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北沢かえるの働けば自由になる日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2015-02-28 歩いた後に道はできる

最初の一歩は最初かどうかはわからない

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うれしかったので、メモ。

娘が通っている私立中学の保健室の先生と話をしていたときに、聞いた話。

この間、新入生のガイダンスが行われた時、一通りプログラムが終わった後で、保健室の先生が全体の保護者に声をかけたそうだ。

「健康上の気がかりがあるお子さん、また、学校生活上で配慮した方がいいことがあるお子さんは、この後、ご相談させていただきます。学校で楽しく過ごせるように、ぜひ、お話ください」

という感じだったらしい。それで、数名の保護者から相談を受けたそうだ。まぁ、そのほとんどが、集団生活になじみにくい、空気が読めない、配慮がないとパニくる、めんどくさい子たちだったそうで。子どもの20人にひとりは、その傾向があるんだから、さもありなんだが。

「事前に話をうかがいますよと声をかけるのは、今まではやったことはなかったんですが、今年初めてやってみたんですよ。そしたら、みなさん、率直にお話しいただいて、助かりました。実は、これは、お母さんが先鞭をつけてくれたことなんですよ! ガイダンスの後に、保健室へやってきて、いろいろ伝えてくれたでしょ。それが最初だったんですよ」

と言われて、泣きそうになった。

あぁ、そうだったなと。

実は、中学受験をしようと思ったのは、どこかに、こういう子たちが楽しく過ごせている学校があるんじゃないかと思ったからだった。近隣にある公立中学を訪ねて、聞いた感じでは、ひとりひとりに対してこんな細かいことを頼める状況ではないし、変な話、そのための説明するだけでもえらくパワーが必要だってのは、経験上わかっていた。その大変さに、私がイヤになっていたのもある。

「この子は、誤解されやすいが、根は悪い子じゃない。と暖かく見守って、困っていたら声をかけて、導いてください」

お願いしたいのは、それだけなんだだが、そういう配慮をしてくれるかどうかは、受験情報をいくら取り寄せてもわからない。

だから、ぶっちゃけ、入試相談会の時に、いろいろな学校で聞いていた。

「成績は問題ないんですが、特性がいろいろありまして、大変めんどうくさい子なんです。ですが、多少配慮していただければ、とても落ち着いて学校生活をおくれますので。お願いできないでしょうか」

こう話すとね、拒否はしないが、保証ができないって回答がほとんどだった。

「受験していただき、合格すれば入学できますが、配慮できるかどうかは、わかりません」


ただ、一校だけ、「大丈夫ですよ。以前にもそういうお子さんは在学していたので対応はできると思います」と言ってくれたのが、今の学校なんだが。


それで、合格して、入学ガイダンスに参加した後で、保健室を訪ねて、話をしっかりした。毎年4月から5月に大きな問題が起きるのはわかっていたから。それを伝えておいて、環境や新しい友だちに慣れていないから起きることと理解してもらわないと。子どもにとっても、学校にとっても不幸だろうと。

あぁ、そうか、この程度のことだけれど、後に続く人たちのためになったのか。

そうか、そうか。


よく、学校や周囲にカミングアウトして、うまく環境を作れと言われるが、やっぱり、そんなのやりたくないんだよね。誰だって、めんどくさいことを引き受けたくない。だから、正直に打ち明けない人が多いのもわかる。

同じようなタイプの子の保護者が、口コミで「似たような子が入学して、通っているよ」と聞いた学校の入学相談会で、私と同じように「実はうちの子もそうなんですが……」と正直に伝えたそうだ。隠しておいて、後からバレる方がフェアじゃないからと。

「それがさ、全部落ちたんだよ。それを口コミを教えてくれた先輩ママに伝えたら、『あなた、バカ正直に言っちゃダメよ! 言ったら落ちるわよ』だって」


と言われて、自分がどれほど幸運だったのか、気が付いた。


娘は、今年卒業する。このまま、同じ敷地内にある高校へ持ち上がりで進学するので、淡々とした感じなんだが。3年前の今ごろを思うと、本当によく成長した3年間だったと思う。それは受け入れてくれたこの中学のおかげだろう。親が教えられないことをしっかり伝えてくれたことには、感謝しかない。

加えて、「私たちはラッキーだね、いい学校に入れて」で終わらずに、後に続く子たちにも、なんらかの貢献ができたこと。

うれしくてさぁ。

今にも泣きそうだったよ。



追記

まぁ、こうやって娘がいろいろありつつも、3年間過ごして、卒業できるのも、その前に先輩の子たちががんばってくれたのと、先生たちがうまく支えてくれたのがあるんだが。保健室の先生いわく、

「もちろん、先生たち全員に理解があるかと言えば、わからないんです。まだ、課題はあるし、啓蒙の機会を設けたり、経験を積み重ねていくしかないとも思います。しかし、入学のころは、『なんだこいつ。ふざけるな』と怒っていた先生が、6年間付き合うと、かわいくて仕方がなくなるんですよ。その子が、推薦された大学で、面接で落ちたことがあったら、『あの子のどこを見ているんだ』といっしょに怒ってくれた。日々、いろいろ起きるし、配慮がめんどうと思う時もありますが、彼らがいろいろな気付きをさせてくれる。彼らの発想を受け止められない、私たちの方が柔軟性に欠けていているんだなぁと。それは教師として、学びのチャンスなんですよ」

こんなことを言ってもらえる学校って、どのぐらいあるんだろう。

ちょっとね、驚くぐらい成長する。周りの大人しだいで。

それを実感すると、うーーん、もっとうまくやって欲しいなぁと思うわけで。

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2015-02-27 人民による、人民のための

出頭か、自首か

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やっと、逮捕か。

21日、神奈川・川崎市多摩川河川敷で、上村遼太さん(13)が遺体となって見つかった事件が、27日、急展開した。

上村さん殺害の容疑で27日、不良グループのリーダー格の少年Aら3人が、相次いで逮捕された。

リーダー格の少年Aは、地元の中学校を卒業後、定時制高校に入学。地元では、不良少年として知られた存在だったという。

少年Aを知る人は、「(少年Aは相手を)鉄パイプとかでぶっ飛ばして、(鑑別所)入ったと聞いた」、「(人望はあった?)あまりなかったです。後輩とばっかり遊んでいた」と話した。

リーダー格の少年Aとともに、27日に逮捕された少年BとCは、ともに17歳。

逮捕された17歳の少年のうち1人を、FNNは26日夜に取材。少年は、事件への関与を否定していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150227-00000230-fnn-soci

否認しているが……LINEなどのログは押さえられているだろうし、グループの仲間からも情報得ているだろうからねぇ。

「被害者は不良グループの高校生たちに脅されていた」という情報が流れた直後から、中学生の娘が言うには、主犯格の3人プラスαの顔写真と名前が「こいつらを探せ」と煽った文章とともに、回ってきたそうだ。

「真偽のほどはわからんから、安易に拡散するなよ」

と釘を刺しておいたのだが……この辺の中高生にしてみたら、自分らの安全に関わる問題でもあるし、盛り上がるわけだと。

一方、報道を見ていると、ここまで詳細に犯行に至るまでの経過や殺害方法などを紹介しなくてもいいと思っていたんだが……ふと、気付いた。

「少年事件だからなぁ。少なくとも自分から名乗り出てくれ。ってことなのか」

自分から言い出せなくても、家族が報道を見て気づくだろうから、逮捕状請求される前に自首してくれたらとの期待があったのかもしれない。しかし、陰惨な手口が次々と明らかになるに、社会的にリンチしろって煽ってるみたいになって、怖かった。やり過ぎのような気がするが。

さっき、テレビを見ていたら、3人の容疑者の写真が、ぼかし付きで紹介されていたんだが。

「やっぱり、本物だったんだ!」

と娘が叫んで、よく見ると、あぁ、ネットで拡散している写真を使っているじゃないか、おいおいと。


ネットの噂を追認してしまったのは、どうなんだろ。

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2015-02-26 ある種のハラスメント

プロパガンダにやられた

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朝から、高校生の娘に、毎日キャラ弁を作り続けた人の話題が、放送されていて、へぇと思ったんだが。夜も、別の番組で、同じキャラ弁を作り続けた人の話題が流れていた。はー、すごい努力だなと思いつつ、横目で見ていたんだが。

「なんていうか、大迷惑だわ……こんなん流したら、『キャラ弁を作れ! 食べたい!』ってすぐ感化される子どもが出るから」

と夫に愚痴っていたら、風呂から出てきた娘が番組に気が付いて。

「作ったら食べるよ! 作ったら食べたい! 私食べるよ!」


あーーあ。


全国の、お弁当作りに四苦八苦している保護者には、目に毒と言うか、大きなお世話というか、もう、「キャラ弁が愛の表現」とか持ち上げるなよと。すぐ感化される子どもが大勢いるのですよ!!! 知らなければ、良かったにw

うちの弁当は、茶色と黒のツートンカラーで充分だよw*1

*1:茶色は唐揚げやコロッケ、煮物。ご飯の上には真っ黒なのり。それで充分、おいしいよ

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2015-02-24 折り返しでもなく

噂の「2分の1成人式」に出た

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小学校4年生の息子が参加する「2分の1成人式」が、この間あって、出席してきた。土曜日だったが、夫は仕事だったので、私だけ参加した。「2分の1成人式」はいろいろ議論があるというか、なんだかな〜という意見も聞いていたので、ちょっと引いて見ていたんだが、結論から言うと、泣きましたwww 私も、息子も、大粒の涙がぽろぽろ出て、抱き合った。

というか、子どもらに「いつもありがとう」と正面切って言われれば、泣くでしょ。

口に出して言わないようなことを、改めて場を設けて言わせるって意味では、こういうイベントも悪くはないがなと。

息子の学校では、内容については、子どもらが話し合って、企画を考え、飾り付けも自分らがやったそうで、高学年になる前に、自分たちの力を試すみたいな意味もありそうだった。品川区の公立小中学校は、全校が小中一貫校という扱いで、学年の区切りが「4・3・3」となっているからね。そういう状況もあり、最近、この辺りの学校では行うことが多いようだ。中3の娘のころは、そんな話は聞いたこともなかったからね〜。たった5年で変わるもんだ。

子どもら主体に進行していたイベントなので、「お母さんにはないしょ」と言われて、式の内容は事前には知らされていなかったが、逆に保護者たちもないしょにしていたことがあった。事前に先生方から保護者には秘密のお知らせプリントが渡されていて、子どもあての手紙をこっそり書いていたのだった。。

そして、その手紙は、式の最中に、子どもたちが、それぞれの親の前に来て、感謝の気持ちを伝える手紙を読み終わった後で、親側から返事として読むことになっていた。

なんと、うれしいサプライズでしょうw

実は、息子の手紙を聞いてから、息子あての手紙を読みはじめたところで、涙が出た。

なにを書こうか、とても迷ったというか、別に、今、息子にあえて書いて伝えたいようなことはないんだよなぁ。息子はいつだって、彼なりにがんばっていることを知っている。見た目も、心も、私の予想以上に素敵な子に育っているし、勉強は苦手かもしれないが、それはまだはじまったばかりの人生の中では、たいした問題じゃない。

というわけで、そういうような気持ちを並べた手紙を書いた。

「いつだってあなたががんばっているのは知っているよ! 文句はいろいろ言うし、注意はするが、あなたは最高だよ! このままでいいんだよ、イエーイ!」


校長先生らの話を聞いていると、

「大人になるための、けじめをつけはじめるのが、この10歳。10年後には大人になることを意識して」

みたいに、大人になるために必要なことを、考えはじめる年ってことで、「2分の1成人式」なんだろうね。

だけど、こんな大人になって欲しいとか、夢をかなえてとかは、書けなかったなぁ。自分で生きたいように生きて欲しい。それをやっと考える時期になってきたんじゃなかろうかと。

息子からの手紙は、「お母さん、お父さんへの感謝」で満ち溢れていて、なんか、息子らしくなかったw 

自分としては、日ごろから優しい気遣いをもらっているので、充分だよと。



参考 親への感謝を強制する「2分の1成人式」不要論 - Togetterまとめ

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2015-02-23 沈黙も意思表示

今風の言論弾圧

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ちょっと前の記事だけど、フランス歴史学者エマニュエル・トッドのインタビューが興味深かった。表現の自由は確かに大事だけれど、こういう部分に違和感を感じたんだなと思った。

「例えば仲間内のおしゃべりで私がシャルリーを批判する権利に触れたとします。社会的弱者が頼る宗教を風刺するのは品がないぜと。すると相手は『君は表現の自由に賛成じゃないのか、本当のフランス人じゃないな』と決めつけるわけです。上流の知識層でリベラルな人々が、あの大行進に参加した人々がです。『私はシャルリー』が『私はフランス人』と同義になっている。私はシャルリーじゃない、つまり宗教上の少数派を保護し、尊重しなければと言ったとたん、本物のフランス人ではないと……。

 今日の社会で表現の自由を妨げるのは、昔ながらの検閲ではありません。今風のやり方は、山ほどの言説によって真実や反対意見、隅っこで語られていることを押しつぶし、世論の主導権を握ることです」

(インタビュー)分断される世界 仏人類学・歴史学者のエマニュエル・トッドさん:朝日新聞デジタル

この辺も興味深かった。

「米欧日やロシアでは若者の30〜50%が高等教育を受け、自由競争が彼らの生活水準を押し下げています。他方イスラム圏の教育水準は、先進国の1900年ごろにあたります」

 この二つの世界(西側とイスラム圏)はまるで違う時代に生きているのに、グローバル化により人が盛んに行き来するようになりました。両者の間には常に、おかしな衝突や相互作用が起きます。中でもアラブ系住民が多いフランスでの混乱は著しい。この国のムスリムは、近代化に伴う問題と同時に、現代社会の危機、例えば学歴や若者の失業など、先進国特有の問題にも直面しています。彼らの苦境と中東の混乱を結合させて語るのはまるで幻想ですが、典型的な『衝突』の事例です」

時間軸の違う世界があれば、そのズレやゆがみが問題を引き起こすってことか。西欧キリスト教文化とイスラムの文化的な衝突というよりは、歴史段階や経済発展のズレゆえの衝突って思う方が、わかりやすいね。

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