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今回の騒動の原因がどこにあるのかについての論説で、かなり説得力あり。
大まかに言えば企業観には2種類ある。日本の社会に古くから定着している考え方は、会社は株主のみならず従業員のものでもあり、一定の職場を提供して地域社会に貢献するとともに、取引先との長期的信頼関係を大切にし、安定した社会の形成に努めるべきだというものである。
これに対し米国流の考え方は、会社が株主のものであることを前提とし、株主が代わったからといって従業員が直接不利益を受けることはないので、株式の売買は専ら市場ルールに任せるべきだとする。
本来なら、どちらの企業観が将来の日本社会にとって有益であるかを徹底的に議論し、その上で法改正を行うべきであった。そうした作業を経ずに政府が独禁法や商法、税制等をここ数年で急激に米国型に近づけたことが騒動の遠因である。
景気の回復した米国から市場開放を要求されると日本政府は、なし崩し的に証券取引法や企業の会計基準を米国型の株主重視ルールに近づけてきた。しかし、企業や社会の実態を新しいルールに沿うように指導した形跡は見られない。今回の騒動はまさにそのすき間をつかれたものといえる。