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Something Orange このページをアンテナに追加

2007-08-21(火)

 『アイシールド21』がバトル漫画になった理由。


 以下の文章は『アイシールド21』連載ぶんのネタバレを含みます。単行本派は注意。

タイトルどおりですが…さすがにこれは引いた。なにこの残酷物語。スポーツに怪我は付き物とはいえ、そういう次元の故障の仕方じゃない…こんな形で彼が破壊される必要はあったのか?マンガのキャラクターとはいえ、一人の血の通った人間だと思って僕は読んでいる。キッドというこれまで長期にわたって登場してきたキャラクターが何故こんな目にあうのか…。そのシーンの描写が過剰にグロテスクだったこともあって、納得出来なさを感じた。

 いや、あれはないよね。

 未読の方のために説明しておくと、現在、『アイシル』は関東大会の準決勝。西部ワイルドガンマンズ対白愁ダイナソーズ戦である。

 西部の選手「早撃ち」キッドが得意技を見せ西部優勢で試合を進めるも、白秋の峨王の突撃によって骨折、ああやっぱりね、と読者がうなずくところで次週に続いている*1

 作中の描写を見る限り全治6ヶ月くらいに見えるんだけれど、漫画だから根性でプレイしたりするかも。そこは来週になってみないとわかりませんが、いずれにしろ大怪我したことは間違いない。

 白秋は過去の試合でも対戦相手をことごとく再起不能にして勝ち進んでいるというとんでもないチームなので、ある意味、予定調和ではある。

 しかし、こんなことが許されるならそもそもアメリカンフットボールなんてスポーツは成り立たない気もする。

 アメフトはいろいろな球技のなかでもとくに身体接触の多いスポーツなので、試合中に骨折したりすることは現実に良くあるらしい。それ自体はまあ、仕方がない。

 でも、この場合、あきらかに怪我させることを狙って攻めてきているわけで、いくら漫画とはいえ、さすがに後味が悪い。いつからアメフトは相手を全滅させると勝ちというルールになったんだよ。

 仮に白秋がこのまま相手の選手を片端から叩き潰してクリスマスボウルを制覇したとしても、だれも尊敬してくれないんじゃないかな。峨王はアメフトやめて相撲とかやったほうがいいと思うよ。

 それまで一応は現実のアメフトを尊重して展開してきた『アイシル』が、ここに来てこういう展開になってしまったのは、やっぱり一種のインフレ現象なのだろうと思う。

 関東大会一回戦で、主人公たちの泥門デビルバッツは、「100年にひとりの天才」阿含を破った。普通に考えれば、その時点でもう優勝は決定したようなものだと思うが、そこは少年ジャンプ、そう簡単には話が終わらない。

 デビルバッツはその後、準決勝で「努力する天才」進を擁する王城ホワイトナイツと対戦するのである。阿含はただの天才だが進は努力する天才、だから進のほうが手ごわい、という理屈だ。

 その「努力する天才」を倒してしまったら、今度こそあとはなさそうなものだが、そこで前述の峨王と白秋ダイナソーズが立ちふさがる。どんなに才能があっても力ずくで骨を折ってしまえばおしまいだ、というわけ。

 一応、理屈は通っている。通っているが――こんなことで勝ち進めるなら、何のために技術を磨いているのかわからないよなあ。

 このままでは『アイシル』がただのバトル漫画なってしまう! そこで、ぼくは峨王のキャラを立てるため、以下のような展開を提案したい。

 決勝の対泥門戦クライマックスで、峨王には実はこんな過去があることがあきらかになるのだ。

 その昔、峨王はもっと堅実にプレイする一選手だった。しかし、あるとき、その有り余る腕力によって、相手の選手を負傷させ、退場に追い込んでしまう。

 その選手はたまたま相手チームのエース! そしてエースを欠いた相手に峨王のチームは逆転勝利するのだった。そのときから峨王は相手を負傷させることをいとわなくなる。峨王には勝利より優先するものはなかったから。

 しかし、そんな峨王はいつのまにかこう呼ばれるようになっていたのだった。「エースキラー峨王」。ところが、峨王が怪我をさせてもデビルバッツは怯まない。そこで峨王はしだいに自分にうしろめたさを感じるようになっていく。

 そしてクライマックスに峨王の恩師が登場し、かれにこう尋ねるのだ。峨王、アメフトは好きか?

 何となくパクリくさいが気にしないでくれ。ほんの、ケアレスミスである。よくあることだ。

アイシールド21 25 (ジャンプコミックス)

アイシールド21 25 (ジャンプコミックス)

*1:キッドの死亡フラグ立ちまくりだったのである。