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2009-03-21

有田一彦さんの『空中征服』

 有田一彦さんのブログ「ARecoNote」に『空中征服』の読後感が出ている。多分この手の感想文は小生のものの他見たことがない。非常におもしろいので前段部分を紹介したい。その続きはぜひ有田さんのブログで楽しんで下さい。

 賀川豊彦著 改造社 1922年(大正11)12月13日発行

 著者の業績は私が説明するまでもありません。この本は大阪の煤煙公害をネタにしたドタバタ小説です。約1世紀前の古い本ですが、公害問題とそれを取り巻く人間模様、役所の腐敗とその対応策への鋭い洞察など、いろいろと勉強になりました。星新一さんや筒井康隆さんの原点みたいな内容といって良いかも。…

 舞台は大阪市。市長になった賀川豊彦が、大阪の町と住民を苦しめているばい煙公害に挑むという筋立てです。工場から出る煙で呼吸器系を痛め苦しみ亡くなっていく人々の姿を前に、賀川市長は煙突廃止の提案を議会で打ち上げます。要するに、石炭を燃やすような工場生産ではなく、電気を使ったものに転換し、大気汚染を解決しようというもの。いくら電気でも、それを作る時の汚染や廃棄物についてはどうするの?という突っ込みはまぁ横に置き、当時の大気汚染についての著者の怒りみたいものを感じます。

 ところが、工場経営者やその利権の代理人である議員らは市長の提案をはいそうですかと認めるわけにはいきません。彼らは怒りまくり、議事を妨害したり、市長を闇夜で襲ったり、何とか市長の動きを止めようとやっきになって対抗します。市長の議会説明の中に、ヒトの命の価値を計算する下りがありますが、昔のほうがよっぽどストレートな議論をしていたのかもしれません。

 また、大気汚染の解決に努める市長は、大阪市職員のサボタージュが世の中を台無しにしていることにも気づき、全職員を解雇して!、女性だけの「市行政請負制」という快挙も進めます。賀川の主張では男性中心の社会や役所が問題を歪ませているからというのですが、当時の人権運動を背景にしたのか、それとも皮肉ったのか。

 本の最後はあっけないもので、市の職員や利権派のクーデターで市長は捕らえられ磔で惨殺。煙公害の解決も女性の社会進出も何もかも砕けちってしまいます。そして、最後の最後で、本の内容が賀川の夢であることが明らかにされてジ・エンド。アダムとエバ(イブ)や太閤さん、大潮平八郎などが登場して、大阪市議会で演説をぶったり、荒唐無稽な内容となっているため、ドライなブラックコメディのような感じに仕上がっています。(続きを読む
 Yorozubampo 空中征服 伴 武澄

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