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マンガをはじめて描いた(イラストとかは経験してても)ってことだけれど、ストーリーとしてもちゃんとできていて、まぁあれこれ慌ただしい学校の、まぁ若手中堅ぐらいの女性の先生がいちおうヒロインで、まぁあれこれ悩みながら日々を過ごしているところに、臨時採用の吉良先生というのがやってきて、一見、会議なんかでもうたたねをしていてだいじょうぶかなと思わせておいて、実はすごいというわけで、「学習する組織」論をベースに、先生たちをいきいきと変えてしまうという、それで、臨時採用の期間が過ぎて吉良先生は次の学校へと去っていくのでした、という。それで三巻。ていうか、意外にマンガとして、一章ごとのおわりにはちゃんと引きがあって、意外と読ませるところもあるし。まぁ、マンガとしてということで言えば、この物語には「悪役」がいなくて(それはもともとこの本が著者の実際の経験をふまえて作られたことによるのだと思うけれど)、登場人物がそれぞれ悩んだりやる気をなくしたりダメだったりしても、それが勧善懲悪的な解決にならずにそれなりに各々変化したり成長したりすることでストーリーが進んでいく。まぁ、「悪役」はいないけれど、吉良先生というのがスーパーマンのヒーローになりすぎてるんじゃないかというのはあるけれど。
あとまぁ、何気に楽しく読めるのは、まぁ本職の漫画家さんじゃないので絵が学習まんが風で、そしてそれより特筆すべきは、登場人物の名前がいちいち説明的なんである。パソコンが特技の新卒の若手の先生が「根津戸健作(ねっとけんさく)」だとか、仕事が多くて二言目には負担が多いとか愚痴ばかり言ってる先生が「磯樫杉男」とか、タイムマネジメントをきっちりできている女性の先生「矢留木満代」とか。三巻目ぐらいになるとだんだんどうでもよくなってきて、仕事が集中して大忙しの教頭先生が「大磯賀史」とか、さすがに思わず電車の中で失笑を漏らしてしまったわけである。いい意味で。