週刊 奥の院 第88号+1の1

追悼

山口瞳 中野朗編 『追悼』(上・下) 論創社 各2600円+税 
 上下揃いました。
 上巻の帯から。
 

褒めるだけでは本当の追悼にならない。 川端康成の死を哀惜し、山本周五郎の死に涙し、三島由紀夫の死に疑問を投げ、梶山季之の死を無念がり、向田邦子の死に言葉を失う。

 
「褒めるだけでは〜」の言葉は、下巻の「ウヘホムフイテ」(坂本九を偲ぶ永六輔の追悼文を引く)に出てくる。
 永が坂本に出会った頃のこと。「上を向いて歩こう」、坂本の節廻しが「不愉快」で、ヒットして「この少年に対する拒否反応が芽生えはじめた」と書いている。
 山口はこう書く。
 

人間には長所と短所があり、その短所を書かなければ、故人の全体としての人間像が浮かびあがってこない。すなわち、本当の追悼文にはならない。・・・・・・故人の短所や欠点を書くときは胸が痛む。とても辛い仕事だ。永さんの痛みが伝わってくる。そうでなければ駄目だ。

 上下、計154本の追悼文。

■ご案内 海文堂年末年始の休みと営業時間のお知らせ。
 12月31日 10:30〜17:00
 1月1日・2日 休業
 1月3日 平常どおり営業 10:30〜19:00
 よろしくお願いいたします。
(平野)

週刊 奥の院 第88号+1の1

山口瞳 中野朗編 『追悼』(上・下) 論創社 各2600円+税 
 上下揃いました。
 上巻の帯から。
 

褒めるだけでは本当の追悼にならない。 川端康成の死を哀惜し、山本周五郎の死に涙し、三島由紀夫の死に疑問を投げ、梶山季之の死を無念がり、向田邦子の死に言葉を失う。

 
「褒めるだけでは〜」の言葉は、下巻の「ウヘホムフイテ」(坂本九を偲ぶ永六輔の追悼文を引く)に出てくる。
 永が坂本に出会った頃のこと。「上を向いて歩こう」、坂本の節廻しが「不愉快」で、ヒットして「この少年に対する拒否反応が芽生えはじめた」と書いている。
 山口はこう書く。
 

人間には長所と短所があり、その短所を書かなければ、故人の全体としての人間像が浮かびあがってこない。すなわち、本当の追悼文にはならない。・・・・・・故人の短所や欠点を書くときは胸が痛む。とても辛い仕事だ。永さんの痛みが伝わってくる。そうでなければ駄目だ。

 上下、計154本の追悼文。

■ご案内 海文堂年末年始の休みと営業時間のお知らせ。
 12月31日 10:30〜17:00
 1月1日・2日 休業
 1月3日 平常どおり営業 10:30〜19:00
 よろしくお願いいたします。
(平野)