今回、ティルト・リクライニング型車いすを選定するにあたって、メーカーさんからデモンストレーション機(以下デモ機)を借りることができました。
松永製作所 マイチルトミニ-3Dです。
一見変哲のないティルト・リクライニング型車いすですが、従来のモデルよりぐっと小さくなっています。
また、いろいろな機能がついています。
まずは、ヘッドレスト
頭が安定すれば食事がきちんと摂ることができます。
食事が取れるようになれば元気になられる方が多いです。表情もはっきりしてこられます。
周りを見渡す余裕もできます。
変形のある方でも調整しやすいヘッドレストとなっています。
フットレスト、レッグレストもかゆいところまで手が届く作りになっています。
尖足がある方でもフットレストに足が乗りやすくなっています。
高さも簡単に変えることができます。
また、膝が曲がった方でも足が乗りやすくなるようにフットレスト自体が奥に引き込んであります。
従来のティルト・リクライニング型にはなかった機能。
前折れジョイントが搭載されています。
背中の途中(肩甲帯辺り)から身体を起こすことができます。
テーブルに近づくことができるので、色々な作業がしやすくなります。
もう一つ。
在宅生活で使用される場合には小回りが重要になってきます。
廊下を曲がったり、部屋に入るために結構急角度で回ることが多いです。
そのため、リフトアップ機能がついています。
車輪が浮いているのがわかりますでしょうか。
回転半径が小さくなり、小回りがききます。
座面の高さ41cm、奥行きも35cmととてもコンパクトです。
今回8名のご利用者にお試しさせていただきました。
同じ条件でお試しをしたかったので、飲食場面で使わせていただいています。
今までどうしても乗らなかった足がのり、食事がスムーズになられた方がおられました。
ほとんど全介助で食事をとられていた方が、食器に手を伸ばされ、8割程度ご自分で食べられることもありました。
歯を食いしばって食事に向かわれていた方の口が開きやすくなられました。
現在の車いすと大差ない方もおられました。
体格に合わず、飲み込みが悪くなられた方もおられましたが、本格導入の際には細かく調整をさせていただきます。
改めまして松永製作所さま、ありがとうございます。
欲を出せば、対象者の幅は狭くなるかもしれませんが、もう少し座面の高さが低いもの(35〜38cm+クッション)があれば使う側としては使いやすくなります。
導入されたら、改善例を紹介させていただければ、とは思っています。