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北沢かえるの働けば自由になる日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2018-12-08 そこから見えてる世界

カフェの店員として大事なこと

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さっき、テレビをつけたら、ちょうど「ロボットを使ったカフェ」についてのレポートが流れていた。

前から気になっていた遠隔操作できるロボット「オリィ」が登場していた。腕があり、移動もできる「オリィ」は分身代わりに使えるところがとても面白いなと思っていたんだが、その機能を生かして、重い身体障害があり、外出が難しい人たちに、リモートワークで働いてもらうという実験を行っている。実は、以前からそういうリモートワークで秘書役をやっている人の話をツィッターのTLで読んでいて、今度はカフェをはじめることは知っていた。

放送された「オリィ」を使ったカフェでは、ひとりでは行動できない身体障害がある10人の人が働いていた。彼らは全国の自室にいながらロボットにつながっている。1日3時間、3人ずつ、時給1000円で働く。内容は、ロボットを操作して、注文された品を客のところまで運び、会話をして、もてなすこと。

レポートの中心として登場した方は、難病でほぼ寝たきり。かすかに動く指先で、コントローラーを動かしていた。発語はできる。車椅子での移動はできるが、働いた経験はない。なので、カフェの店員として働くことをとても楽しみにしているようだった。

そんな彼が、働く前に、なにが、カフェの店員としていちばん大事なことと問われて、答えた回答。それを聞いて、思わず、涙がこぼれた。

「話すこと。お客さんとコミュニケーションをどうとるか」

私が思い浮かべた答えは、“身体が不自由だし、ロボットを操作することの難しさだろうな”だったが、全然違っていた。彼にとって、働くことは初めて。そして、カフェに行ったこともない。だから、初めて会う人たち、いろいろな人たちとどういう風に話したらいいのか。わからない。

バイトの初日は、彼は全然話ができない。場違いな言葉を発してしまうし、緊張し過ぎて、ロボットの操作も失敗してしまう。ネットで検索して、カフェはどんなところか。会話はどういう風にしているのか。彼なりの準備はしていたんだが、全然ダメだった。

そこで、彼は、カフェに自分がお客として行ってみることにする。車椅子に乗って、自分が働くカフェへ行き、同僚たちから接客を受けて、質問をする。

そして、次の回にシフトに入ったとき、彼は、客を気遣った会話ができるようになった。本当に見違えるほどよくなっていた。短期間でこれほど、人は変わるのか。編集の妙があるのかもしれないが、なんて真摯なんだろう。

最後に、「働くことがわかった」と笑顔で答えていた彼を見て、涙が止まらなくなった。


起き抜けにいきなり見て泣いている自分も大概だが。

なんていうか、普通に会話。簡単にできるじゃんと思っていることが、本当に難しい人たちがいるんだなと。

でも、場を与えて、そこでいっしょに過ごしているうちに、身に付いていく。

いやね、本当に、できないからダメ、たぶん失敗するからやらない。じゃなくて、受け入れる側がどうサポートして、どう迎い入れていくか。なんだと思ったなぁ。


「オリィ」についての詳細はこちら。

http://orylab.com/

カフェの詳細。イベントなので終わっているが。

https://arca-gia.com/lp/cafe/

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2018-11-26 リアリティを越えて

なぜ、涙が出るんだろう映画『ボヘミアンラプソディ』

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映画「ボヘミアンラプソディ」を見てきた。

平均年齢50代で大盛況だった。でも、若いカップルもいたし、予想よりはファン層が広いなと思った。

映画なので、お約束な展開ではある。いろいろあったが、バンドは最後はまとまって、ライブを大成功させる。

しかし、リアルタイムに彼らを見て知っている世代なので、そんなには美しい話ばかりではないでしょうにと、斜に構えて途中までは見ていたんだが。ラストのライブエイドのスタジアムに向かうシーンから涙が出てきた。

そうだ、これ、見ていたんだ。

地球の裏側、日本の、紙と木でできた家の、茶の間の、14インチのブラウン管で、ホントに動いているよ、生で見ているんだよ、と興奮していたなぁと。あの頃の世界は果てしなく広くて、自分の人生は始まったばかり。音楽や映画、ラジオやテレビが、その広い世界への扉を開けてくれるんじゃないか。そんな予感がしていた。

あの時、私も、これ見ていたんだ。

と思い出したら、涙が出てきた。フレディの思いとか全然知らずに、ただ見て興奮していたなぁと。



クイーンを、私が初めて聞いたのは、FMのエアチェックだったと思う。ベストテンを片端から録音して聞いていた頃だった。壮麗な音楽だなぁと思った。そして、彼らのビジュアルを、大好きだった「マカロニほうれん荘」で知って唖然とした。そして、父親が毎週買っていた「FMレコパル」の記事を読み、凄いバンドだってことがわかった。だが、

なんだ、このフレディの異様な存在感は。

とどうしても好きにはなれず、私は遠巻きに見ていた。

クイーンは、唯一無二のバンドで、当時から“なんなんだ、これは”という存在ではあった。ジャンル分けが難しい曲を次々と発表し、衣装やPVも独特の美意識だし、しかし、フレディ、目が怖いなぁ、普通じゃないよと。

そう、異端だった。

80年代には「VIVA ROCK」という洋楽専門誌があった。洋楽だけを扱う音楽雑誌と言ってもいろいろあったんだが、この雑誌はJAPANのデビット・シルビアンやデビット・ボウイボーイ・ジョージなどビジュアル重視で取り上げるミュージシャンを決めていた。そして、毎号、彼らが登場するギャグ漫画が載っていて、それが楽しみでたまらなかった。今は普通にあることなんだが、洋楽のパロディやギャグマンガは、当時はここでしか読めなかった。アニメのパロディは『OUT』、洋楽のパロディは『VIVA ROCK』。そして、雑誌文化の全盛期にどっぷりつかった高校生の私は、『ぴあ』と『シティロード』、『宝島』、『ビックリハウス』を読みふけっていた。

その『VIVA ROCK』の中での、フレディ・マーキュリーの扱いは、オチ要員という感じだった。

今思うと失礼だが、この映画では描かれなかった、ゲイで、エイズにかかって亡くなったフレディ・マーキュリーというのは、当時は、こんなに悲しまれ、惜しまれる存在ではなかった。日本では、亡くなるちょっと前に、写真週刊誌に『激やせフレディ』という写真が掲載されて、はっきり書かなくても、ゲイの彼はエイズなんだね自業自得だね終わりだねという扱いをされていた。

そのころを思うと、映画の中で、メンバーが、感染を告白したフレディを抱きしめるところ。あれは、そうあって欲しかった情景だった。偏見もなく、忌避されることもなく、ただ、抱きしめる。そういうことが、現実にはできなかった。

だから、この映画は、事実と違うや、ツッコミどころ満載と言われようが、こうあって欲しかった世界を、美しく描いたんだろうなと。

そんな意味でも、しみじみと、映画館の暗闇で泣けたんだろうなと。思った。

もう、いないんだな、フレディは。

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2018-11-25 人の中で生きて

音に浸かって考えた

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今日は、娘がお世話になった石坂亥士先生のライブに行ってきた。構成は、前半が鐘や銅鑼など金属でできた打楽器を使った演奏、休憩をはさんで、後半は神楽太鼓を使った演奏。最後に、スペシャルゲストがピアノを弾いたのに合わせての演奏。3曲とも即興演奏なので、その場の空気をつかんで展開していく辺りがとても面白かった。

100人ぐらいが入るお堂のような空間で演奏したのも良かったのだろうが、音に浸かった、どっぷりと。演奏が始まると、徐々に音が積もって、音で部屋がいっぱいになり、身体全体が音に囲まれたようになっていたんだが、演奏が終わった瞬間。

音が消えた。

え、なんだろう。静寂を聞いた感じがした。マンガによくある「シーン」とは違う、身体の中に残っている音を反芻するような感じ。

その感じがとても面白かった。一瞬しかないんだけれど、その瞬間のために、山ほどの音が奏でられていたのかと思った。この感じはライブならではだろうな。耳だけでなく、皮膚でも聞いているからなんだろう。

再現しにくいんだけど、「ない!」って思った瞬間の、血がわーーっと流れていく感じ。不思議だな。


亥士先生は、娘が小学校1年生で参加したワークショップで会った。小学校に入学してから、クラスメイトとは喧嘩喧嘩喧嘩で、先生から無視されて、いじめられて、いちばん辛かった時だった。短い期間だったが、ワークショップで仲間たちと過ごせたのは良かったなと、娘は思っている。今回も久々に東京でライブがあったのに行けないことを悔やんでいた。それで、残念だねーという話をしたら、

「私は、人との縁には恵まれていたと思う。いろんな人とのかかわりが、自分を作ったんだなと思うんだよ」

確かに、いろんな人にお世話になって、それがあったから笑顔でいれるんだろうな。と思った。

そこに気付いてくれたってのは、お母さんとしてはうれしいよ。

その時の記録 言葉では伝えられない大事なもの - 北沢かえるの働けば自由になる日記

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2018-11-24 獣になれない人々

辛くて辛くて震えてる

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連ドラが溜まり過ぎていて、最終回も近いのに、全然紹介できていないのが、申し訳ない。今期もいいドラマが多いからなんだけど、特に『獣になれない私たち」はきちんと見て、いろいろ話したいことがあるなと。しかし、本筋とは違うところが刺さりまくるのは、この脚本家の作風なんだろうが、辛い。訂正、辛楽しい。なんていうか、みな、苦しいんだよ、でも、がんばっているんだよ。ってのを丁寧に描いているのはいいなと思っている。

今日、目に留まった記事なんだが。

WEBコンテンツ制作会社の「人間」は11月23日の勤労感謝の日に合わせ、参加型イベント「THE BLACK HOLIDAY」を東京都新宿区某所で開催した。同イベントは新入社員として架空のブラック企業に入社した参加者が、『ブラック企業』の被害をリアルに体感する参加型演劇だ。

ブラック企業アナリストの新田龍氏が監修し、劇団子供鉅人の益山貴司代表が脚本・演出を務めた。実際のブラック企業経験談をもとに制作されているのが特徴だ。キャリコネニュース編集部も22日の回に参加してみた。

https://news.careerconnection.jp/?p=63130

内容はこの通りで、トラウマある人は読まない方がいいと思った。ダメな奴を作って、そいつを見せしめにするとか。最後にはみなはまってしまう辺りとか。怖かった。人間は弱い生き物だから、こういうシステムに組み込まれると、逃げられない。おーこわ。ぶるぶるぶる。

なんだが、あるブコメに目が留まった。

全くわかってない、ブラック企業はもっと巧みにやるんだよ、一週間の徹夜は我慢しろとか絶対にいわない。責任を与えて自らやらざるをえない環境をつくるんだよ。こんな会社いまどきあるかよ!

この方が指摘しているのは、『獣になれない私たち』で主人公が置かれている立場だな。

営業アシスタントと採用されたのに、営業の代わりにプレゼンやらされ、営業部長の代わりに営業のフォローをし、新人の面倒をみて、秘書の代わりに社長のチケットをとる。


当たり前にできる人がはまってしまう地獄


女性でこういう立場に追い込まれて、体壊した人多いよな。私が引き受けないと、会社が大変なことになるからと、責任感で引き受けて、引き受けて、とりあえず残業だけが増えていく。しかし、それは、あなた、要領がよくないと世の中渡っていけないから、自己責任ですよってオチになるのが、今の風潮なんだろうね。バブル期のころの金でほっぺた引っぱたかれる感じが懐かしいとは思わないが、じゃあ、滅私奉公した分金くれよ。誰も彼もが自分勝手なんじゃ、美しくないよ。

そんなことを思いながら、ドラマ見ているから、いくらたっても消化できないw

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2018-11-23 ローマは一日にして成らず

広げよう、世界を

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なんていうか、ここ半年ぐらい、世界から人を呼びたいのか、排除したいのか、わからないよね、この国は。

っていうようなニュースが多くて、辟易している。

でもって、このローマ帝国と中世の違いについてのつぶやきが目に留まったわけだ。

安全な移動や生活が保証され、言論の自由があり、法治が行き届いた社会ならば、人も集まり、自然と発展していく。

その状況をメンテナンスすればいいんだけど。

それがそもそも難しいという話はあるが、政策の方向は、ローマの時代から見えていると思うんだ。

ところが、ここ最近、夏の暑さ対策でサマータイム導入や消費税軽減のためのポイント5%還元とか、思い付きにしても、レベルが低過ぎる政策案が出てくるのは、なんなんだろう。

やばいなぁ。

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