ホリさんが番組のなかで選んでいた10タイトル

菊地成孔東大ゼミ非公式掲示板」のログの7月4日づけの記事に転載されてました。
http://6717.teacup.com/sokkurimogura/bbs

ムック様、はじめまして  投稿者: そっくりもぐら  投稿日: 7月 4日(月)21時47分5秒
そっくりもぐらと申します。昨晩放送された、お勧めアルバムについて、下記にリスト・アップしておきます。
アルバム・タイトル、アーティスト表記とコメントについては、原則として放送時にスーパーで表示されたものに準じて記しておきます、一部、現行の邦盤帯表記等とは異なりますが、ご了承下さい。

・The Golden Years of DUKE ELLINGTON
「3CDですが2,000円しないという安さ」

・OUT TO LUNCH/エリック・ドルフィー

・Waltz for Debby/ビル・エバンス
「1,590円です」

・BITCHES BREW/マイルス・デイビス
「とりあえずこれは文句言えないっていう状態になってる盤ですね」

・bird and diz/チャーリー・パーカー

・SINGS/チェット・ベイカー

・Ascention/ジョン・コルトレーン

・THE LOVE SONGS/ビリー・ホリデー

・THE HITS FROM THE 30'S & 40'S/V.A.

・Kind of Blue/マイルス・デイビス


番組でこのリストが流れてたときの感想として、
「はじめて聴く人にいきなりエリントンのオリジナルは濃すぎるだろう→ジョー・パスのギター・ソロとかにアレンジしたもので、こう、美しさを強調、みたいなとこから薦めるといいのでは」
ドルフィーは好きだし菊地さんが薦めたくなるのもわかるけれど、「アウト・トゥ・ランチ」よりは「アイアン・マン」とかのほうがとっつきやすいのでは(とくに「アイアン・マン」にはエリントンの「come sunday」が入っていてすごく美しいし)、あるいはフリージャズのなかでこういう、グループ的な構成感のあるものっちうなら、セシルのがいいのでは」
「初心者にエバンスの、しかも「ワルツ・・・」を薦めるのは、あんまりベタで気が引けるっていうか、ジャケットとテーマ曲のメロディの可愛らしさのわりには、あれライブ盤だしなぁ、それならスタジオ録音「エクスプロレイションズ」か、あるいは耽美系で行くなら「アンダーカレント」のがいいのでは(ていうか、好き)」
「「ビッチェズ・ブリュ」は名盤だし重要盤だし、これを菊地さんが薦めるのは分かるし、菊地ファンの人向けにはマストだ、というのもわかるのだけれど、ジャズをはじめて聴く人が、電気とかロックとかファンクとかと融合したジャズとしてこれを真っ先に聴いてぐっとくるか、というと、こないだろうなあ→オーネットのハーモロディックものとか、ジョン・ゾーンとかのがベタにおもしろいのでは」
「「バード・アンド・ディズ」は、文句なし。自分もこれをいつも薦めることにしている」
チェット・ベイカー。これも異論なし。チェットとエヴァンスは、女子に安心して薦められるジャズってことで。」
コルトレーンでいきなり「アセンション」はきつそう、ていうか、もっと初心者にお奨めな、キャノンボールとのクインテットのやつを薦めたい、ていうかいつも薦めることにしている」
「はじめて聴く人に女性ヴォーカルを一枚薦めるのに、ビリー・ホリデイはしんどいと思う。→アニタ・オデイの、「星影のステラ」あたりのはいったのを薦める」
「オムニバスは反則だぞう」
「「カインド・オブ・ブルー」、別に文句はないしすきな盤だが、・・・つかマイルス2枚も入れるか。そんなら逆に、マイルスだけでジャズ史の10枚、とかいって、バップ、クール、ハードバップ、モード、電気ファンクのマイルスで10枚選ぶのもおもろいな」

というわけで、
前回エントリで私が選んだやつは、
このセレクションを見て、うーむと思ったりして自分でも考えてみたもの。
なので、わざとマイルスが排除してあったり、気がついたらピアノトリオが入ってなかったり、いきなりジョー・パスの地味な盤が入っていたり、フリー系が多かったり、モード系がなかったり、80.90年代がオーネットとジョン・ゾーンで代表されてて新伝承派とかがなかったり、ずいぶん偏っているのだけれど、
その偏りの一端は、ホリさん、じゃなくて菊地さんの番組内セレクションにあったのだった。
ていうか、菊地さんセレクションだって、番組内でてきとうにCD屋の店頭でアドリブでそこにならんでる商品の中から選べみたいな流れだったので、まぁはなから適当、ということではあるのだけれど、
でも、はじめてジャズを聴く人に勧めるのであれば、どうせ、基本は、CD屋とかレンタル屋の店頭にどこにでも並んでいそうな盤からセレクションする、というのもルールやと思う。

いやしかし、こういうセレクションって、楽しいわけです。