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Something Orange このページをアンテナに追加

2010-04-02(金)

『ネギま!』に見る脇役ヒロインの成長。


 きみまるさんの同人誌『ネギまる』全5巻を読み終えました。『魔法先生ネギま!』の二次創作作品で、最初の辺りはどうってことないふつうのエロ漫画なのですが、巻が進むにつれ凄まじい展開になっていきます。

 主人公は千雨(どうでもいいけれど「ちう」って入れてすぐ「千雨」と出てくるGoogle日本語入力すげえ)で、本編にいたるまでどんな物語があったか、その前史というかたちになっています。

 これ、ペトロニウスさんが激賞していまして、2009年の1位に選んでいるんですよね。まあ、これを読むと本編の千雨を見る目も変わる(かもしれない)作品といえるでしょう。

 で、最近の本編における千雨って何だかすごい人物になっていますよね。ネギパーティを実質的に統括しているのがあきらかに千雨。ネギが劉備だとすれば、千雨はもう諸葛孔明くらいの地位にあると思うんですよ。

 問題はいったいいつ彼女がこんなに成長したのかわからないこと(笑)。ネギは膨大な試練を乗り越えながら少しずつ成長しているわけだし、明日菜とか夕映とかのどかとか亜子もさまざまな試練をかいくぐって成長している。でも、千雨にはこれといった成長エピソードがないと思うんですよね。

 それなのに、いつのまにか、こう、かっこよく仁王立ちして「一人じゃねぇから仲間ってんだ だよな? ネギ先生」とか、名台詞を吐けるキャラクターにまで成長している。こいつはいったいいつここまで成長したんだ?ということが非常に疑問なんですよね。もともとはただの口だけ達者なコスプレ少女だったはずなのに。

 で、昨日そこらへんのことについて話をしたんだけれど、ぼくの結論としては、やっぱりネギが彼女の力を引き出しているんじゃないかと。

 ひとには相性というものがありまして、たとえばナギのパーティに千雨がいたとしても彼女は力量を発揮できなかったと思うんですよ。どこまでも無邪気に千雨を信じて彼女をたよりにするネギがトップだからこそ、彼女は成長できた。

 というか、たぶんネギが「千雨さんはすごい」という目で見つづけているから本当にすごい人にならざるをえなかったのではないか。嘘も突き通せば本当になる」というやつで、彼女はネギの憧れの「千雨さん」を演じるうちにいつのまにか本当にそれだけの能力を手に入れていた、と。

 いや、あるいは逆なのかもしれない。本来、それだけの能力を持っていたにもかかわらず、コンプレックスのために発揮できずにいたのが、ふさわしい地位を与えられることによって能力を発揮できるようになったということなのかも。

 ここらへん、本編を詳細に読み込んでいかないと断定しづらいところありますが、いやあ、人間っておもしろいものですねえ。

 それにしても千雨、責任重大なポジションにいるよなあ。けっこう世界の命運を左右しちゃっているような。ある意味、ネギは千雨を頼れるけれど、千雨にはだれも頼れるひとがいないんですよね。あえていうならラカンあたりになるのか。

 千雨×ラカンというのは、何かこう、少女漫画っぽくていいよなあ。『彼氏彼女の事情』とか、そういう系統の作品になりそう。

 で、昨日話し合った千雨ルートのエンディングとしてはですね、すべての物語が終わったあと、千雨が遂にネギの視線に耐えられなくなるんですよ。「そんな信頼の目で見るな!」「わたしはお前が思っているような人間じゃない! わたしなんかただのコスプレ少女なんだあっ!」と叫ぶ。

 するとネギがそっとその肩を抱いて、「そんなこと、ずっと前からわかっていましたよ」。「でも、千雨さん、見てください、あなたがなしとげたことを」とかいって、平和になった世界を見せる。で、「本物か偽物かなんてもうどうでもいいんです。千雨さん、あなたはやっぱりすばらしいひとです」。エンド、という(笑)。

 これからの連載も千雨に注目して読んでいこうと思います。