マンガに連なる趣向・技法

日比谷図書文化館で ≪江戸からたどるマンガの旅 鳥羽絵・ポンチ・漫画 [後期展示]≫ を見てきました.展示替えがあるというので,前期展もいきたかったのですが,出かけるのがおっくうだったり,いろいろと事情があって,会期終了間近の今日になってようやくいったのですけど,堪能しました.「遊び絵」もあれば,世相を諷刺したものもあり.八代目・團十郎の死絵もあったのですが,これは猫も團十郎の死をいたんで哭いているのを一種のユーモアと見て取りあげたのでしょうか.江戸の刊本や錦絵には「吹き出し」や「コマ割り」といった現代のマンガに通じるような趣向をこらしたものがある,というのが,とくに興味ふかかったですね.幕末・明治になると,外国の諷刺画が紹介され,それに触発された雑誌類の出版が目立ちます.判型や内容もさまざまで,かかわったひとたちも多士済々ですけど,短命におわるものも多かったようです.さらに昭和初期から戦中となると,現代のマンガ史に記されるひとや作品が出てきて,その多彩さが実感できます.読売新聞が日曜版の付録に付けたマンガは,大判の紙面のあちこちに広告も載っていて,こんなのもあったの,とおもしろく見ました.