k-takahashi's blog

個人雑記用

日本沈没

上下巻だった「日本沈没」を電子書籍として一冊にまとめ、幾つか図版を加えたもの。
そして生頼範義氏の表紙!(当時、別の雑誌のために書かれた絵を、ピッタリだからということで採用した)


目当ては、小松実盛氏の長大な解説(先祖の被災経験から、第二部執筆への苦難、阪神淡路震災、そして東日本震災)だったのだけれど、結局全部読んでしまった。
確かに細かい描写に古さを感じる部分は多いのだけれど、ただ、当時の空気をきちんと反映したものであり、歴史物的な迫力というてんでは古さすら力にしているところがある。


解説では、小松左京が第二部執筆に向けてどれほど苦労と苦悩を重ねたか、阪神淡路震災がどれほど小松の神経を蝕んだか、それでも日本沈没の作者としての責任を引き受けたこと、などが書かれている。
この解説の端々に、田所や小野寺、渡老人に託された小松自身の苦悩が滲み出てきている。解説目当てであればなおのこと本編を読み直すべきだと思う。


日本沈没の後継者としては「華竜の宮」があるのだが、シン・ゴジラもまた日本沈没の後継者だったということも分かる。

日本は必ず立ち直りますよ。自信をもっていい。
(No.11162)

為政者、官僚、医療関係者、科学者、消防隊員、警察官、自衛官、あるいは、メディア、インフラ産業に従事する人といった特に災害とかかわる人だけでなく、できるだけ多くの人に、様々な危機における基本的な構造を知っていただければと思います。
(No,11200)