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2008-12-02

ヴォーリズに集まった兄弟たち (続) 伴 武澄

 近江兄弟社の英語表示は「Ohmi Brotherhood」である。学園の場合はその後に「Schools」が付く。「Brotherhood」の日本語訳には「友愛」もある。鳩山由紀夫氏は民主党の代表となった際に「友愛」と言った。初めて聞いた時は「軟弱」と感じた。明治天皇は御製の歌で「四海同胞」とうたった。「Brotherhood」の意味を込めたものと考えているが、こちらの方がしっくりくる。

 「兄弟」はどうだろうか。悪くない。「兄弟仁義」などという言葉もあるが、これは強すぎるかもしれない。「Brotherhood」はもともとが修道院での集団生活から生まれたはずである。「助け合い」「互助」「共済」などの意味も含まれる。昔の日本でいえば「講」や「惣」といった概念がこれにあたるのかもしれない。

 一方、「社」はどうだろうか。会社の「社」も本来は同源であろうが、坂本竜馬長崎に設立した「亀山社中」の「社」はミッションを持つという意味合いで、まさに「兄弟社」に通じるものがある。「社」は「やしろ」である。神社は神々が集う「空間」や「場」の意味。

 日本にはかつて「若衆宿」が各地にあった。特に漁村に多かった。15歳、つまり一人前になった証拠に「フンドシ」が与えられ、親元を離れて集団生活をした。若衆宿での生活は結婚するまで続く。十代後半から二十代前半の若者がいわば「自治組織」をつくり、世代間の結束を固めるのだ。

 意味を知らないと「近江兄弟社」ってなんだ、と考えがちだが、考えれば考えるほどいい響きに聞こえてくる。賀川豊彦のミッションに共感を持つ人々が11月28日、近江八幡に集ったこと、そのことが「近江兄弟社」なのだと一人合点した。

 近江兄弟社はいまは、「財団」「学園」「株式会社」に分かれているが、戦後になって行政が縦割りにしただけで、本来は一体的に運営すべき「団体」なのである。きのう12月1日から公益法人の新制度が始まった。近江兄弟社が設立された経緯を考えると、現在の公益法人の在り方が矛盾に満ちたものに見えて来るのだった。

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