うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

《浜松いのちの電話・開局30周年記念講演抄録》人に寄り添うということ


昨日のきたやまおさむ氏の講演会の際に頂いた資料の中に、浜松いのちの電話の会報が入っていました。
 入場まで時間があったので、全ての資料に目を通させていただきました。その中で、心に残った個所をアップさせていただきます。
 人を支援させていただくというのは、障害の有無を問わず、非常に難しいことだと思われます。でも、誰かがやらなければですね。

《浜松いのちの電話・開局30周年記念講演抄録》
人に寄り添うということ
いのちの電話が目指しているもの〜
講師:立教大学名誉教授
   日本いのちの電話連盟研修委員  福山 清蔵氏
〜【相談とは苦痛や悲しみを「早く、軽く、小さく」することである?】
 私は昔、一流のカウンセラーとは誰にでも手際よく苦痛や悲しみを、早く軽く小さくできる人だと考えていました。それが、ある母親に出逢って変わりました。その母親は7歳の子どもを亡くして8年が経ちますが、未だにお骨を家に置いて、子どものことを思い出しては泣き崩れる日々を送っているのです。「周りはみんな、そろそろ元気を出して悲しみから立ち直らないと、と口を揃えて言う。私は今でも亡くした子どものことを思うと、心がきりきりと痛む。でも、この痛みがなくなるほうが、私はもっと辛いんです」とその方に言われたのです。その言葉を聞いて私は頬を殴られたような気分でした。何故かというと、私も心の中で「早く切り替えろよ」と思っていたからです。この人の立ち直る時間を私が決めていたのだと思いました。それ以来、私のカウンセリングは変わりました。悲しみをその人が持っていられるように手伝いましょう、と。それこそが、寄り添うことだと思います。人々の悲しみや苦しみを受け止めようとする人がいつもそこにいるということが、いのちの電話の原点です。その存在自体が、とても人々を支えています。
 大変なボランティア活動ですが、皆さんには是非「あら、そんなことがあったの、大変だったわね。」と素直に新鮮に驚き続けていただきたいと願っています。