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2008-06-07(土)

橋口たかしさん(仮)のブログにねちねちツッコミをいれてみる。


 漫画家の雷句誠さんが原稿紛失問題にかんして訴訟を起こしたことはすでにご存知だと思います。知らない方はここを読んで下さい。

 で、その訴訟に絡めて、やはり漫画家の橋口たかしさんを名乗る人物が新たにウェブログを立ち上げています

 雷句さんの陳情書の内容に反論し、編集部側を弁護する内容なんですが、これがねえ。いや、いまのところ、本人かどうかも確認が取れていないのですが、仮に本人だとすると、そうとうに疑問がのこる内容です。

 ウェブログって勢いで書けてしまうメディアなので、あとでふりかえってみると「何であんなことを書いてしまったんだろう」と頭を抱えることがよくあるわけですが(ぼくはよくある)、その手の記事なのかな、と思います。

 以下、ちょっと橋口さん(仮)の問題点をねちねちといやらしくあげつらってみようと思います。

訴訟目的は、紛失した原稿に対する損害賠償だとおもわれますが、当人のブログで編集者の個人名を出して、その個々の個人に対しての攻撃的な文面の中でも、噂の域を出ていないにも関わらず中傷的な文章で名誉を毀損するというのは、どう考えてもおかしいです。

 「噂の域を出ていない」という言い方はおかしいですね。雷句さんが書いているのは、かれがじっさいに仕事をともにした編集者の話であり、実体験に基づく体験談です。「噂」ではありません。むしろこの件にかんしては橋口さんの方こそ部外者であるはずです。雷句さんが「中傷的な文章で名誉を毀損する」ことがおかしいとするなら、無関係の橋口さんが雷句さんの「名誉を毀損する」ことはもっとおかしいことになります。

その中の一人が、私の担当編集者である「冠茂」ですが、全く関わりのない彼がなぜ誹謗中傷されているのか、全く訳がわかりません。「あまり良い噂を聞かない編集者」という文面がありますが、それはネットでの噂から来てるのか?どうなのかはわかりませんが、私の知るところでは、全くもってそんな人物ではありません。

 雷句さんは「ネットの噂」で冠さんを非難しているわけではありません。直接当事者から耳にした話をもとに述べています。具体的にはこの箇所。

高島雅氏の話の時にでた冠茂氏という編集者は私のアシスタントをしてくれていた酒井ようへい先生の担当編集で、冠茂氏の言う通り描かされ、酒井先生が、自分の描きたくないストーリー展開に抵抗すれば、「死ね!3流漫画家!」と、作画中に電話で罵倒され、後半はそれに対する酒井先生の抵抗もつらくなり、冠茂氏の言うまま描くも、お話を無茶苦茶にされ、人気も上がらず、最後引っ掻き回したお話を収集しないまま、別の編集者へ担当を変え、責任も取らず冠茂は逃げる。酒井先生はその引っ掻き回したお話を収めるだけで初の週刊連載を終わる事に・・・
 このお話は当時の酒井先生が何度か自分の所へと相談に来ていたので、覚えている話です。本当に「道具」扱いである。

 さて、これが「誹謗中傷」なのか、それとも事実なのか、ぼくらには判断がむずかしいところですが、ひとついえることは、橋口さんにも判断できないだろうということ。橋口さんがこの箇所が「誹謗中傷」であるとする根拠は何なのか? その点が不明である以上、説得力に欠ける文章です。

確かに口は悪いかもしれないですが、優秀な編集者だと私は思っています。

 仕事相手に対して「死ね!3流漫画家!」と罵倒することが「口は悪い」で済むでしょうか? 世間ではこういう発言をパワー・ハラスメントというのでは? ほかの点がどれほど有能であるとしても、この欠点をカバーすることにはならないと思うのですが。

以前、雷句誠氏が小学館漫画賞を受賞したとき、当時担当だったかは分かりませんが、金色のガッシュを立ち上げた編集者である畭俊之氏から冠茂に「彼は知り合いの漫画家が少ないから、2次会からでもいいから冠から、私、橋口に参加してもらえないか?」というお願いがあり、それを冠茂から「貴方も漫画家の知り合いが少ないし、そういう彼の立場も理解できると思うので参加してくれないかな?」と頼まれたことがありました。

当然私は快諾して、雷句氏の祝いの席に参加しました。

正直言って、お礼を言われることはあっても中傷されることなど一つもないと思うのですが・・・。全く酷い話です。

 それはそれ、これはこれ。雷句さんに対してこんな良いことをしたから、ほかの漫画家に対しては「死ね!」などといっても許されるというものではないでしょう。

考えてもみてください。来る編集者来る編集者、ガン飛ばしにきますか普通?転校生が転校先で、なめられるものかと虚勢をはって、「俺は本当は怖いんだぜ」などとクラスの連中に対して威嚇という子供じみた行為を雑誌社で働いてるイイ大人たちがしますか普通?常識的に考えてみてください。小学館は小学校じゃあないんですよ。街中でたまたまチンピラと目が合って「なにガンとばしてんだよ」といきなり言い掛かりをつけられたのは、ある意味編集者側でしょう。小学館漫画賞を取り、アニメ化までした作家は、編集者にとっては、逆に威厳を振りかざしかねない怖い存在なんですよ。

 たしかに「雑誌社で働いているイイ大人たち」がそういう子供じみたことをするとは信じがたいことです。しかし、雷句さんは「編集部は「普通」とか「常識」では考えられないことをしている」と主張しているのだから、反論になっていません。

 また、この文章では雷句さんが「「なにガンとばしてんだよ」といきなり言い掛かりをつけ」たことになっていますが、これこそ「イイ大人」がしそうにないことです。

 編集者がやらないことを雷句さんならやると考えるべき理由は何でしょう? 編集者のような「大人」はやらなくても、漫画家ならやりかねない? そんなばかな。

 また、この文章のなかで橋口さんは雷句さんを「チンピラ」呼ばわりしているわけだけれど、これこそ誹謗中傷というべき。これはけっこう致命的な失言なのでは。

ハッキリ言って、担当する漫画家に、この程度のことで裁判なんか起こされてたら仕事になりませんよ。それこそ、今回の件で編集者が萎縮して、本気での打ち合わせができなくなったらどうしてくれるんですか?!

他の作家さんも、今回の件で仕事がやり辛くなると思います。本当〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜に迷惑してます!!!!

 カラー原稿を紛失されることが「この程度のこと」なのでしょうか? 「仕事になりませんよ」といいますが、編集者が原稿をきちんと管理すれば良いだけの話なのだから、十分仕事になると思うのですが。

 さて、ぼくは雷句さんのいうことがどれだけ正しいのか、判断する材料をもっていません。したがって、ほかの観点からの意見が出てくることは良いことだと思います。

 しかし、これはちょっと、内容的にまずいですね。小学館の弁護になっていません。ひょっとしたら、個々の編集者は本当に橋口さんにとっては「いいひと」なのかもしれないですが、だから雷句さんにとってもそうだ、とはいえないでしょう。

 人間は多面性をもつものなのだから、あるひとにとっての善人が、あるひとにとっての悪人である、ということは往々にしてあるはずです。真実はいつもひとつ!ってわけには行かないんですよね、現実は。

 うん、ごめん、ほんとはこれがいいたかっただけなんだ。