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Something Orange このページをアンテナに追加

2008-01-25(金)

 売れるアニメと売れないアニメの差は何か。


 4月から『精霊の守り人』が地上波放映されることが決定したらしい。まだしばらく先になるが、昨年を代表する傑作アニメーションなので、まだ見ていない方はぜひこの機会に見てほしい。

 そのからだに精霊の卵を産みつけられた少年皇子チャグムの成長話であり、なりゆきからかれを守ることになった女用心棒バルサとの絆の物語である。

 いや、これがおもしろいんだ。スリリングかつミステリアスな展開といい、重厚なドラマといい、最近のアニメでは出色の作品といってもいい。とにかく総合的に見て欠点がほとんど見当たらない秀抜な作品である。素晴らしい。

 しかし、この作品のDVDは全然売れなかったようである。ここに転載されたオリコン情報によると、わずか2000枚ちょっと。『らき☆すた』の10分の1以下かよ!

 もちろん、これから天下のNHK地上波で放映されるわけだから、販売枚数が伸びる可能性はあるけれど、それにしてもたかが知れているだろう。これほどの傑作がこの程度の枚数で終わってしまったことはざんねんでならない。

 やっぱりもっと派手な展開じゃないとだめなのかなあ。いや、アクションシーンとかすごい迫力なんですよ? でも、アニメだからなあ。あの程度では地味に感じるのかも。

 派手という言葉で思い出すのはぼくらの『コードギアス』。設定はものすごく薄っぺらなんだけれど、とにかく派手だし、萌えるし、見ていて楽しい。

コードギアス 反逆のルルーシュ 1 [DVD]

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 で、こっちは大ヒットした。やっぱりアニメにとって見た目が地味ということは致命的なことなんだろうか。『精霊の守り人』は傑作だが、商業的には失敗作ということになってしまったようだ。

 いくらおもしろくてもそれだけでは売れないんだよなあ。『らき☆すた』や『コードギアス』はともかく、『神曲奏界ポリフォニカ』より売れていないってどうなんだろ。

 ああ、薄っぺらだといったからといって、ぼくが『コードギアス』を非難していると思わないでほしい。むしろ、あの作品の魅力はその徹底した薄っぺらさにあるのではないかとすら思うくらいなのである。

 『コードギアス』を見ていると、何だか昔見ていたロボットアニメを徹底的にリファインして見せられているような気分になる。ふしぎと懐かしいような、気恥ずかしいような、妙な気もちである。あれはあれで、傑作だと思う。

 しかし、それにしても、『精霊』と『コードギアス』を比較すると、商業アニメにとって本当に必要なものは何かと考えずにはいられなくなる。

 「軽い」ことはかならずしも短所ではない。「重い」ことはかならずしも長所ではない。だからといって軽いだけではおもしろくならないし、重いからといって受けないわけでもない。軽さと重さの絶妙のバランスが要求される。

 いうことはたやすいが、じっさいにはむずかしいだろう。ヒット作がめったに出ないのも当然である。