山本麻友美+さっちゃん「さっちゃんと一緒」


 お昼の部のト―カーは、京都芸術センターシニアコーディネーターの山本麻友美が担当しました。「シニア」アートコーディネーターといっても、山本がそんなに大ベテランのコーディネーターというわけではなく、僕たち現役のコーディネータのお姉さん的な世代にあたります。
 そもそも京都芸術センターは、若手アーティストとともに、僕たちのような芸術を下支えする存在を育てようとする目的も持っています。ですので、コーディネータの任期をあらかじめ3年と決めていて、3年たったら別の場所へ行って活躍をしなさい、というありがたい親心に溢れた制度を取っています。
で、山本はと言うと、初代のアートコーディネーターでした。僕たち現役のコーディネーターでは手が回らないこと、あるいは実力不足で回せない事業などを担当しています。世代的にも、そして精神的な意味でも「お姉さん」コーディネーターです。
 さて、そんな山本ですが、僕たちにとっては「お姉さん」でも、家に帰ればしっかりと「お母さん」をしています(激務の中、子育てをするなんて本当に頭が下がります。。)。今回のトークでは、娘の皐月ちゃんをつれて来てくれて、「お母さん」としてお話をしてくれました。
 さっちゃんと一緒に行った歌舞伎や温泉の話、あるいはさっちゃんが通っている、自由な幼稚園の話などなど、山本からは普段は聞くことのない母親としての苦労話がたくさん聞けました。
 それにしてもさっちゃん、ずいぶんと「大人」です。4歳なのに、「湯加減がいい」という理由で鳥取の温泉が好きだと言ったり、商店街で焼き鳥の皮を食べたり・・・。
 とはいえ、途中さっちゃんのお友達が遊びに来てからは、ふたりで一緒にギャラリー南を飛び出してどこかへ遊びに行ったり。自由ですね、子どもって。。
 ちなみにギャラリー北の中に子どもの落書きの絵があります。みなさんご覧になりましたか?あの絵はさっちゃんが書いてくれました。あんな絵、もう書けません。僕たちは、成長してゆくにつれて常識やルールを体得/獲得していくと同時に、ある種の自由さを失っていっているのかも・・・、なんてさっちゃんの絵や振る舞いを見ていてぼんやりと思いました【京都芸術センター安河内】

寺田和子「犬歴60年、猫歴30年」


 夜の部のト―カーはボランティア・スタッフの寺田和子さん。実は僕は寺田さんのトークタイトルを誤って表記してしまっていました。「犬暦60年、猫暦30年」と、「歴」の字を「暦」と誤って表記してしまっていました(すいません、単純なミスです)。正しくは、上記のとおりです。
 さて、上に掲載した写真のとおり、寺田さんには資料をたくさん持ってきてもらいました。小屋に貼っているのは新聞記事の切り抜きで、そのほか絵本や写真をギャラリー内に掲示しました。
 僕自身もかつて犬を飼っていましたので、寺田さんのお話を興味深く聞きました。家族の一員と言ってもよいほどに(場合によってはそれ以上に)、犬は僕の人生と深くかかわっています。
 なんだか泣けてくるんですよね、犬の話をしている時って。僕を見つめていたあのピュアな瞳を思い出すと、もっと自由にさせてあげればよかったな、とか、散歩にもっと連れて行ってあげればよかったなと後悔の念がうっすらと滲んできます【安河内】