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iRobot社のロポット群
ルンバでおなじみのiRobot社について、青木謙知氏による解説記事。
同社の歴史(1990年創立、宇宙開発用から始まり、様々な条件で動けるロボットを作り、1998年にDARPAと開発契約を結び、その成果が510パックボット)から、現在のラインアップまで説明している。
色々な場所で活動できる移動力の確保と、現場で使える頑丈さがうり。
アメリカ統合軍とは何か
福好昌治氏の記事。シリーズ記事らしい。
現在は地域別の6つ(米太平洋軍、米欧州軍、米中央軍、米北方軍、米南方軍、米アフリカ軍)と、地域を持たない3つ(米特殊作戦軍、米戦略軍、米輸送軍)あり、ということなのだが、一区切りついたから再編成ということではなく、活動しながら組織をいじるので、かなりややこしい。そのややこしい歴史的な経緯を、10年刻みで説明している。
(サイバーコマンドは、米戦略軍隷下の準統合軍)
米海軍の新型軍艦と艦載兵器
多田智彦氏による「ネービーリーグ展示会」のレポート。
昨年のレポート(同誌 2011年7月号p.190)には、
実艦に装備するEMALSについては二○○九年六月、AAGについては11月にそれぞれ製造契約を米海軍と締結したとのことだ(二○一○年七月に契約価格修正)。しかし一番艦「フォード」の就役までに艦上での試験も含めて間に合うかどうかは極めて厳しい状況であり予断を許さないようだ。(同誌 2011年7月号p.196)
とあったが、本号のレポートには
ニュージャージー州レイクハーストの海軍航空技術ステーション内に設けたEMALSのフルサイズ設備を使用して、一昨年(2010年)12月に戦闘攻撃機F/A−18Eスーパー・ホーネット、さらに昨年(2011年)2月には次期艦載機の本命である統合攻撃戦闘機F35Cライトニング?による模擬発艦試験が実施され成功している。その他では早期警戒機E‐2Dホークアイや輸送機C‐2グレイハウンド、練習機T‐45ゴスホークなど空母で運用する各種航空機の模擬発艦試験も終了しており、フォード」に四基設置されるEMALSの進捗は全く問題ないとのことであった。(p.63)
とあり、なんとかなったらしい。
嫌われるコントラクター;請負人たち
阿部琢磨氏による、PMSCsの現状レポート。
ここも変化の早い業界で、現時点ではPMSCsの分類は「1:武装コントラクター、2:非武装型コントラクター、3:その他支援型コントラクター」とするのだそうだ。
なお、アフガンでは現地人が雇用されているがその分警察が手薄になるという課題が、イラクでは現地人の雇用が少ないため現地人にノウハウがたまらないという課題があるそうだ。バランスが難しいのだろうな。
ロシアのミサイル防衛「MD兵器と戦略」の全貌
小泉悠氏によるロシア分析記事。今回は、ロシアのMDについて。
大国のメンツの問題から戦略核については色々と対米駆け引きが続くロシアだが、肝心のMDの実力はどのくらいなのか、という記事。
(米国と対等に協力するのだと言う以上は、米国が納得できる能力がなくてはならない、という理屈。ただ、北欧上空をロシア管理下に置くという提案が現実的とは思えないなども問題もある。)
ここで、ロシアの現有監視能力の記載があり、ガバラという場所にあるレーダーは、対イランという意味で非常に重要なものとなっているようだ。これが対米交渉上の大きなカードの一つなのだが、アゼルバイジャン領にあるため、こちらの政治的に色々とありそう。ちなみにガバラはここ。
大きな地図で見る
小泉氏は昨年の8月にも欧州MDの記事を載せている。(http://d.hatena.ne.jp/k-takahashi/20110829/1314631366)
政治的な観点からは、あまり状況変わってないようだ。
変化し続けるフィンランドの国防
斎木伸生氏の北欧レポートシリーズ。しめはやはりフィンランド。
フィンランドの歴史上現在はもっとも安全状況にあるが、方針は昔と変わらぬトータルディフェンスでその微調整となっているそうだ。
面白いエピソードが2つ紹介されており、一つが「徴兵制」。フィンランドは今でも徴兵制を維持し続けている。(国民の80%が徴兵制に賛成。)現代のプロフェッショナルな軍隊に徴兵制はそぐわないというのが流れだが、少なくともフィンランドはその流れには乗っていない。
もう一つは、フィンランド軍の女性兵士は少ないこと(4%くらいのようだ)。大戦前にはロッタ・スヴォルドなんてのがあったので、これは意外だった。