東京マグニチュード8.0 第11話「悠貴へ…」(終)

 ついに家に帰ってきた未来、だが悠貴は隣にいない――。


 最終回。
 いい……作品でした。
 初めは、かなりデフォルメの効いた絵柄でシリアスが描けるのかとか、結構ほいほい助かっちゃうところとか、色々と舐めて掛かっていたんだが……とても胸を打たれる内容だった。
 未来や悠貴の成長をとても丁寧に描いていたし、真理さんも直接の母親としてではなく「他人」として親身に助け合う姿を見せてくれたし、それぞれのキャラクターの振る舞いを丁寧に描いていたのが良かったのかも。というか悠貴かわいい。
 ただ、災害に対する啓蒙が本作の中心だとしたら、もう少し説明があった方が良かったような。トリアージのことを知らなかったら悠貴を見捨てたことに反感しか残らないだろうし、災害に遭った時にどう行動すればいいのかもう少し強くアピールしても良かったかなぁと。
 それに実際、悠貴のような守りたい人が身近にいたとしても、結局「どうしようもない」というのが。もし本当に災害が起きたとしても作品で描いていたほど対応できないと思うし、あの死に方だと救うことは……。
 と考えると、本作はそういうテーマで作ったわけじゃないのかも。災害に遭った時にできることは限られるし、どうしようもない面はある。そのなかで頑張った3人の物語――ということなのかも。その舞台に、描きにくい現代の、未来に起きうる災害を使用したのはすごい。
 丁寧な脚本と素晴らしい演出に支えられたいいヒューマンドラマでした。あと悠貴かわいい。