2012-01-12
2012年! 学歴も職歴もないあなたがフリーランスになるための7つの心得
終身雇用は、社会がどう変化しようと、労働力を1つの会社や業界に固定する結果となるシステムです。例えば、30年前には必要でも、今は自動車産業に人を割いている場合ではありません。フリーランスが増えればそれだけ労働力は流動化します。それぞれが社会の弱点を見つけ、自分にしか担えない役割を創出することで、「自分たちの社会を、自分たちの手で前進させられる」利点があります。私はもっともっとフリーランスが増えるべきだと思っています。ほぼ何の準備もせずにフリーランスになった私の体験から、フリーランスになるための心得を紹介します。
1. 社会において果たすべき役割を見つける
フリーランスとしてやっていくために最も大切なのは「自分が社会において果たすべき役割を見つける」ことだと思っています。朧気にでも構いません。具体的に何をするかは、実際のところ飛び込んでみなければ解らないケースがほとんどだろうと思います。「社会をある方向へ動かしたい」「目の前の問題を解決したい」「自分たちの生活をより良くしたい」……このような使命感を持ってこそ、フリーランスという仕事が初めて有意義なものとなります。
仕事を創り出すための弛まぬ試行錯誤。出社時間も退社時間もなく、サボろうと思えばいくらでもサボれる環境での規律。フリーランスは、見栄や欲や一時的な勢いだけではまず続きません。決定的なのは、社会での役割を自覚できない人がフリーランスになっても、ただの下請けでしかない事実です。つらいし、つまらないし、いいように使われているだけだし、良いことは何一つないでしょう。
「自分は本当に実現したいことのために仕事をしている」「自分にしか果たせない役割を果たしている」という視点さえ持てれば、仕事に対するネガティブな感情は一切消滅します。もちろん苦手なことに取り組むのには抵抗を感じますが、誰かにやらされているわけではなく必要だからやるだけなので変な圧力は感じません。どうしてもできないのであれば役割分担も可能です。確固たるミッション・ステートメントを掲げるフリーランスの方々は、まず例外なく充足の日々を送っているはずです。
私は自分の役割が見つけられない人は、もう少し会社で働くべきだと思います。「何が不満なのか」「本当はどんな役割を果たしたいのか」を見極めるべきです。役割が見つからないのならフリーランスになるべきではないと私は思います。つらくて、つまらない、収入の安定しない下請けの仕事でしかないからです。逆に、社会における自分の役割がはっきり見えている人は、すぐにでもフリーランスになるべきです。困難があっても、必ずや打ち破って成功できます。
2. 自分にしかできない仕事を創り出す
学歴も職歴もないあなたには、フリーランスになっても仕事はありません。しかし心配は無用です。無ければ創り出せばいいのです。はじめに「フリーランスが増える利点は雇用の流動化だ」と書きました。また「自分にしかできない役割を果たしている」という視点こそが仕事からネガティブな感情を一掃するとも書きました。つまり「無ければ創り出せばいい」というより、自分にしかできない役割を見つけ、社会の弱点を補完してこそ、フリーランスの存在意義があります。
私はソーシャルメディアが持つ本当の利便性や、ソーシャルメディア体験の豊かさを人々に伝え、結果的に「自分たちの社会を自分たちでよりよくできる社会にしたい」と考え、フリーランスになりました。最初は「ソーシャルメディアのコンサルティングっぽいことを言っている人がたくさんいる。需要があるのかもしれない。だったら仕事にできるかもしれない」程度の認識で出発しました。しかしやればやるほど、例えばブログメディア『In the loop』を展開するループス・コミュニケーションズと比べて、「自分のほうが価値を提供できる」と明確に示せるとは、自分自身でさえ思えませんでした。同業がたくさんいればそれだけ競争相手が多いわけで、どこの馬の骨かもわからない人間に仕事は回ってきません。
そこで考えたのは、「自分の特徴とはなんだろう? 特徴を強味にできないだろうか?」ということです。
私の場合、辿り着いたのはIT業界では異例の國學院大學神道学科卒業という経歴です。まず、神社について専門的な知識があるので、神社の立場を理解できます。次に、大学の同級生の半分は神職なので、情報収集が容易です。特に現場の生の声を聞けるのは大きなメリットでした。最後に、(恐らく)他に神社専門のソーシャルメディア・サポートをやろうとしている人はいません。日本社会が老朽化している煽りを受けて、神社経営も危機を迎えています。ちょうど、何らかの突破口にならないかと、ソーシャルメディア活用を模索する神社が増えつつある状況でした。これならば必ず必要とされるはずだ。しかも、ほぼ自分にしかできない。それどころか、もし自分がやらなければ、神社のソーシャルメディア発信は10年遅れるに違いない。フリーランスとして存在価値があるとはっきり言える、というわけです。
企業を相手にするか、個人経営者を相手にするか、一般消費者を相手にするか。場合によって様々ですが、共通して言えるのは、あなたに仕事を依頼する理由がなければ(別視点から言えば、顧客が創り出せなければ)、学歴も職歴もないあなたが担う仕事など存在しないという事実です。いかにスキルに自信があろうとも、他人の真似は厳禁です。まず「自分以外に誰もやっていないはずだ」と胸を張れる仕事を見つけましょう。可能であれば、自分の特徴を活かして、自分にしかできない仕事を創り出しましょう。そしてフリーランスとして自らの存在価値を生み出しましょう。繰り返しますが、これができなければフリーランスとは名ばかりで、つらくて、つまらない、下請けの仕事をするハメになります。
3. 積極性
例えば、今から3ヶ月間準備して、4月からフリーランスになる。2012年という1年をフリーランスになるための準備期間と捉える。これくらいの慎重さは妥当と言えると思いますが、それ以上の躊躇は無駄です。独立してからの仕事も同様です。やると決めたら行動し、どんどん体当たりで飛び込んでいく積極性が武器になります。何故なら、悩むより、実際にやって経験し、試行錯誤したほうが遙かに多くを学べるからです。準備ができてないから……まだ不安があるから……と躊躇っていては、貴重な時間が飛ぶように過ぎ去っていきます。
4. さっさと諦める
意外に思うかもしれませんが、諦めが肝心です。現在の自分の手法で通用するかどうかは、多くても3回も試行すれば実感できます。手応えもないのにやり続けるのは思考停止です。5年10年生活できるくらいの貯金がある場合は別で、長期的な持続力を武器にするやり方もあるかもしれません。しかし、そこまでの準備ができる人は少数派でしょう。社会における自分の果たすべき役割さえブレなければ、やり方はいくら変わっても問題ありません。どんどん試して、どのやり方が自分にふさわしく、また顧客に必要としてもらえるのか(顧客を創り出せるのか)探していきましょう。
5. 友人・知人
人脈、というのとは少しニュアンスが異なります。対等な友人・知人関係の中で得られるメリットを有効活用しよう、という意図です。例えば私の場合、独立するに当たって、リクルートメディアコミュニケーションズ時代に同僚だった中山英克氏(現在、フリーランスのWebデザイナー)に、フリーランスの先輩として色々と教えてもらいました。もちろん神社のソーシャルメディア・サポートに取り組む際には大学の同級生の神職たちには情報提供してもらいました。思えば無縁だったIT業界に辿り着いたのも(ソーシャルメディア含む)出会ってきた人々の影響です。
根底にあるのは、「結局のところ、自分が歩いてきた道が未来の可能性を決めてくれる」という(ポジティブな)考え方です。特に私の場合、大きな目標こそ持って活動していたものの、将来設計なんてつまらないことは一切考えないでここまで来ました(もちろん、つまらないというのは私見です。悪しからず)。ふと見ると、周囲にいるのは今までの選択の結果として繋がりができた友人・知人です。迷ったり行き詰まったりしたら周囲を見回してみましょう。きっと手助けしてくれるはずです。
ただ、「たかる」のは止めましょうね。20世紀最大の知性と謳われるポール・ヴァレリーは言っています。
『親友。本当の親友になるには、同じ程度のつつしみ深さをもつ者同士でなければならない』
と。
誰かの助力を得るのならば、それに見合っただけの何かを相手にも提供するのがマナーです。少なくとも私はポリシーにしています。
6. 積極的な交流
間違ってもFacebookで無差別に友達申請したり、Twitterでフォローしまくったりして宣伝しないでくださいよ!
例えば、私がブログを書いていてアクセス数が飛躍的に伸びるのは、はてな界隈を飛び越えていつの間にか津田大介氏に拡散してもらっていたり、同業者の記事に反論エントリを書いたり擁護記事を書いたりしたときです。こうやって異業界や同業他者との交流が発生したときには、重要な人と繋がりができたり、貴重な情報が手に入ったりします。
一人で仕事をしていると、可能性が限られます。ある意味、完全プライベートな安心空間ではあるのですが、そこで止まっていると《確変》が起きません。ソーシャルメディアやブログで積極的に人と交流したり、コワーキング・スペースを活用するのもいいでしょう。私は今年は地元・横浜のコワーキング・スペース利用を考えています。人との繋がりが、自分でも思ってもみなかったような回答を導き出してくれます。
7. 価値を伝える意識を強く持つ
Visionはある。自分にしかできない仕事も創り出した。価値のある取り組みだと胸を張って言える。ところが、ここまで辿り着いたのに誰も評価してくれないケースがあります。「お前らバカか? 何で俺の仕事の価値が解らないんだ」と憤ったり、「自分が勘違いしているだけなのだろうか……」と弱気になる前に考えるべきは、現代が情報爆発の時代であるという事実です。
我々は日常的に「腐るほど」「掃いて捨てるほど」「砂粒の数ほど」の情報に接しています。例えば都会を15分歩いて、道中にある広告や標識をすべて覚えている人はいないでしょう。大多数の人は半日もすれば9割以上を忘れてしまいます。インターネットでも状況は同じです(というより、より顕著です)。人々はまず全ての情報をスルーします。それから各々の基準に従って情報を選び取ります。友人知人を始めとする「人」をベースに選択する人、興味や関心など情報の「価値」をベースに選択する人、それから取捨選択を諦めてマスメディアを頼る人、等々。
優れた中身を用意するのは当然です。その上で人々に「中身をちょっと見てみよう」と注目してもらう必要があります。注目する理由がなければ、中身の評価以前に、そもそも誰も見てくれてさえいないというわけです。まず注意を払うべきなのは、価値を伝える努力です。「一見して読む(見る)価値があるとわかる情報」や「価値が率直に伝わるように工夫されている情報」であれば、人の性格や信条を問わずに注目してもらえる可能性を高められます(蛇足ですが、ブログ記事などのタイトルや書き出しを工夫しろというのも同じ理由によります)。
商品やサービスを要約するのではありません。「あなたの商品を買ったり、サービスを利用することで得られる価値」を伝える意識を強く持ちましょう。難解な言葉や専門用語はダメです。子供にでも理解できるシンプルな言葉で、端的に伝えましょう。一文で価値が伝えられないとしたら「本当に自分の仕事には価値があるのか?」と疑うべきです。
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