2010-02-03
シンポ「賢くてあったかい おカネのまわしかた」パルシステムセカンドリーグ支援室
私たちの思いをかなえる
おカネをまわす仕組みをつくりませんか
私たちパルシステム生活協同組合連合会が3年前から本誌『のんびる』を発行してきた目的は、一にも二にも、地方や都市の崩壊する地域を活性化するお手伝いをしたいということでした。 地域の中で活動しているNPOなどの諸団体が財政的に苦しい、活動が継続できないと悩んでいます・・・。
そこで私たちは、パルシステムのもつ協同の力で、こうした組織や人々が持続的に活動できる仕組みをつくれないか、と考えています。ここで参考になるのが、本特集で紹介してきた賀川豊彦です。
一緒に、あたたかい志が集まる「ファンド」をつくり、そこへみんなで出資をする。お金を出せない人はボランティアの活動で応援する。生協自身がこのカネを運用するのは難しいので、そこに信頼できるもう一つの協同組合などの金融機関に関わってもらう。そうして地域のセカンドリーグやNPOを応援するという仕組みです。
その第一歩として、こうした私たちの考えをみんなで議論するシンポジウムを開催します。皆様の参加を心よりお待ちします。
■■シンポジュウムご案内■■
生協の父、賀川豊彦に学ぶ
賢くてあったかい おカネのまわしかた
【日時】3月6日(土)14:00〜17:00 (交流会18:00〜)
【場所】明治学院大学1201号室階段教室
最寄り駅:東京メトロ南北線白金台駅より徒歩5分
【主催】パルシステムセカンドリーグ支援室
賀川豊彦献身100年記念実行委員会
【後援】日本生活協同組合連合会東京都連
【参加費】『のんびる』読者は無料、その他の方は500円
※当日でも読者申し込み受け付けます。
※交流会については別途2,000円
【申し込み】パルシステムセカンドリーグ支援室
TEL:03−5976−6246
FAX:03−3947−5364
eメール:machi-jigyou@pal.or.jp
2009-12-25
鳥飼牧師が第1回賀川賞(個人)を受賞
神戸市長田区で「番町出会いの家」という日本で一番小さい教会を維持してきた鳥飼慶陽牧師。栄えある第1回賀川賞を受賞した。在家の牧師として、働きながら地域に貢献してきた。21年前に賀川豊彦の評伝「賀川豊彦と現代」を出版したときの共同通信の「時のひと」を掲載したい。
社会運動家賀川豊彦の評伝を出版した牧師鳥飼慶陽
【1988年07月08日共同通信配信の時の人】
明治末期に救援・伝道活動のため、肺結核の身で神戸のスラム街に飛び込んだ社会運動家賀川豊彦の評伝「賀川豊彦と現代」を出版した。
「賀川は労働運動を指導しただけじゃない。今の生協、農協などの基礎になる考え方も広めた。戦前に著書が世界十三カ国で翻訳されたスケールの大きな人だ。あまり知られていない生涯や思想を分かりやすく伝え、現代人が忘れている愛と寛容の精神を知ってもらいたい」。誠実な人柄そのままの、丁寧な文体で賀川をよみがえらせた。
賀川豊彦生誕百年の今年は、賀川の自伝小説を映画化した「死線を越えて」(国広富之主演)の上映会が東京で始まり、七、八月を中心に、東京、神戸などで講演会、記念行事が続く。
「記念事業は、とかく偉業だけが強調されがち。評伝は持ち上げるのではなく、さまざまな文献、資料を使って、当時の時代状況とともに賀川の生きざまを描きたかった」というだけあってなかなかの野心作。賀川の二十一歳のスラム入りから、川崎・三菱造船所での労働争議の指導。関東大震災の被害者救済のため東京へ移り住むまで、神戸で過ごした約十四年間を中心にエピソードを交えてたどっている。
賀川の存在を知ったのは約三十年前の鳥取・倉吉東高時代。友人に誘われて通うようになった教会で賀川の伝記に触れ「将来は農村の小さな教会の牧師になろう」と決意。同志社大学神学部を経て日本キリスト教団牧師に。
昭和四十三年に神戸のゴム工場街へ移住。”働く牧師”として五年間、工場で汗を流し、貧しさに苦しんでいる人とともに生きた経験も。それだけに話には説教臭さがなく、尽きない魅力の持ち主と評判。
神学生同士で知り合った妻トモ子さん(48=当時)と娘の三人暮らし。四十八歳(当時)。鳥取県関金町出身。 (共同通信社 1988年07月08日)
【写真】2009年12月22日、ポートピアホールで賀川賞を受け取る鳥飼慶陽さん
【著作】『部落解放の基調―宗教と部落問題』(創言社、1985/11)
『部落問題の解決と賀川豊彦』(創言社、1985/11)
『賀川豊彦と現代』(兵庫部落問題研究所、1988/05)
『「対話の時代」のはじまり宗教・人権・部落問題
=ヒューマンブックレット28』(兵庫部落問題研究所、1997/02)
『賀川豊彦再発見―宗教と部落問題』(創言社、2002/11)
『賀川豊彦の贈りもの』(創言社、2007/05)
2009-12-24
第1回賀川賞受賞7団体、8個人
12月22日の記念式典では、第1回賀川賞の授賞式が行われた。献身100年事業に参画した団体、個人を対象に「賀川豊彦はいますか」を推薦を求めた結果、7団体、8人が栄誉ある受賞者となった。
バレンタイン・チャリティ(代表 森田真央=推薦団体:共栄火災会場保険株式会社) 共栄火災海上では、女性社員有志が1993年から全社員を対象に「義理チョコをあげたつもり、もらったつもり“バレンタイン¥チャリティ募金”を毎年行っています。職場でなかば儀礼的となっているバレンタインデーの義理チョコとホワイトデーのお返しを、もっと有意義な目的に使えないかと知恵を絞り、1口500円をチャリティとして募金してもらう活動です。2009年2月の活動ではマッチングギフト(会社からの支援)と合わせて225万円、17年間の累計では2300万円が集まりました。NGO団体を通じて、西アフリカ最貧国の自立を促すための植林費用や水田づくりの費用、医薬品購入費用として贈っています。
【写真】賀川賞を受け取る共栄火災海上の森田真央さん
クリスマス・チャリティ(代表 宇高順子=推薦団体:共栄火災海上株式会社) 共栄火災海上では、有志社員の家庭で不要となった衣類や薬、文房具や玩具などを、1993年からNGO団体を通じて西アフリカ、マリ共和国の難民キャンプに贈っています。毎年、全国の社員からたくさんの物品が本社に寄せられます。チャリティ最終日には社長以下、役員、社員が西アフリカに輸送するための仕分け、梱包作業に参加しています。クリスマス時期に合わせて、今まで11万点以上の物品、段ボール箱3600個を送付しました。その輸送費880万円も募金によってまかなわれています。
もちの木(代表 矢倉辰世=推薦団体:尼崎医療生活協同組合) もちの木は、23年間にわたり、病院、老人保健施設、デイサービスなどで、ボランティア活動を行ってきたグループです。散発、散歩、障がい児教室のおやつづくり、お茶のパック詰め、誕生カードづくり、話し相手、おしぼりたたみ、車いす修理などの活動及び、平和バザー、阪神代診大義援金バザーなどに取り組んできました。多く尾患者さん利用者さんのために、23年という長い間、献身的に活動を継続しています。
神戸助け合いネットワーク(代表 在里俊一=推薦団体:日本労働組合連合会兵庫県連合会)NPO神戸助け合いネットワークは、高齢者や障がい者などといった、地域で手助けを必要としている人たちへのサポートをしています。食事の用意に不便を感じている人たちへの給食サービスや、外出が困難な人たちへの移送サービス、自転車修理、家の補修、庭の手入れなどのお手伝いサービスをはじめ、リサイクルバザーや環境フォーラムなどのイベント開催やそのお手伝いが主な活動です。てんぷら油の回収と燃料としての再生、学童見回りのための「学童交番」、高齢者交流のための「ふれあい喫茶」などにも取り組んでいます。
愛隣館研修センター(代表 平田義=推薦団体:社会福祉法人イエス団)1979年に地域の隣保館的使節として誕生し、その後、障がいを持つ人たちや家族のニーズに応えるために、事業の幅を広げてきました。障がいを持つ人たちが、養護学校の卒業後などに行き場がなくなっても、地域で安心して豊かに暮らしていける場づくりをしています。特に、2002年に誕生した重症心身障がい者通所事業「シサム」は、痰の吸引など医療的ケアが必要な人々なども安心して利用できる事業として出発し、当初は制度による支援がありませんでしたが、関係機関への働きかけにより、行政を動かすという先駆的な役割を果たしました。
グループわ(代表 加藤勇治=推薦団体:社会福祉法人イエス団)特定非営利活動法人(NPO法人)社会還元センター「グループわ」は、神戸市中央区で初めて開設された特別養護老人ホーム真愛ホームに、1998年4月から11年間絶えることなくボランティアとして訪問しています。年間延べ120名余の人々が、利用者の入浴後の整容をはじめ、夏祭りや花見の利用者の付き添いなど、幅広く活動を展開しています。
川西リーダー隊(代表 新稲佳久=推薦団体:コープこうべ)川西リーダー隊は、川西市の青少年を子ども会リーダーに育成することを目的に、1973年の発隊以来、独自の活動と子ども会活動の支援を行っています。少子化の影響で隊員数は減少しましたが、ここ数年、子ども世代のリーダーが誕生するなど、地域への長年の実を結んでいます。
岩山利久(推薦団体:コープこうべ)コープこうべに所属し、毎日忙しい業務に取り組んでいるにもかかわらず、尼崎市スポーツ少年団に属する武庫川野球チームのコーチを12年間務めています。日本の将来を担う少年たちを育成するために、長年にわたり、熱意と愛情を持って励んできました。
中山正樹(推薦団体:コープこうべ)小学6年生(1973年)で入隊した「川西リーダー隊スポーツ少年団」において、1977年よりリーダー育成並びに子供会指導を続け、1990〜1997年同隊の隊長を経て、現在相談役として後輩指導者のサポートをしています。また、「川西市スポーツ少年団」及び「兵庫県スポーツ少年団指導者協議会」の重職を歴任し、地域の青少年活動の活性化に協力してきました。
西山美香(推薦団体:コープこうべ)浜脇小学校の図書ボランティアは、2000年から図書室の整理から活動を開始し、大型紙芝居を手づくりして読み聞かせを行っています。小学校の朝の読書時間に各教室訪問したり、図書館・視聴覚室での毎月のお話会、地域の人形芝居館など、その活動は広範囲に及びます。子どもたちの成長に合わせて、中学校でも活動。常に子どもの目線から、より良い読書環境づくりに力を入れています。2003年から参加。昨年は毎月1回開催の子育てひろばの小学生グループの代表を務めました。
市橋純子(推薦団体:コープこうべ)浜脇小学校の図書ボランティアは、2000年から図書室の整理から活動を開始し、大型紙芝居を手づくりして読み聞かせを行っています。小学校の朝の読書時間に各教室訪問したり、図書館・視聴覚室での毎月のお話会、地域の人形芝居館など、その活動は広範囲に及びます。子どもたちの成長に合わせて、中学校でも活動。常に子どもの目線から、より良い読書環境づくりに力を入れています。2000年の開始当初から参加。昨年は毎月1回開催の子育てひろばの年長さんグループの代表を務めました。
鳥養弘一(推薦団体:社会福祉法人イエス団)歯科医院のない香川県の豊島にある乳児院、豊島神愛館において、1988年から毎年ボランティアで子どもたちの歯科検診を行っています。
宮元牧子(推薦団体:日本基督教団イエス団教会)賀川記念館の職員として長く勤務して、隣人愛の精神を地域の場で継承してきました。平和運動や女性の自立や地位向上のために積極的に活動しています。この間セツルメント事業として地域の人々との人間関係構築に寄与するとともに、記念館ボランティアの育成にも貢献し、今も記念館ボランティアOB・OGの事務を担っています。また地域では「ふれあいのまちづくり協議会」の事務局、高齢者の給食サービス事業、在日韓国朝鮮人の識字学級である「オモニハッキョ事業」、障害者自立支援事業、NPO法人の事務局など、多岐にわたって活動しています。
鳥飼慶陽(推薦団体:社会福祉法人イエス団)同志社大学大学院進学研究修士課程を修了後、日本キリスト教団仁保教会及び神戸イエス団教会牧師を経て、ゴム工場に就職し工員として働きながら、家の教会「番町出会いの家」を開設。神戸市社会課嘱託や(社)兵庫県部落問題研究所事務局長を長年務めました。また、『賀川豊彦再発見』『賀川豊彦の贈りもの』など書籍を出版しています。
2009-12-21
パワフルな270歳、3賢人鼎談
ポートピアホールでの記念式典では、日野原重明先生の講演に引き続き、今井鎮雄神戸プロジェクト実行委員長、野尻武敏神戸大学名誉教授を加えた鼎談「賀川豊彦の何を継承し発展させるか」が始まった。
85歳の野尻先生が「最若手の僕から」と話し始めると会場は大爆笑。日野原98歳、今井89歳。三人の年齢を合計すると272歳。鼎談の年齢合計ではギネスブック入りは確実。人類史上たぶんかつてない3人のパワフルな鼎談となった。272年前はアメリカ合衆国もフランス革命もまだ起きていない。人類は電気はおろか蒸気機関も持っていない。そう考えるとすごい年輪を遷しだす鼎談だったのだ。
今井さんが「賀川の『愛の行動』をわれわれがどう取るのかが問われている」と問題提起し、野尻先生は「心の通い合い、つまり愛を広げることが日本のため、世界のために大切だ」と応じた。
3人ともそれぞれが論客で、話し出すと止まらない。1時間の鼎談がどのように展開するのか関心がもたれた。
日野原先生が講演で話した「賀川は米国留学でリベラル・アーツ(一般教養)を教わったことが、その後の多面的な活動に大きく影響した」という話が印象的だった。本来、学問はリベラル・アーツが基礎にあって、社会科学や自然科学のそれぞれの分野が研究されなければならないのに、日本ではリベラル・アーツ抜きで専門分野に入っていくため、研究対象に深みが生まれない。
このところ注目を集めている公共哲学もリベラル・アーツに近い学問領域で、歴史的に学問が哲学から細分化される以前の領域の広さと深さを求めているといえるのではないか。
3人の鼎談は医療から経済に至る幅広い話題が提供され、いま賀川の哲学や行動が見直され、新たな発展を迎えるときが来ているのだと感じさせる充実した時空間を提供していただいた。3人の賢人に感謝したい。(伴 武澄)
【写真】上から今井鎮雄氏、日野原重明氏、野尻武敏氏

2009-12-20
記念式典で日野原重明先生が講演
賀川豊彦献身100年記念事業神戸プロジェクトは22日、神戸市のポートピアホールで記念講演会を開催し、聖路加国際病院の日野原重明先生が「賀川豊彦献身100年を機に、いま私たちにできること」と題して講演し、1700人収容のホールがほぼ満員となった。
日野原先生は賀川豊彦の臨終にも立ち会った経験や父親と賀川との交流などについて、独特の語り口で話し、聴衆を魅了した。先生は満98歳、広い舞台を身振りを交えながら所狭しと歩き、「賀川は正義を唱えるだけでなく、それを実行する勇気を持っていた。その中で賀川ができなかったことを考えて私たちは行動しなければならない」と話した。
賀川豊彦献身100年は、東京、神戸、徳島を中心に賀川の思想や行動を顕彰するシンポジウム、映画上映会、講演会、パネル展、出版事業など多彩なプログラムを全国各地で展開した。この日の記念講演会はこの1年を総括する記念式典も兼ねていた。(続)
記念式典式次第
ごあいさつ 今井鎮雄 賀川豊彦献身100年記念事業神戸プロジェクト実行委員長
祝 辞 井戸敏三 兵庫県知事
祝 辞 矢田立郎 神戸市長
スライド 「賀川豊彦献身100年記念事業のおゆみ」
記念講演 「賀川豊彦献身100年を機に、いま私たちにできること」
日野原重明 聖路加国際病院名誉院長 理事長
鼎 談 「賀川豊彦の何を継承し発展させるか」
日野原重明 聖路加国際病院名誉院長 理事長
野尻武敏 神戸大学名誉教授
今井鎮雄 賀川豊彦献身100年記念事業神戸プロジェクト実行委員長
贈呈式 第1回賀川賞
スライド 「明日へ」

