著作権改正法案、原案通り可決



2日の文部科学委員会において、修正案が認められることのないまま可決した。3日の本会議では、参議院の時と同様全会一致で可決成立する見通し。昨日触れた藤川さんからの状況報告の通りにことは運んだ格好。悲しいです。悔しいです。これが日本の議会制民主主義の現実なのだ。
そりゃあ最初から勝ち目が無いことは分かっていたけどよお。万に一つの可能性に賭けて多くの人が行動を起こしたことで、世論にいくばくかの影響を与えたのは事実だ。テレビや新聞などの寝ぼけたメディアに一石を投じることができたし、5万人を超える署名が集められたなんて、ほんの1ヶ月前なら非現実的なことだったはずだ。結果的には力が及ばなかったとはいえ、大勢の人たちの主体的意志が状況を変えたことは覚えておいたほうがよいだろう。
法案は可決成立し、予想される最悪の事態が起こる可能性は高まったわけだが、前々から言っている通りこれでお終い、ジ・エンドではない。この数ヶ月多くの人が言っていたように「レコード業界は自分で自分の首を絞めている」ことに当のレコード業界はとうとう気が付くことなく、悪法を通してしまったのだ。これによって滅びるのはレコード業界の方であることがこれから証明されるだろう。死ぬのは音楽ではない。音楽を取り巻く現在のビジネススタイルの方である。


皮肉なことに、委員会で法案が可決された同じ日に発売された雑誌beatlegでは、今回の法案に対する同誌ライター諸氏の意見を集めたアンケートが掲載されている。私もそれに一枚噛んでおります。が、端的に言えば遅きに逸したなという気も。これを見ると音楽に関する文章を書いている人でも決して意見の一致を見ているわけではないことがわかる。いろんな意見があるのは当然で、むしろそれが健全なのだが、こうしてみると意見をひとつのベクトルに集約して行動に反映させることの難しさを感じる。
改めて今回の問題に主体的に取り組んだネット上の多くのブロガーの皆さん、特に私がリファレンス・サイトとして重宝していた以下のページの方には感謝したい。
The Trembling of a Leaf
音楽配信メモ
いかんともしがたい
OTO-NETA

それからもちろん、小野島大さん、高橋健太郎さん、藤川毅さんをはじめ、音楽関係者の立場から反対を表明した方々、国会の現場で法案阻止に尽力された川内議員ら代議士の皆さん、全員に対するリスペクトと感謝を。