なれる!バーストリンカー 改 感想

 2012年冬に発行されたコピー誌『なれる!バーストリンカー』が、内容が追加され、しかもオフセット本で帰ってきた!! という感じだったのですが、内容的にはなるほどと思った点もあり、また不満点もありました。
 適当に、良い点悪い点を挙げていきます。


・前回の紙面からそのまま持ってきている記事が多すぎる。前回の紙面は、テーマが7個に対して、今回は11個と増えているのですが、実際のところ11個のうち、7個は前回の紙面をそのままコピペで持ってきていて、新たな記事は4つしかありません。前回の冊子を持っている人にとっては、いささか新鮮味にかけるかもしれないです。ただ、前回の冊子はわりと限定的な頒布だったように記憶しているので、読者人口の拡大という点からすると、今回の冊子は意味があるのかなと思います。やっぱりこの3年半でwebを取り巻く状況が明らかに変わってきていますし、今、この本を出すことに意味があるのだという自信も感ぜられるよね。オフセット本で立派ですし。


・章仕立ての構成がよいと思いました。ザッと最初から読み進めていった時に違和感がないと思います。ただ小説は、章の中に入れるのではなくて、幕間的な扱いでちょっと息抜き程度の位置に置いておけばもっと良かったかなと。まぁあの内容じゃあ息抜きになりませんね。スクールデイズのエンディングの一つにありそう。


・為になる記事は、V・E氏「近接バーストリンク」、C・H氏「アカウント防衛ポイント」ですね。前者は新作記事かつ、今や誰しもが地下鉄などで対象に当てはまるかと思いました。


・やはり僕が一番なるほどと唸ったのはC・H氏の「バーストリンクの真髄」ですね。僕自信もバーストリンク(隠語)というのは、それこそ2012年の夏の対決から全く関係ない外野として見ていて、それ以降もバーストリンク(隠語)についての様々な“私見”を目にしてきましたが、正直言って自分の中ではピンとこなかったというか。というのも、実感がわかないんですね。理屈ではそうかもしれないけど、実体験としてなかったわけで、「まぁ世の中には色んな人がいるから、そんな個人情報を割るような人もいるでしょ」くらいにしか思ってなかったんですね。ただ、この人の紙面を読みまして、僕としては「可能性としてそれが存在するのならば、自衛をするべきだ」という考えを読んだ瞬間、なるほどなと思ったわけです。つまり自分が体験してようがしてなかろうが、誰かが僕の情報を割ってくるにしてもそうでないにしても、インターネットで生きていく上では、自衛が必須だろうと。正直言って前回のコピー誌では方法論に終始していた節があって、イマイチよく分からなかったのですが、今回の本でようやくすっきり出来たかな、といった具合です。

 ただこう考えると、オープンな場ってすごく面倒くさいですね。いちいちそんなことを考慮しないといけないのが。もっとクローズドなサービスが世の中の主流にならないかなとふと思ってしまいます。