高卒求人倍率0.9倍 7年ぶりの高水準

http://eri.netty.ne.jp/educationnews/2005_09.htm#10_02

来春卒業予定の高校生の求人倍率は今年7月末現在で0.90倍となり、前年同期を0.21ポイント上回ったことが9日、厚生労働省のまとめで分かった。7月末時点で、1999年春の卒業者を対象とした1998年の0.98倍以来、7年ぶりの高水準となった。同省は、「団塊世代の退職や景気回復を背景に、製造業などの採用数が増えている」と分析している。地域別の求人倍率では、京浜が2.47倍、東海が1.55倍と好調だが、北海道は0.24倍、南九州は0.29倍と低迷しており、地域格差は残っている。
[2005年9月10日付 日本経済新聞より要約]


追記
こちらのかた
http://d.hatena.ne.jp/senmei/20050912/p2
の記事が興味深かったです。
「愛知では有名企業も求人難 高卒求人倍率が2倍超に」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050912-00000275-kyodo-bus_all
「高校生求人倍率0.36倍 東北 地方、厳しさ続く」
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/backnum/news/2005/09/20050910t72026.htm
というわけで、
なるほど、「格差」に目を向けるべきなのですね。

ふとたちよみした石井淳蔵『マーケティングの神話』にびっくり

立ち寄った本屋で岩波現代文庫を物色していたら、平積みでマーケティングの本が出ていて、なんとなくぱらぱらと見ていたら、「エスノメソドロジー」というのがいきなり紹介されていて、どうやらマーケティングエスノメソドロジーをとりいれるのだ、という話らしいのだけれど、詳しくは恐くて読んでないけど、そういうのはありなのでしょうか。

マーケティングの神話 (岩波現代文庫)

マーケティングの神話 (岩波現代文庫)

http://www.nikkei-bookdirect.com/bookdirect/item.php?did=13028

目次
 
1 マーケティングの神話
 1 困惑するマーケティング現場
 2 製品開発に合理性はありうるか
 3 コンセプト・ターゲットの見誤りは多くないか
 4 消費者に欲望はあるか
 5 新しいマーケティング概念に向けて
 6 本書の問題提起

2 意味構成・了解型の製品開発
 1 金融商品の開発と広告作品の制作
 2 モノ型スタイルと芸術型スタイル
 3 日産自動車の開発体制の革新
 4 製品開発の二つの論理:論理実証と意味構成・了解
 5 意味構成・了解概念の意義

3 対話型コミュニケーション
 1 マーケティング・リサーチの革新
 2 組織コミュニケーションの革新
 3 マーケティング・コミュニケーションの革新
 4 解釈情報コミュニケ―ションの意義

4 競争概念は普遍的か
 1 日本と米国に見る競走行動の違い
 2 米国流マーケティング・マネジメント
 3 日本流マーケティング・マネジメント
 4 器用仕事と客観的偶然
 5 コンセプトによる適応と記号作用による適応

5 人間にとって消費するとは何か
 1 なぜ、消費をするのか
 2 文化的事業としての消費
 3 体験としての消費
 4 消費概念の深化

6 交換は必然のものか
 1 マーケティングの基礎概念としての交換
 2 相互行為としての交換
 3 交換は必然か
 4 浮遊する価値

7 科学はマーケティングなのか
 1 「科学」概念の脱構築
 2 マーケティング研究の相対主義
 3 「マーケティングは科学なのか」再論
 4 マーケティング世界におけるポスト・ポジティビズムの意義

8 神話のマーケティング
 1 認識優位の知
 2 フィールドの知
 3 神話のマーケティング
 4 分析的理解、共感的理解、そして対話的理解

参考文献

あとがき

索引


エスノメソドロジーマーケティング、ということで、検索をかけてみたら、
http://www.jma-jp.org/JMAhome/Pub/now/now42.html
こういう文章がみつかった。「マーケティング・ナウ」という、業界紙か何か?のバックナンバーのようである。

<新しいマーケティングの流れ>

E. 大店法との直接の関係はないが、97年のマーケティングの動きを総括すると、まず、「ポストモダンマーケティング」と呼ばれる新しいマーケティングの流れが顕在化してきたことが挙げられる。

これは従来の数量主義、客観主義的な現実主義モデルに対して、質的な情報や多様な主観的解釈の重要性を認めようという解釈主義的な方法が、ビジネスの世界でも市民権を得つつあることが背景にあると思われる。

この解釈主義的な方法は消費者分野でも広く使われ始めてきており、統計調査に代わって様々な質的な調査が注目されてきている。たとえば米国では、エスノメソドロジーと呼ばれる社会的な調査をベースにしたCMが大ヒットし、長期低落傾向にあった牛乳協会の売上が上昇するというケースや、外食産業で、精神分析学者の臨床的なインタビューを基にしたプロモーション戦略が話題になるなど、新しい質的、主観的解釈を重視する方法が次々に取り入れられている。

こうした動きは、消費を近代主義的な経済合理性の側面だけしか見てこなかった従来のマーケティングに対する反省ともつながっている。もともと人間の消費という行動に含まれる多様な意味、97年の流行語で言えば「複雑系」的な側面が見過ごされてきたことが、現在のマーケティング、消費者研究の行き詰まりにつながっていると言える。

4月に開かれる「世界マーケティング会議」には、米国でこの領域の研究の中心人物の一人、アメリカ消費者研究学会のラッセル・ベルク会長が来日される。これを機に「ポスト・モダン」的なマーケティングに関する論議がますます高まっていくと思われる。