「空飛び猫」読了。「ジェーン」のほうにうーむとうなる。前巻に当たる「素晴らしいアレキサンダー」の最後で河合先生が曰く「アレキサンダーがジェーンに結婚を申し込」むのだけど、この巻でジェーンは住んでいる農場の退屈な生活に耐えられずに都会へと出て行く。しかしアレキサンダーはそれに対して怒るのでもなくけっこう農場のほうでのんびり暮らしているし、ジェーンも別にアレキサンダーが嫌いになったわけではない。お互い好きあっているけれど、そのために自分が暮らしやすい生活を「犠牲」にするようなことはしないし、相手の暮らしやすい生活を「犠牲」にしない。フェミニストらしい話だなあと思った、マル。


「誠の話」も読了。椎名誠さんは「穴だらけのもの」が苦手で、ガウディの穴ぼこだらけの建築もダメだといっていたのが印象的。


イニュニック」はそのうち買おう。持っておきたい一冊。


林達夫評論集」より。

批評家は自らの「好き嫌い」を「是非曲直」のオブラートに包んで(くるんで)差し出すところのインチキ薬剤師である。人が掴まされるのは――中身は要するに彼の「好き嫌い」にすぎない。

なので批評は「誰が」批評しているかを注意するように。