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Something Orange このページをアンテナに追加

2008-03-03(月)

なごみ系冒険マンガの秀作。


猫mix幻奇譚とらじ 1 (フラワーコミックス)

猫mix幻奇譚とらじ 1 (フラワーコミックス)

 田村由美の最新刊。なのですが、これは新境地だなあ。

 ねずみが人間を襲って長い戦いが続く世界を舞台に、さらわれた息子リオを探す七勇者の一人パイ・ヤンの冒険を描く、と書くといかにもシリアスに見えるけれど、じっさいはそうでもない。

 冒険のお供はねずみたちによって二足歩行に変えられた猫mixのとらじで、これがいかにも猫らしくぼけぼけ、見ていて和む和む。

 典型的なまじめ人間のパイ・ヤンととらじはツッコミとボケの関係にあり、コメディとして読んでも十分に笑える。

 もちろん、そこは田村由美、ただのライトなコメディで終わるはずはない。パイ・ヤンの真剣であるがゆえの価値観の狭さは丹念に描きこまれ、愛する息子リオとのすれ違いは泣かせるものがある。

 パイ・ヤンは一応は成熟した人物なのだけれど、完璧にはほど遠い性格で、『BASARA』とか『7SEEDS』などの若者を主人公にした作品とはまた一味違うおもしろさがあります。

 『BASARA』の雰囲気をそのままに受け継いだむしろ『7SEEDS』より新しいかもしれない。

 まだ物語は始まったばかりで、どこへ進むかわからないけれど、『7SEEDS』より気楽に読める作品としてお奨めです。