第4話 機械の魔法、機械の天使 (4) [△ ▽]
「君達二人に不安を抱いている者は少なくないのが実情だ。だが、よく知らないというのも理由のひとつだろう」
「村の人達に二人を知ってもらう?」
紫恋は鼻で笑うが、神主は笑みで返す。
「そう悲観したものでもない。この村は50歳以上のAP化率100%、そのうえHACの後援を受けている農家や工場も多い。ここも一応東京都だしな」
「都心じゃ東京ってのは区内を言うのよ」
「そうなんですか?」
「信じない信じない」
「そこで、だ」
神主は1枚の広告をテーブルに置く。
「あらまぁ準備のいいこと」
ピンク色の紙に黒一色で書かれたシンプルな一枚。中央に櫓、それを囲む様に踊る人達のイラストが描かれている。
「8月の5日から7日まで、この神社で祭を行う。その会合に出て、手伝うというのはどうだろう」
「なるほど、元々人手も足りないし、一石二鳥ってわけね」
「否定はしないが……これはあくまで案だ。強制はしない」
「参加します」
シーバリウは即答し、全員が振り向く。
「僕のことを皆さんに理解して頂きたいですし、それに何より、この祭という催事に興味があります。僕に手伝わせてください」
「そうか、ジャ」
「ジャージさんも一緒にしましょう!」
ジャージへと振り向き誘うシーバリウ。
「えっと……」
ジャージは逡巡していた。
諦めていた。もう引き時だと思っていた。だから、迷う。
普段なら、きっと、「やっぱりいい」って言っていたと思う。なんで今は、迷ってるんだろう。いつものように否定的になりきれないのは、きっと……このシーバリウの笑顔が、何かを期待させてくれるからなんだろうな……。
そんな二人を見て、うめも迷う。
もちろん、王子がいなくなるっていうのは論外だけど、でもあのお祭りの手伝いを王子がするってことは……なんだかお祭りに王子取られちゃうみたい……あ、なんだ。
「紫恋のお父さん、私もやる!」
「言うと思った!」
紫恋が頭を抱える。
「で、王子もやるし、ジャージさんもやる、あんた達ふたりも当然手伝うんでしょ、じゃ、またいつもの5人パーティで!!」
「え、えーっと」
うめはシーバリウとジャージの手を取って、ブンブン振っていた。
キリキリ。
体をよじると胃がキリキリ痛むように……あいかわらず何時間寝ても眠いし、寒いのめっちゃ辛いし……。
今日の進捗。
- 今日さっそく中間派遣B社の方が現在の勤務地に来てくれて、リーダーとお話。わては明日で派遣先C社から抜けることになりました。
- 明日の予定。午後3時まで現在の勤務地で、引き継ぎ作業他、色々と。そのあと派遣先C社の拠点に戻って、机の中のものを処分して、派遣先C社から去ることになります。
- 多分同時に、中間派遣B社とも契約が切れることになるのかな。その辺はちょっと不明。
- 来週火曜日に派遣元A社の人とお話する予定。その時、実際に退職する日とか決まることでしょう。
つか、たった4営業日でおしごとから抜けられるとは思わなかった……。迅速に動いてくれた中間派遣B社に本当に感謝。
というわけで、派遣先C社の方とは明日が最後になりますんでご注意を。
クロ現・パワードスーツ。
すげー、神経の電流を読み取って高速処理、体より先に動くとは……ここまでできるんなら、グリフォンみたく間脳電流で動かすことも可能っぽいなぁ(爆)。
ってゆーか単純に「装着せずに」動かせないのかな。それともバランスを取ったりはできないから無理なのかな。軸が体に対して「横」しかないから、体に対して「前後」方向にしか力が出せないのかも。逆にある程度割り切って作ってあるからここまで実用化できてるのかな?