久恒啓一のブログ「今日も生涯の一日なり」 RSSフィード

2016-01-10 五百羅漢図の旅--狩野一信(増上寺)と村上隆(森美術館)

今日は、五百羅漢図を観る日となった。

増上寺の「狩野一信の五百羅漢図展」。
増上寺浄土宗大本山で、徳川家菩提寺である
絵師狩野一信(1816−1863)が10年の歳月をかけて打ち込んだ100幅に描いた500人の羅漢という超大作。
数が多いので、20幅づつ展示しており、今回は第41幅から60幅の展示だった。
頭陀、常乞食、一坐食、家間樹下、、、、。
羅漢とは釈迦弟子煩悩を滅し人々を救済するためこの世にとどまっている聖人である
インドから中国を経て平安時代日本に伝わって、江戸時代に全国で隆盛になった。
恐ろしげな容貌をしているが、不思議と人気があり、日本全国に羅漢の絵や像がある。
その人気の秘密は謎に満ちている。そういえば、私の郷里の近くの耶馬渓にも羅漢寺という寺がある。
この超大作は後4幅という時点で一信の命が終わったため、20人分は妻の妙安と弟子の一純が完成させた。
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森美術館村上隆五百羅漢図展」。
海外で高い評価を得ている村上隆は、1962年生れの53歳
美術館には珍しく、写真もOKであるし、SNSで拡散希望する旨の掲示もあり、新しい。
500種の人の苦しいみを癒してくれるのが羅漢、。
2011年3・11が大きな契機となってできあがった作品
高さ3m。長さ100m。四面。
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16羅漢を中心に500羅漢が並ぶ姿は壮観である絵画における大きさは決定的な影響力を持っていると感じる。
狩野一信の五百羅漢はどす黒い迫力があるが、村上羅漢は、図柄もそうだが、色づかいも含めて、圧倒的な迫力だ。
村上ゲルニカともよばれている。3・11によって無力感を感じ新たな説法が必要だと思った村上の答えがここにある。

狩野一信は10年の歳月をかけたが、村上は数か月でこの大作を完成させている。
全国の美大学生をスカウトキャラバンし200人以上集め、24時間シフトを組、資料ファイルを100冊、シルクスクリーン4000枚をつくった。
狩野派のような絵師集団工房システム20年にわたり進化させてきた集大成の仕組みである

最後に「馬鹿」という文字が浮き上がる仕掛けがあった。

美術大学という産業の喰い者となった学生たちが、その構造気づき絶望したり、自らが先生立場となって、弱肉強食食物連鎖にのTOPに立とうとして来た、ただそれだけの構造悪によって変化できなかったのです。
 日本美術大学現代美術産業ケイハツに一人でも良質なアーチスト世界に出したいと思うのです」

これは日本意識的にはずし、欧米を中心に活動する村上隆日本批判であろう。

名言との対話」。1月10日大隈重信