へんな絵

中野京子早川いくを『怖いへんないきものの絵』(幻冬舎,2018年12月)読了.早川いくをという方は名前すら知らなかったんですが,巻末の著者紹介によれば,多摩美術大学を卒業後,広告会社や出版社に勤めたのちに独立して文筆業となったとか.生物学を独習されたのでしょうか,そうした面への興味から,美術作品に描かれている(ヘンな)いきものに注目し,「中野京子先生に、絵画に出てくる奇妙な生き物について色々聞く」という(冗談はんぶんの)アイデアをある編集者に話したところ,それが実現してしまったのが,この本だとのこと.たしかに,おかしな生き物が色々と出てきます.生物の実態からすればありえないような描き方がなされていたりもしますが,でも結構おもしろく見ることができます.中野氏も,美術作品に描かれる生き物についての約束事とか傾向について懇切に解説されています.