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Something Orange このページをアンテナに追加

2008-07-04(金)

エロゲと乙女ゲーの落差。


 全部が全部じゃないですけど、乙女ゲーのパッケージ(またはメインビジュアル)では、主人公の女の子が中心に描かれてるんですよね。

 それに対して、ギャルゲでは主人公がパッケージに描かれることはほとんどありません。ぱっと思いつく限りではpropellerの東出ゲーくらいしかない。

 ギャルゲでは主人公が無個性だから、というのは微妙に当てはまりません。個性のある主人公だっているし、反対に乙女ゲーの主人公(ヒロイン)だって強烈な個性を持っているとは言えないです。むしろどちらかというと、ヒロインの個性は抑えめであるような気がします。
 では、この違いはどこからくるのだろう?

 さて、どこから出てくるんでしょう。たぶん両ジャンルの本質にかかわる問題だと思うので、なかなか興味深いところです。

 その前に「乙女ゲームでは主人公が描かれ、エロゲでは描かれない」という法則はそもそも本当なのか? と、思い、ちょっとAmazonで調べてみたのですが、どうも本当みたいですね。

 ぼくが確認できた乙女ゲーはどれも主人公がカバーイラストに入っている。こんな感じ。

仁義なき乙女 恋恋三昧

仁義なき乙女 恋恋三昧

星の王女

星の王女

ブラザーズ ?恋するお兄さま?

ブラザーズ ?恋するお兄さま?

いじわる My Master

いじわる My Master

 それでは、エロゲはどうか? あらためて確認してみると、女の子だけのイラストが多いわ、多いわ。やはり圧倒的多数は女の子オンリーです。

 もちろん、例外はあって、たとえば『Fate』や『世界でいちばんNGな恋』のパッケージでは、背中だけだけれど主人公が出ている。

世界でいちばんNGな恋 通常版

世界でいちばんNGな恋 通常版

フェイト/ステイナイト[レアルタ・ヌア] extra edition

フェイト/ステイナイト[レアルタ・ヌア] extra edition

 あとまあ、『キラ☆キラ』とか『Phantom of Infelno』とか、普通に主人公が顔出ているものもありますね。

キラ☆キラ

キラ☆キラ

ファントム PHANTOM OF INFERNO

ファントム PHANTOM OF INFERNO

 ニトロプラスのゲームは主人公顔出しの割合が高いかも。しかし、それはあくまで例外であって、大多数は女の子オンリーです。というわけで、「乙女ゲームでは主人公が描かれ、エロゲでは描かれない」の法則は大筋では正しいと思います。

 それでは、なぜ乙女ゲームではヒロインの顔が描かれるのか? ひとつには、やはりボーイズ・ラブものと区別するためだと思う。男キャラだけだと、どうしてもBLみたいに見えるんですよね。

 これはじっさいにBLもののパッケージを見ればわかる。

花町物語

花町物語

 ね、デザイン的には乙女ゲームと大差がないでしょう? だから、↑の乙女ゲームのパッケージからヒロインを除いてしまったら、BLゲームと区別することは困難になると思われます。

 それを避けるためにヒロインが描かれている、ということはありそうな話です。

 あと、もうひとつは上記引用先でいう「関係性の萌え」、つまりカップリング萌えするファンに配慮しているということがありそう。

 ウィキペディアにおける「乙女ゲーム」の項目にはこう書かれています。

ギャルゲーの男性主人公では、前髪で目が意図的に隠されているようなデザイン(通称「目無し」と呼ばれる)で声もない没個性的なキャラクターが多いが、乙女ゲームの女性主人公ではこれとは対照的に、名前はもちろん、外見・性格設定がはっきりと決められていることが多く、声が付いているものも少なくない。これは主人公を自分に置き換えて擬似恋愛を楽しむユーザーだけでなく、主人公と男性キャラクターの「カップリング」を楽しむユーザーも多いためと推測される。中には男性キャラクターと同等に、主人公のキャラクターを重要視するユーザーもいる。ただしその一方で、「主人公の名前を変更できるか」を重要視するユーザーも多く存在し、主人公の名前が固定なことに対する不満を公式サイトの掲示板などで訴え、名前変更が可能になったというケースが過去に何件かあった。このあたり、男性は外見に、女性は名前に拘るという違いが出ていて興味深いかもしれない。

 この記述を信じるなら、乙女ゲームのユーザーには直接的にキャラに萌えるのではなく、「男性キャラ×ヒロイン」のカップリングに萌えている層が一定数いることになる。そういう層に対する配慮が大きいんじゃないか。

 これがBLものだと、絶対的多数がカップリング萌え派閥でしょうが、乙女ゲームは「ヒロイン感情移入派」と「カップリング萌え派」がそれぞれ一定数いるんじゃないかな。

 そのかわり、ヒロインの顔を消してほしいと思うような層は、いないか、いても少ない。だからパッケージにヒロインが載ることになるのではないかと。

 ぼくは、個人的には、エロゲでもギャルゲでも主人公のキャラをきちんと立ててほしいと思っています。顔なしの主人公はどう考えても不自然だし、できれば声もいれてほしい。

 ただ、やっぱりそれを厭う層もいるんでしょうね。とはいえ、徹底的に主人公のキャラを立てた『Fate』があれだけ売れているわけで、主人公のキャラを立てると売れなくなるということはないと思う。

 ひょっとしたら、主人公の顔を出せないことがファンに求められているというのは神話なのでは?とも思うのだけれど、そうでもないのかなあ。

 じっさい、どんなものなんでしょうね?