を 美術館に収蔵しない、と大坪さんは嘆いた。さもあらん、と思う。公立も私立も、美術への造詣が 浅く薄い。その上に美術、芸術を国家戦略に位置づけられる政治家もいない。だから民間の個人が 細々と後世へつないでゆくしかない。作品さえ残ればなんとかなる。そんなことを思っていても 口には出さず、また、椹木野衣氏を筆頭に、平成に活動を強めてきた美術評論家たちのことも黙した。 どの分野でもそうだが、世代交代の波が押し寄せている。でも、嘆いている彼女は、来年まで 企画展が埋まっている。けれども作品が浮かばず出来ず、来月の企画展を五月に延期してもらった、と。 それは吉報。いろいろなことにアンテナを張っていれば、突然視界が開けますよ、と励ます。
 去年味戸ケイコさんに送ったメール。

《 20年30年過ぎないと、その作品の善し悪しは、明確にならないと思います。 》

《 「思ったような作品が出来ずです。」
  そういう作品こそ、興味深いです。 》

《 画家の満足と見る人の満足は、かなりずれます。
  画家の物足りなさに、見る人はこれはいい! と。
  このスレ違いはじつに興味深いです。 》

 中野区立中央図書館での香山滋展を話題にすると、近々行く用事があるから観てみる、と。 いいなあ、地元の人は。
 http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/651500/d021654.html

 昨晩といえば、毎日新聞昨夕刊コラム「牧太郎の大きな声ではいえないが…」の結び。

《 「挑戦! 挑戦!」とヤケに威勢が良い総理大臣殿は「若者の心の貧困」を見ようとしない。 その能天気……に僕は驚いている。 》

 昨日は自宅前一面、冷たい雨に打たれた濡れ紅葉だらけだったけど、今朝は強風に吹き飛ばされて どこへやら。仰げば富士山は全身純白の花嫁衣装。これでなくちゃ。

 昨日ブログをリンクした岡崎武志が浅川マキの「グッド・バイ」を話題にしていた。
 http://d.hatena.ne.jp/okatake/20160118

 浅川マキのCD『マイ・マン+1』1993年で「グッド・バイ」を聴く。『マイ・マン』オリジナル盤は 1982年。ダークだ。シビレル。帯には奥成達の推薦文。

《 「マイ・マン」は、言ってみればマキの”ジャズ”の時代の名作中の名作である。ミュージシャンの 顔ぶれを見れば、これが”4ビートの名盤”であり、1980年代の最良の「新宿ピット・イン」が濃厚に 凝縮されたアルバムであることがわかる。 》

 ネットの見聞。

《 雪がちょっと降っただけで首都圏の電車が止まって大混乱する国の首相は、 憲法を改正して緊急事態条項を設置しないとこの国は災害などの緊急事態に対応できないと 叫んでおられる。憲法を改正すれば電車がスムーズに動くのかな。 》

 ネットの拾いもの。

《 ♪ ジャニーが来たなら 伝えてよ 25年間 働いたと 》

《 TOKIOはアイドル続けるのかと聞かれたらYESか農家でしか答えられない。 》