ツキノワグマは数が減っているのか?


ツキノワグマは個体数も減少している上に、
山での食糧が減ったため人との遭遇が多くなり、殺処分が行なわれてさらに個体数を減らしている、
というのが今一般に広がっている認識です。
WWFジャパンの「ツキノワグマの保護活動」のページに、その考え方が要約されています。
http://www.wwf.or.jp/activities/wildlife/cat1014/cat1015/


けれども、「ツキノワグマの個体数が減っている」という点に疑問を持っている人もいらっしゃるようです。
動物写真家の宮崎学氏は、ツキノワグマを撮影するために追っかけていて、
ツキノワグマは増えている」という感触を持っているようです。


宮崎学氏のサイト「ツキノワグマ事件簿」餌不足でクマが奥山から出てきたというけれど…
http://tukinowaguma.net/archives/749


WWFジャパンの主張と対立していますね。


WWFジャパンのツキノワグマ個体数に関する主張

出没件数が増えると「ツキノワグマが増えすぎたのではないか?」と言われる場合があります。しかし、「クマが食べ物を求めて人里付近へ集中している」、つまり生息場所を変えているだけであって、個体数が増えたわけではないかもしれません。


なぜ、こう主張が食い違うかというと、
最近、全国的な規模でツキノワグマの個体数調査を行なわれていないようです。
これでは保護対策もままならないのも仕方がありません。
春日山のルーミスシジミの記事で書きましたが、
(http://d.hatena.ne.jp/k_ataro/20101018)
生態や生息状況がわからないと野生動物の保護はできません。


ツキノワグマ対策が遅れている理由が一つ理解できました。