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Something Orange このページをアンテナに追加

2007-10-04(木)

 「搾取しているラスボスがどこかにいるわけじゃない」


 たぶん、「たけくまメモ」辺りが皮切りだと思うんですけど、アニメ製作の途中で「中抜き」が行われて、製作スタッフのもとにお金がとどかない、という話があちこちで議論されています。

 よく聞くことですけれど、ぼくは素人なので、何ともいえません。さすがにそれじゃ現場が可哀想だから、何とかならないかな、と素朴に思うくらいですね。

 いろいろともっともらしい「真相」や「現場からの情報」は見かけるのだけれど、さて、どれが真実でどれがデマなのやら。迂闊に信用するとばかを見そう。

 とはいえ、プロの意見なら参考になるはず、ということで、『攻殻機動隊』『精霊の守り人』の神山健治監督のインタビューから引用しておきます。

でね、僕も一応一個人として、これまで企画を提出するという経過の中で、いったい何処までがインチキで何処まで行けば倒すべき相手なのかを結構見たんですよ。最初はね、「現場の演出が悪いんじゃないか?」「いやいや、どうも演出はこっち側だ」と。「じゃぁ監督だろう。監督が倒すべき相手に違いない」「いや、どうも監督もこっち側だなー」・・・。となると、「プロデューサー?いや、プロデューサーなんかもっとこっちだなぁ」。だとすると、「外部のスポンサーと呼ばれている人間が悪に違いない。そこまでとりあえず行って見ようか」と。で、行って見たらそれほど悪党でもなかった、みたいなね。そう云う風に、留まるどころか何処まで行っても搾取構造の悪の根源ってのはよく判らない。最終的に構造全部バラしてみたら、全員が大儲けしようと思って誰もが損しているっていうような構造なんです、多分・・・。

神山:ということは、どっかが凄い勢いでロスしているんです。むしろロスの正体を突き止めるべきで、搾取しているラスボスがどっかにいるわけじゃないんだなーって云うのが、上の人、さらに上の人に企画書を提示していく流れの中で少しずつわかってきた。

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 「搾取しているラスボスがどこかにいるわけじゃない」。

 たぶん、そういうことなんだろうな。どこかに悪党がいて、そいつを叩けば事態が改善するなら簡単だけれど、世の常として、そういうわけには行かないんじゃないかと。

 ちなみに、この神山健治監督のインタビューは搾取うんぬんとは無関係におもしろいので、おすすめです。そこらの胡散臭いビジネス教訓話よりためになると思う。