「汎リズム論」

 昨夕、銅版画家林由紀子さんから中日新聞の「文化 ぶんぶん 人類学」で掲載された林さんの記事のカラーコピーを恵まれる。記者谷知佳のあとがきのような囲み記事「ヒト苦労」から。

《 お気に入りの詩をそらんじ「見えを張って教養を積むうちに本物の教養人になる」。かっこいいです。 》

 早朝、地震で目が覚めた。小さな揺れだったので、遠くだなと再び眠りへ。それにしても、ネットで予想されていた地震

 昼前、源兵衛川中流部の茶碗のカケラを拾う。十キロ余り。源兵衛川を見に来たご夫婦に所望され、クレソンを採って贈る。シャツ一枚だけど一汗。
 帰宅すると古本が届いている。中村雄二郎『述語的世界と制度  場所の論理の彼方へ』岩波書店1998年初版が届いている。古本値3500円。新品同様。定価は6600円+税。そのお値段では見送っていたわ。

 午後、ブックオフ長泉店へ自転車で行く。福武文庫を二冊。小松和彦『鬼の玉手箱』1991年初版、森敦『わが青春 わが放浪』 1986年初版、計216円。

 中村雄二郎『かたちのオディッセイ』岩波書店1991年初版、「第7章 美と力と崇高のはざま」はこの一文で始まる。

《 〈美〉との対比で、しばらく前から〈崇高〉ということが気になるようになった。 》 174頁

 美術用語としての〈崇高〉は、1960年代が最盛期だと思うが、アメリカの美術界を席巻した言葉だ。その印象があったので、続く文章には不意を突かれたような印象だった。

《 それも、〈ハイデッガーとナチズム〉や〈天皇制〉にかかわるアクチュアルな問題と結びついてである。 》 174頁

 それゆえ20日の〈カオス〉と同様な困難に見舞われた。要再読の一章だ。この章では著者のそれまでの思索の経緯が簡明に記されている。

《 まず、私の汎リズム論は、もともとは身体性を再発見する〈共通感覚論〉から出発して、かたちとリズムの同一視、リズムの宇宙的遍在への着眼(とくにオクタビオ・パスの示唆による)、精神のコスモロジーの考え方、共鳴=共振現象の重視、などを含みつつ、一種の新しいコミュニケーション論として着想され、構想したものである。が、その後、それらに緊密に結びつく考え方が、現代物理学や現代生物学のリズム振動や引き込みなどの諸理論、それに空海真言密教やベーレントの《世界は音》の考え方のうちのあることに次第に気がつき、それらから学んだものを採り入れて展開していった。
  そして、「リズムの宇宙性と共振」において、私が自分の汎リズム論を一歩押しすすめえたと思うのは、物理的な場の極致としての大宇宙あるいはコスモスが、なぜリズムに充ち、生命的なものをわれわれに感じさせるか、という前々から抱いていた疑問を、物質界にあってリズム振動の成立する条件と共振のメカニズムを組み合わせることによって、解決できたからである。また「量子場とコスモスへの回帰」では、量子場そのものが振動する場であることから、大宇宙の有機的な作動を根拠づけるめどがついたのである。 》 190-191頁

 ネットの見聞。

《 今朝の地震では、フクイチ・フクニとも、大規模損壊は無く、死傷者も出なかった。不幸中の幸いか。但し、機器の破損・故障に気が付いていない場合もある。周辺の放射線量は、報道機関が独自に計測するべき。校正した線量計を持った取材班の 用意も無いのか。だから私は、彼らをマスゴミと呼ぶ。 》 春橋哲史
 https://twitter.com/haruhasiSF/status/800900747873251328

《 震災のあと、施設課の人からヴォーリズの建物は建築基準法が要求する3倍のコンクリートが使ってあったこと、供給途絶に備えて米国製のランプやドアノブを50年分ストックしていたことを教えてもらいました。目に見えないところに用いた気づかいに人が気づくのは死後何十年も経ってからなんですね。 》 内田樹
 https://twitter.com/levinassien/status/800524300478357504

《 バーニー・サンダース「TPPに反対する四つの理由」 》
 https://www.youtube.com/watch?v=O8JNkW7kSmE

 ネットの拾いもの。

《 12月の新書
  朝日新書中川右介SMAPと平成』
  講談社現代新書・矢野利裕『ジャニーズと日本』
  光文社新書太田省一SMAPと平成ニッポン』
  宝島社新書・速水健朗『大人のSMAP論』
  SB新書・松谷創一郎SMAPはなぜ解散したのか』
  みな8月の解散決定で決まったのだろう。 》 中川右介
 https://twitter.com/NakagawaYusuke/status/800587239382056960

《 トランプ「移民は出ていけ!」
  ネイティブ「え、まじ?じゃあ、あんたたちいつ出ていくんだね?」 》 Hiroshi Takahashi
 https://twitter.com/SeroriHitomi/status/798007086713966592