小島麻由美『面影』。これはひろいものだったミニアルバム。

面 おもかげ 影

面 おもかげ 影

なんだかAmazonの検索結果の中に、そういえば見慣れない小島麻由美のディスクがあって、「面影」?そんな曲あったっけ?というわけでよく見てみたら、どうやらそれなりに独立したミニアルバムであるよう。それならというわけで買って聴いてみたら、ひろいものだった。『愛のポルターガイスト』と『パブロの恋人』の間に出たらしく、一曲だけ知っていた「砂漠の向こう」という好きな曲も『パブロの恋人』に入っているのとはアレンジ違いで、まぁ全体としては『パブロの恋人』寄りの曲が並んでいるけれどもう少しシンプルでラフで生っぽいかんじの録音で、なるほどこれはアルバムとは別物のミニアルバムとして作られたんだとわかる。
Amazonのレビューに曰く

先行シングルがあるでもなく、フルアルバムでもなく、このミニアルバムのための書き下ろしが収録された他では聴けない5曲入りの1枚。ASA-CHANGの絶妙にイナタいドラムが粋なタイトルチューン「面影」は、真似できない70s日本語ポップスのニュアンス。吐息さえもタダじゃない! のは、彼女のヴォーカリゼーションの醍醐味だが、この曲ではどうやら“忘れたくないのに、忘れてしまう”もしくはその逆の思いも含んだ吐息だけに切なさも倍増だろう。
全編で聴けるサウンド・プロダクトが昭和40年代の歌謡ショウのごときアンサンブルなのも、彼女ならではの世界だ。パーソナルな表現が身上のアーティストだが、このミニは本当に大事にしたい小品といった味わいをかもし出している。(石角友香)

↑名文。ていうか、さっきからこの「絶妙にイナタいドラム」のせいで何度も繰り返し聴いて止まらない状態になっている。

おっと、このyoutube動画はまたがらりと印象の違うライブ版のピアノの弾き語りだ。

散歩してようやく本屋へ。『文藝別冊 谷崎潤一郎』『数学文章作法 推敲編』『今日も元気だ映画を見よう』。

例によって丹生谷貴志が書いていると聞きつけ、欲しいと思いつつ、毎日春らしい日々が続くのに一向に本屋へと足が向かず、というか通勤以外の外出ができないまま日々は過ぎ、それとは関係なくAmazonから本やCDやDVDが宅配で届き、いよいよ気力が失せてさらに日々が過ぎ、ようやく這うように部屋を出て電車に乗り街の本屋へ。それでぶじ『文藝別冊 谷崎潤一郎』を見つけ、それから本屋に行った暁にはあれこれ買おうと思っていたものをいざとなったらさっぱり思い出さず、あちこちの棚を見てようやく面白そうな読めそうな本を見つけて、合わせて購入。帰りはせっかくなので二駅ほど街中らしき道を歩き、それから電車の中では芝山本(映画の短評ばかり集めた、楽しいことはわかっている本)を少しめくり、駅に降り立って少し上等のスーパーでお彼岸のおはぎなど買って帰る。で、丹生谷貴志の谷崎論を読んだり。