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Something Orange このページをアンテナに追加

2007-12-15(土)

 一般向けマンガのエロス。


 『コアに行こう エロマンガ10』に参加するつもりで色々と考えてみたのですが、エロマンガとなると、すでにほかの方が挙げられている以外の作品が浮かばなかったので、企画には不参加で、一般漫画のエロスについて語ってみます。

 少年、少女向きの漫画のなかに何気なく混ざりこんだエロティックな描写に、どきどきと胸を高鳴らせた経験はだれにでもあるはず! そういう隠微な路線を狙いました。

■高橋しん『最終兵器彼女外伝集』■

最終兵器彼女外伝集―世界の果てには君と二人で (ビッグコミックススペシャル)

最終兵器彼女外伝集―世界の果てには君と二人で (ビッグコミックススペシャル)

 世界が刻々と亡びゆくなか、平和な時代なら普通に生きられたはずの少女が、ぼろきれのように犯されて殺されていく描写が、悪意たっぷりで素晴らしい。高橋しんのしたたるような悪意は、現役の漫画家のなかでは極上なのではないかと思う次第。

■玄鉄絢『少女セクト』■

少女セクト (メガストアコミックス)

少女セクト (メガストアコミックス)

少女セクト(2) (メガストアコミックス)

少女セクト(2) (メガストアコミックス)

 いわずと知れた、百合漫画の金字塔。好き好き。何人もの少女たちの恋と、そして交情を、繰り返し繰り返し描き出すなかで、やがて、一つの物語が浮かび上がってくる構成が見事。ただ、関係性をいじることに終始しているため、物語としての面白みは薄いかも。

■三浦健太郎『ベルセルク』■

ベルセルク (11) (Jets comics (609))

ベルセルク (11) (Jets comics (609))

 第11巻、廃人と化したグリフィスを連れたガッツ一行を追う「使徒」ワイアルドが、ある村に寄った際、村人を虐殺し娘を犯す場面がエロエロで良いと思います。夢のように平和な村が、瞬く間に戦場に一変するその地獄。大変鬼畜でよろしいのではないでしょうか。

■永野護『ファイブスター物語』■

ファイブスター物語 (1) (ニュータイプ100%コミックス)

ファイブスター物語 (1) (ニュータイプ100%コミックス)

 第6巻、退廃と悪徳の都ザンダ・シティ、主を失って放浪した末、売春宿で女装させられ、客を取らされていたアナンダきゅんが、クラーケンベール・メヨーヨに犯された上で惨殺される場面がとってもエロいと思います。やっぱり人生はデカダンスに限る。

■桂正和『M』■

M (Young jump comics)

M (Young jump comics)

 長年少年漫画家として「ちょっとエッチ」な作品を物してきた桂正和が、エロティシズムの暗黒面へ踏み込んでいった一作。この地獄のような苦しみが、愛の証。最近、流行の兆しを見せるマゾヒズムものの秀抜な作品だと思う。

■陽気婢『えっちーず』■

えっちーず 1 (ワニマガジンコミックス)

えっちーず 1 (ワニマガジンコミックス)

 『快楽天』の連載だけれど、一応、18禁マークは付いていなかったと思う。1話完結の短編集なんだけれど、何と言っても「かんたんなかんけい。」に尽きる。エロマンガを読んでいて本気で目が潤んだのは、あとにもさきにもこの作品だけ。

■コゲどんぼ『ぴたテン』■

ぴたテン (1) (Dengeki comics)

ぴたテン (1) (Dengeki comics)

 表紙だけ見ていると、頭が悪い萌え漫画にしか思えないかもしれませんが、実はクールでスタイリッシュな傑作。第6巻、天使の少女が少年のくちびるを舐める場面がエロティック。ここ10年の漫画のキスシーンのなかでは傑出してエロい気が! がががが!

■『エビアンワンダー』■

エビアンワンダー 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

エビアンワンダー 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

 とくにエロティックな描写が出てくるわけではないものの、裸が綺麗だし、作品全体を貫く、どこか爛れた雰囲気がぼく好み。おがきさんの描く女性は(男性もだけれど)、均整が取れたスタイルで良いですね。直接的なエロスを求める向きは、『チカマニアックス』を。

チカマニアックス―おがきちか作品集 (ダイトコミックス)

チカマニアックス―おがきちか作品集 (ダイトコミックス)

■はっとりみつる『おとぎのまちのれな』■

おとぎのまちのれな 第1巻 (KCデラックス)

おとぎのまちのれな 第1巻 (KCデラックス)

 デカダンな作品が続きましたが、これは健全で健康的なところが素晴らしいかと。どこにも隠微さがただよわない、直接的で肉体的なエロティシズムはなかなかのもの。うん、そろそろ自分でも何を書いているのかよくわからなくなって来ました。

■石田敦子『魔法少年マジョーリアン』■

魔法少年マジョーリアン 1 (アクションコミックス)

魔法少年マジョーリアン 1 (アクションコミックス)

 この作品でなくてもかまわないのだけれど、石田敦子から一作選びたかった。少女漫画のようなかわいらしい絵柄で、どす黒い情念の世界を描き出す作風は唯一無二のもの。この作品は、無垢な少年を変身により「女」に変えてしまう、そのいやらしさが光ります。

 以上、10作、並べ上げてみてわかったことですが、ぼくは、本当にダークなエンターテインメントが好きだ、ということ。

 明るく健全なだけでは退屈だし、そうかといって、陰気なだけでも気がふさぐ。暗く残酷でありながらあくまでエンターテインメントとしての体裁を崩さない作品が好きです。