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Think Kagawa 賀川豊彦を考える RSSフィード

2009-06-15

『友愛の政治経済学』日本語訳が待望の出版

 6月15日、賀川豊彦が世界に向けて出版した『Brotherhood Economics』が『友愛の政治経済学』としてコープ出版から上梓された。約70年前、世界大恐慌を受けて世界17カ国語で出版された著作だが、日本語訳は初めて。4月にはハングル語版も出版されており、日本語版は19カ国語目の刊行となる。

 1936年に賀川がニューヨーク州ロチェスター大学ラウシェンブッシュ講座で講演した内容は、ニューヨークのハーパー社から『Brotherhood Economics』として直ちに刊行された。発売前に3000部もの予約が入るなどまさに「センセーションを巻き起こした」(野尻武敏神戸大学名誉教授)著作だったという。

 賀川は、資本主義経済が暴走したあげく起きた経済危機に対して、暴力革命を是とする社会主義ではなく、キリスト教の兄弟愛に基づく協同組合の出番であることを強調。生産から流通、消費に到るまで協同組合によって経済を建て直し、持てる者と持たざる者とが助け合う世界を構築すれば、戦争も自ずからなくなるという持論を展開している。

 圧巻は地球規模の協同組合銀行の設立や貿易会議など戦後の世銀・IMF関税貿易一般協定(ガット)を予見する構想を打ち出していることである。また戦争撲滅のための世界連邦設立の必要性についても言及している。

 賀川の友愛経済は、キリスト教の修道院や中生のギルド制における「互助精神」を再評価するものだが、単なる組織論ではなく組織運営にあたり「愛」が不可欠であることを強調しているのが特徴。また協同組合が生み出した利潤の分配について、ロッチデールの精神である「購買高」に応じることや教育・福祉など地域への還元が必要であることをあらためて指摘している。(伴 武澄)

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