2009-05-15 化け物を殺すのは人だけ
論理が倫理でロンリー
昨日、間違えそうな言葉を並べて、「漢字にはのぉ、同音異義語が多くて」と娘に説明。
「あと似ている字もあるよ。論理と倫理とか、だから、漢字の練習するときは声に出して読むの」
と説教したら。
「論理と、ロンリーってのもあるよね」
……それ、漢字じゃない。
この間、「おうじる」と書かせたら、「Oじる」と書いただけはあるw。
趣味って、あんま、口外できないものが多くね?
だから、アンケートで「趣味は?」とか「興味があるものは?」という欄に選択肢なくて、手が止まる。
適当に書くのに都合のいいのは「読書」。だから、趣味は「読書」。つまらないですが。
なにを読んでいるかが、ホントは重要だが。
近所に、新しい店発見。
偵察に行かねば。
小学校から『ぼくらの七日間戦争』が撤去されたそうだ。
前にもちょっと書いたが、娘の小学校の図書室から『ぼくらの七日間戦争』をはじめとした『ぼくら』シリーズが撤去されたそうだ。娘から聞いた話なんで、ホントかどうかわからないが、「校長先生が読んじゃダメ」と決めた結果らしい。
「えぇ、なにが問題なの? お母さんが子どものころから、人気の本なのに」
「でもね、小学生が読んではいけないようなことが書いてあるんだってさ、だから、ダメ」
「うーーん、確かに、大人や先生たちを子どもがやっつける話だけどね。だからって、読んじゃいけない話ではないよ」
図書室の改装工事に合わせて蔵書を整理した結果らしいので、真偽のほどはわからないが、子どもらは上のように受け取っている。
まぁ、大人が子どもに与える情報をコントロールするには、アクセス制限をかけるのが手っ取り早いけどなぁ。
ここんとこそういうのはなんだが、こういうコントロールが厳しくなっている気がする。学校や保育園などの書棚を見ると、なんとなく無難なロングセラーが多いような気もする。無制限に与えろとかは思わないが、ちょっとしたクレームがどこからか入ると、すぐ撤去ってのは、公園の遊具だけの現象ではない気がするな。こういう現象をエスカレートさせないためには、どうしたらいいんだろう。
「なぜ、これを与えてはいけないと考えるのか」
ひとりの思いつき、いや、猛烈な集団抗議にしても、それが正当なものかを吟味する段階を踏まないと、まずいんじゃないかなぁ。今回の話は、校長先生は学校のトップで、管理権限があるから、図書室にどういう本を置くかを独断で決定できるからで、はい終了って話なのかもしれんが。
心配なのは、『ぼくら』といっしょに撤去された本もあるらしい。それがどういう内容で、どういう点が問題だったのか。わからないってことだ。たまたま、今回は、人気の本が対象となったから、子どもたちも騒いたが、なんとなくで消えていっている本もある気がする。
私個人としては、良心の砦と信じている図書館がもはやそういう状態ではないかもと思ったのは、kmizusawaさんのところで「堺の図書館でBLが抗議されて撤去」という話を知ったからで。
ブコメつけられそうなので、一応書いておくが、なんでも揃えろとかいう話ではないよ。「どういう基準かわからないが、公共の図書館が購入を決めた本が、いきなり撤去される」ということには、説明責任があるって話だ。小学校の図書室なんて小さな話だが、なんとなく、こういう小さなことが積み重なって、なんかをすごく大事なものを失っている気がするんだけど、まとまらないや。
ちょっとステキな後日談。
図書室にはなくなった『ぼくら』シリーズではあるが、娘のクラスのシリーズ全巻を読破していた子が「すごくおもしろい話だよ」と吹聴したおかげで、みなが「貸して、貸して」となり、その子の持っている『ぼくら』が、今、クラスでブームなんだとさw。
順番がなかなか回ってこないと娘が言うので、「んなら、よぉし、買ってやる!」と一冊購入。
下の新装版は、ルビがふってあるので、読みやすいよ。
ちなみに品川区では、区立の図書館と学校の図書室がオンラインで結ばれて、図書館の本を学校に取り寄せることができるらしい。
「今、読みたい子には、図書館から借りるようにすればいいんだよ」とアドバイスしておいた。
そういうのはなんだが、図書館や図書室を規制しても、あんまり効果がないと思うんだがなぁ。
私が子どものころに「子どもは見ちゃいけないもの」をたんまり見たのは、病院の待合室にあった週刊誌であり、床屋にあった大人向けの漫画だった。あぁ、待つのがなんと楽しかったこと。『微笑』とか、『堕靡泥の星』とか、無造作に置いてあったものなぁ。
自分の中では、ゾーイングしようが、発禁にしようが、大人が遠ざけたいものを見つけて、子どもは読むだろうなと。それを読んだ子たちがどう受け止めるか。なんとなく、そこの部分を助けるしかない気がするんだけど。
追記
昼飯を食べて、作業再開と思ったら、このブコメ! 多謝です。
事実として確認できているのは、
- 図書室&学校の本のコーナーが整理され、今まで読めた本がかなり片付けられた。
- 子どもたちにとって片付けなくてもいいと思う人気の本も片付けられ、その中に『ぼくら』シリーズがあったということ。
- 子どもらの間では、片付けた理由は「小学生が読んではいけない内容だから」「校長先生がダメと言ったから」とされていること。
これは、品川区の小学校で進んでいる、図書室を使いやすくするためのシステム更新の一環なので、古い本を整理したのではないかと思います。しかし、以前の図書室は、書棚が本で満載という状態ではなかったし。「その本は人気がある」とわかっていれば残しても良かったと思いますが。もしくは、人気がある本だけを、破棄扱いにして、教室の一角に残しても良かったのではないかと。
ホントかどうかわからないのは、私がその過程を目で見たわけではないで、前置きとして書きました。ただ、学校の図書室を使う主体である子どもらが、この件に大変不満を持っていて、一方的に好きだった本を捨てられた気持ちがあることは事実と思います。
まぁ、ホントの理由なんてどうでもいいんでしょうね。子どもらには。通い慣れていた公園が「もっと使いやすく整備するから」という理由で閉鎖され、再開すると好きだった遊具が消えていたとか経験していますから。彼らにしたら、「大人はゴチャゴチャなにかと理由をつけて、言い訳するからさ、ケッ」って感じじゃないでしょうかね。
ちなみに、小学校のちんまい図書室なので、司書はいません。保護者から募った図書ボランティアが1週間に何回か訪ねて、整理を手伝ったりしているぐらいの規模なので。
ま、でも、あんま気持ちのいい話ではないですし、図書館&図書室はどういう場なのかを、ちょっと考えて欲しくて書いてみました。
「図書館戦争」は読んでいないんですが、読もうかなぁ〜。
どうか、図書館が、いつまでも、みなさまにとって、心温まる大切な場でありますように。
本を守れといえば。
追追記
げ、なんてブクマ。
明日早いのでこれだけ。前後関係を聞く限り、TKのせいではないですw。
追追追記
取り急ぎ、じっくり話を聞いてみたんだが、ホントに話のようだ。残念ながら。真実と思った根拠はいろいろあるんだけど、そもそも「オマエ、こんなおもしろいプロットが考え付くなら、小学館子ども文学大賞に応募しろよ。作文苦手ってどういうことだよ」ってような子なのでw。
子どもだって、自分が好きなものが奪われるときは抗議をするし。良心がある人はどこにだっている。ってことだ。
なので、確認するかどうかを今思案中。
そもそも調べないといけないことがたくさんあるよなぁ。こういう件で参考になる件や係争例があったら教えていただけないでしょうか。コメントでもブクマでも直メッセージでもいいので。よろしくお願いいたします。
続き → 空気のようにある、空気のように気づかない、空気のように大事 - 北沢かえるの働けば自由になる日記
予想通りのコメント付けられているので、再度繰り返しますが。
なんでも揃えろとかいう話ではないよ。良書だから残せって話ではないよ。
「どういう基準かわからないが、公共の図書館が購入を決めた本が、いきなり撤去される」ということには、説明責任があるって話だ。
この本が良書か、悪書か、それは読者が判断すればいいことで、子どもだからってむやみに取り上げていいことはない。
その前提をお忘れなく。
☆☆ 注意 この件を読んで怒りを覚えた方、ぜひ、後日談もどうぞ。 ☆☆
こちらを読んでから、子どもらを評価してやってください。
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品川区はかなり外部の評価を意識しているようなのですが実際のところどうなんでしょう。
楽しみを取り上げられた時、大人なんてそんなもんなんだよとあきらめるのではなく、なぜそうなのか確かめる事が図書館や学校を育てると思うのです。
撤去されて当然じゃないですか?
戦いのなかで仲間が次々と死んでいくなんて悲惨なシーンは子どもには見せられません。
同じ作者は最近、未成年の女の子が帝国海軍軍人に毎回エロいことをされるという作品も書いていますし。
かわりにジョージ秋山の「ザ・ムーン」を蔵書に加えてもらったらどうでしょう。資本家が被雇用者を「糞虫」とけなすシーンが満載なので、実社会の厳しさを学べます。
ナチスの焚書を描いて、それを見たインディは燃やさずに読めみたいなことを言ってた様な。
図書室にないから読めないって訳でもないでしょうと思う。
BL小説を撤去しろという人々とそれに反対する人々がバトルを繰り広げている堺市の図書館には閉架に随分貴重書があるんですが、それを惜しげもなく貸してくれます。三島由紀夫の豊穣の海4部作とかありますし。
必要な本は自分で探すが基本ですよ。
いまだに私の本棚には全巻揃ってますよw
それにしても新装版が出てたんですね。
(新装版が今後も出るなら買っちゃうかもw)
大人の理不尽な考えもありますよね、最近はちょとしたことでも大げさに取りあげますからね・・・・
本は自分が興味のあるものを自分で読んで見つけるそれが醍醐味ですからね
図書館が建てられる土地からして・・・、最近の問題ではないと思います
「ぼくらの七日間戦争」、懐かしいです。
他のシリーズは読んでないので、「ぼくら」シリーズ全般については何とも...なんですが、小学校の時、学校主催の映画観賞会で「七日間戦争」は映画版を観た記憶があります。
図書館から撤去されるとかよりも、大人側が「読んじゃダメ」という言い分(それが本当なら)なのがちょっと...って思います。
これを読んで大人になった自分達はじゃあ何なんだ、と。
自分達に都合の悪いことは全部隠す大人の汚いやり方に対しての反発がこの作品のテーマの一つだったように覚えています。
こんな形のやり方じゃ、ホント大人の汚いやり方そのままじゃん!て思ったり(ちょっと大げさですが)。
子供の持つ疑問に対してちゃんと責任を持てる大人に目指したいと思います。
全共闘世代のポエム小説です。
筋立ては面白いけど裏に流れてるものは醜悪。自分たちの「闘争」の記憶を美化する意図に満ち満ちてる誇大広告小説だ、と私は思います。
それとこの学校の判断の是非とはまた分けて考えなくてはいけませんが、七日間戦争が良書だって前提でこのエントリが書かれているのはいかがなものかと。
このまえ、都内の書店で角川つばさ文庫版「ぼくらの七日間戦争」を購入しました。
たしかに問題のある記述はあると思います。
「大人から見たら」ですが。
この本を隠す、そんな大人だからこそ「ぼくらの七日間戦争」みたいな本が生まれるのでしょう。
>>honey-deepさん同意です。
>>うーんさん(これが名前ではないような)
たしかに、あなたの言い分も合っているような気もしますが、そのような図書を一概にして学校図書館から取っ払ってしまうのはいかがのものかと。
この本を期に、ほかのぼくらシリーズも読んでみようと思い、現在図書館等に出向き奮闘中です(笑)。
学校図書館法第二条によると、学校図書館とは
「児童又は生徒の健全な教養を育成することを目的として設けられる学校の設備」なんだそうです。
この本が「健全な教養」に問題があるとでもいうのでしょうかね。校長は。
学校の判断ははっきりいって非だと思います。
ハッ事の真相は、
いじめられっこの61式戦車ちゃんが泣き出しちゃったからでしょうね。
人気かもしれないが、文章拙いし、会話も不自然だし、仕方ないんじゃない?
だが金払ってまで購入するのは嫌だから、公共施設から亡くすのは害悪か。
あとゾーニングを「結局たいして意味無い」みたいに考えてる(と私は受け取った)のも賛成できないな。
それからBLの話は逆でしょ。説明責任があるのは「なぜ撤去したのか」ではなく、「なぜ置いたのか」だね。昔の小説みたいに現代で昇華されたものならともかく、BLは無い。スラムダンクとかの方がよっぽどマシ。
なぜなら、人によるから。
限られた学校の図書室という場所に、何を入れ何を残し何を捨てるかという問題があって、現状それは管理者のぶっちゃけ趣味で決められていて、
「個人の趣味で決めるのは気に入らん」
って事でしょ?
これを変えるなら、例えば、
全蔵書と収納面積、新規購入予算を示して、何を入れ何を残し何を捨てるかを投票(先生・子供・保護者それぞれ1票)によって決める、かな。
・先生の特別推薦枠(マイナーでも必ず採用)はあっていい。
・捨てる本は、捨てずに地元図書館に寄付とか。
(「捨てた」じゃなくて、「書架の関係上地元図書館に移管しました」ならok?)
めんどくさいし、やるのはただじゃないし、多数決だからマイナーな本は選ばれず消える運命だし、子供が団結して余り読んで欲しくない(と大人が思う)本の購入を決めちゃうかもだけど、民主主義は学べるかもね。
でもまあ、器が大きい地元図書館の利用で代替した方が波風は立たない。問題の先送りだけど。
TMから映画を経て本に辿りついた私ですが、何かどんどん違う方向へ向かっているような感じがしますね。人間誰しも懐古しやすいかとは思いますが、より窮屈な社会になってしまったような気がします。極論のような図書はどうだろうとは思いますが、あの程度の内容で今の子供たちは影響され取り返しのつかない行動を起こしてしまうのでしょうか?
最近の児童の後ろには怖いモンスターペアレントが待機していて、何かあったらすぐにでも行動できるようアップしているかもしれませんが、優先順位を間違えているような気がします。親も学校も独りよがりにならず、子供の為に何が得策か考えていく方向に向かってほしいなと思う今日この頃です。
そうだ、久しぶりにSEVENDAYSWARとGIRLFRIENDでも聞くかな。
ちなみに自分がこれを読んだのは小5の時
当時は日大全共闘とか全然知らなくて親父に色々聞いたりしてた
そのときは、「自分達が気に入らないからって、大学に立て篭もったりして暴力に頼るのっておかしいんじゃね?」って考えてた
でも高校に入って世界史を習って、革命やら紛争ってのがまさに僕らの七日間戦争なんだってわかった
こういうわだかまりみたいなものを小さい頃に手に入れて、その気持ちを自分の成長と同時に変化させていくのってすごい大切なことだと思う