「矢田津世子」

 昨日二冊買った新潮文庫『日本文学100年の名作』全10巻の収録内容が興味深い。
  『第7巻1974-1983 公然の秘密』
  『第8巻1984-1993 薄情くじら』
  『第9巻1994-2003 アイロンのある風景』
  『第10巻2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所』
 四巻全部未読。知らない名作傑作がこんなにあるとは。第10巻では未知の作家(山白朝子、木内昇)も。 調べたら木内昇(きうち・のぼり、女性)の『茗荷谷の猫』を読んでいた。
 http://www.shinchosha.co.jp/bunko/blog/100th/2014/09/18_2.html

 こういった多作家の短篇アンソロジーでは、北村薫宮部みゆき・編『名短篇、ここにあり』ちくま文庫2008年に 始まる「名短篇」シリーズ、講談社文芸文庫・編『戦後短編小説再発見』講談社文芸文庫2001年の全10巻が先行。
 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784061982611

 古くは北村薫も称賛していた臼井吉見・編『日本短編文学全集』筑摩書房1967年、全48巻が嚆矢だろう。これは 活字が大きいので老後のために、と高校時代に新刊で購入。本棚に鎮座している。しかし、まだ眼鏡が不要とは。

 テーマ別アンソロジーはずいぶんある。題名だけ挙げるが、パソコン横の本棚を一瞥しただけで、『暗黒のメルヘン』 『変身のロマン』『異形の白昼』『奇妙な味の小説』『名探偵の饗宴』『名探偵より愛をこめて』『十二宮12幻想』 『一瞬の人生』『せつない話』『わがひそかなる楽しみ』『金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲』『奇想の森』『密室遊戯』 『パズルの王国』『都市の迷宮』『奇想の復活』といったハードカバー本……きりがない。

 『日本文学100年の名作 第3巻 1934-1943 三月の第四日曜』新潮文庫2014年初版収録、矢田津世子(やだ・つせこ) 「茶粥の記」を読んだ。

《 文章力と美貌を兼ね備えた女流作家として人気を集めた。坂口安吾の恋人とされる。 》

 とウィキに。ずっと気になっていた薄命の作家。『現代日本文學全集 87 昭和小説集(二)』筑摩書房1973年初版、 収録「神楽坂」を読んだ。「茶粥の記」「神楽坂」とも人情の機微を描いている。川端康成の「山の音」を連想。どれも 好みではない。

 昼前、源兵衛川下流部、一本松付近で抜き取って干した雑草の残りを土のう袋二袋に詰め自宅へ運ぶ。見落としていた ヒメツルソバをちょこちょこ抜いた勢いで、その上流の石垣に繁茂している雑草をビシバシはぎ取る。水っぽいところを 土手に広げて乾かす。乾いているところを二袋に詰めて自宅へ運ぶ。はあ、一汗かいた。

 ネットの見聞。

《 きみをしあわせにできるかは分からない、だけど読む本にだけは困らせないよ。 》 藍川蘭
 https://twitter.com/ran_aikawa/status/703994765369434114

《 それにしても現首相は「美」という言葉を使いたがる。やはり人は持たないものに憧れるのか。かつてのスローガン 「美しい国」を逆さに読んだら「にくいしくつう」だと最初に気付いた人は偉い。 》 津原泰水
 https://twitter.com/tsuharayasumi/status/704504461570371586

 ネットの拾いもの。

《 【衝撃】「マッドマックス 怒りのデス・ロード」がヘアスタイル賞。大半がスキンヘッドなのに...  》

《 全国の喫茶店のいくらかは、小説家や編集者の作業場として有効活用され、人を殺す展開などを真剣に考える場所に なっている。こんなに物騒な場所がほかにあるだろうか。 》