AKB48のブランド戦略2「AKB48選抜総選挙」

AKB48のブランド戦略2「AKB48選抜総選挙」≫


  1. 発売直後のタイミングで、注文が殺到し、売り上げが立つ
  2. ランキング上位のモノは飛躍的に露出が高まり、新たなファンに興味を抱かせる機会を得る
  3. ブランディング初期〜中期では主力(サービス、商品)に戦力を集中投入して、ブランドを築きあげるべき



2006年にメジャーデビュー後、5年目にして新曲「Beginner」「ヘビーローテーション」がオリコンCD売上ランキング2010の1、2位独占という記録を達成した、AKB48。

彼女たちがここまで成長することになったブランド戦略の一つ「推しメン」については、http://d.hatena.ne.jp/kagiroi-nishiura/20110223/1298472497
でご紹介しました。

今回は「AKB48選抜総選挙」という、もう一つの事例をご紹介します。


KB48には「選抜」と呼ばれるメンバーがいます。

AKB48は100人を超す大所帯のアイドルグループであるため、全員がCDの曲を歌えるわけではありません。
よって、毎回「選抜」と呼ばれる20名前後のメンバーが選出され、CDのPVに出演します。
さらに上位10名前後は「メディア組」と呼ばれ、雑誌に載ったり、TVに出演したりと露出が増えることになります。

となると自分の「推しメン」に選抜入りしてほしいのがファン心理ですが、
選抜はプロデューサーの秋元康さんや、運営側の意思によって決定されるため、
自分の推しメンが必ず選抜入りするわけでもありません。

そこで「年に1度、選抜を純粋なファン投票で決めようじゃないか」というのが、
「AKB48選抜総選挙」というシステムなのです。



常の選挙であれば、ファン一人につき、投票権は1票なのでしょうが、
「AKB48選抜総選挙」においては「CD1枚購入につき、1票」です。

自分の推しメンを上位に入れる為、同じCDを20枚以上も買うファンがいますが、
けして珍しい話ではありません。
なぜならファンの力というのは前述(≪ファンがセルフブランドにもたらすもの≫http://d.hatena.ne.jp/kagiroi-nishiura/20110218/1298040662
のように「ヘビーユーザー化」や「高額商品購入」といった面にあるからです。


選挙券は初回限定版にのみ同梱されていますし、選抜総選挙のタイミングに合わせて皆予約注文するので、
発売直後のタイミングで、注文が殺到し、売り上げが立ちます。

となれば、当然ウイークリーランキングで1位に躍り出て、
その結果が各ニュースサイト等に出回ります。

日本のメディアはランキング社会ですから、
ランキング上位のモノは飛躍的に露出が高まり、新たなファンに興味を抱かせる機会を得ます。

こうしてAKB48は5年という期間で、「オリコンCD売上ランキング2010」の1、2位独占という記録を達成したのです。


ちなみに、かつて今ほどの知名度が無く、「選抜総選挙」も成立しないほどのファンしかいなかった時代、
秋元康プロデューサーは「メディア選抜の固定化」による認知度アップ戦略をとられていました。

それが不動のエースとして全CDに選抜入りした「前田敦子」さんをはじめとする、現在の主力メンバー達です。

ブランディング初期〜中期では主力(サービス、商品)に戦力を集中投入して、ブランドを築きあげるべきなのです。
これはあらゆる個人・法人のブランド戦略にもあてはまります。


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  1. 発売直後のタイミングで、注文が殺到し、売り上げが立つ
  2. ランキング上位のモノは飛躍的に露出が高まり、新たなファンに興味を抱かせる機会を得る
  3. ブランディング初期〜中期では主力(サービス、商品)に戦力を集中投入して、ブランドを築きあげるべき