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Think Kagawa 賀川豊彦を考える RSSフィード

2009-03-11

グラミン銀行が提起する新しい方向 ユヌス氏 in Kobe(2)

 多国籍企業がわれわれの活動に理解を示し、実際に合弁を組むようになって世界はようやくソーシャルビジネスに注目してくれるようになった。グラミン・グループは数年来、フランスダノンと食品会社を経営している。最初にかわした契約には利益を取らないことがうたわれた。もちろん投資は回収できる。栄養不足の子どもたちのために安価だが栄養価の高いヨーグルトを製造販売している。貧しい人たちも買える価格帯である。このヨーグルトを週2回食べると健康体になる。会社の目的は子どもたちの健康維持である。

 最大利益というメガネを外してソーシャルビジネスのメガネをかけると世界が変わって見えるはずだ。たとえばヨーグルトづくりでダノンとこんなやりとりがあった。

ヨーグルトの中身がよければ容器はどうでもいい」
「いやプラスチックの容器では環境によくない」
「われわれは世界中でこうやってきた」
ソーシャルビジネスでやるには容器もバイオ系であることが不可欠」
「そんなもの使ったことがない」

 3カ月経って彼らが笑顔で帰ってきた。中国で見つけたというのだ。
コーンスターチの容器だ」
「それは食べられるのか。貧しい子どもたちがお金を払っているのに」
「・・・・・・」
「アイスクリームはコーンも食べられるじゃないか」

 われわれが指摘したのは、ダノンが世界中に多くの技術者を抱えている事実だ。ここへ来る前にこの話をしてきたばかりだ。「食べられるカップをつくってくれ」と。

  Grameen-Veolia Waterはフランスのヴィオリアとの合弁企業で、安全な水を販売している。バングラデシュでは飲料水の問題がある。人口の2分の1が安全な水を飲んでいないのだ。この問題を解決するため、われわれはヴィオリアとソーシャルビジネスを組んだ。1リットル=1ドルではだめ。現在、村々で4リットル=1セントで供給できるようになった。町では相変わらず1リットルー1ドルで売っている。

 ドイツのBASFとはBASFGrameenをつくった。栄養補給食品、サプリメント安価で提供したいと考えている。フォルクスワーゲンのCEOと話した際には「村人のためのビークル」を考えて欲しいと要請した。エンジンを車体から外して潅漑用のポンプの動力となったり、雨期にはボートに取り付けられる。バングラデシュはそんなマルチパーパス車を求めているのだ。

 アディダスとの話し合いでは「靴をはかないで家を出る人はいない」というミッションで合意した。1ドル以下の靴をつくったらどうかと提案している。この事業は2010年にヨハネスブルグで始まる予定だ。

 多国籍企業は膨大な技術的蓄積を持っている。ほとんどすべての問題を解決する能力をもっているのにそうしないのは「利益の最大限」というたった一つのコンセプトしか持っていないからなのだ。環境や貧困に対処することは逆に知識を増大させることにつながるはずだとわれわれは考えている。つまり双方向に利益となるのだ。

 若者は目標がないといわれる。50年前、社会主義がわれわれを魅了したが、その夢はいまなくなった。夢がなくなると挑戦をしなくなる。ソーシャルビジネスを話題にすればエキサイティングな会話が広がるはずだ。どういう問題があって、どうやったら解決できるかを考えるのだ。

 2008年は金融だけでなく、食糧の危機であり、エネルギーの危機だった。そして環境の危機でもあった。バングラデシュ環境問題で危機の最前線にいる。平たんな国土が水没する危険があるのだ。
 

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