2010-08-01
■このグラフはどう読めばいいですか
【学力テスト】分析的読解できず グラフ見て考える力弱い (1/2ページ) - MSN産経ニュース
この記事にグラフがついている。http://sankei.jp.msn.com/photos/life/education/100731/edc1007310036000-p1.htmこのグラフはどう読めばいいのだろう。
http://benesse.jp/berd/center/open/berd/backnumber/2005_04/fea_ikeda_01.htmlで池田央氏がアメリカのNAEPについて説明する中で
トレンドNAEPでは、スペルや四則演算のように、時代の変化にかかわらず不変に求められる基礎学力(スペルや四則演算など)を測定します。9、13、 17歳の生徒に対して、数学、理科、読解、作文(ときに公民)の学力調査が行われ、毎回、同様の問題が使われます。継続的な傾向から学力の変化を探る目的なので、「変化を測定するときには測定尺度を変えてはならない」という原則が守られているのです。測るものさしを変えては統計指標の年次変化の比較はできません。つまり、尋ねる質問は同じものか、少なくとも内容的にも答えやすさの点でも同等のものでなければ、以前の結果と比較して学力が上がったか下がったか判断はできないわけです。
と述べている。その中で特に
「変化を測定するときには測定尺度を変えてはならない」という原則が守られているのです。測るものさしを変えては統計指標の年次変化の比較はできません。つまり、尋ねる質問は同じものか、少なくとも内容的にも答えやすさの点でも同等のものでなければ、以前の結果と比較して学力が上がったか下がったか判断はできないわけです。
と指摘している。全国学力テストは「項目反応理論」に基づいて設計されていない。だから計片変化の比較ができない。産経新聞の記事のグラフはその問題をクリアしているのだろうか。
全国学力テストの結果が出ると,昨年より上がった下がったで騒ぐ。産気新聞の記事にあるようなグラフを示して,昨年より上がってよかったとか下がったと言って批判する。そういう人たちの「グラフを見て考える力」はどうなのだろうか。
■現場にいながら会議室にいる人
【学力テスト】 抽出方式に「不公平」の声も - MSN産経ニュース
この記事の
小学6年と中学3年の全員参加から3割抽出に方式が変わって初めてとなった全国学力テスト。8月2日には国が採点した結果が各学校に届けられるが、手にするのは3割の子供のみで、全体の4割に当たる自主参加の子供には届かない。現場からは「すべての子供が自分の学力をチェックできないのは不公平だ」と批判が上がっている。
という「現場」の批判。「 」をつけたのは現場ではなく現場にいながら会議室にいる人の批判だから。全国学力テストに依存したい,依存させたい。そういう人たちにとっては,この記事の「現場」の批判はまっとうな批判に見えるかもしれない。でも,それは違う。
全国学力テストだけが子どもの学力をチェックする手段ではない。全国学力テストがなくてもいくらでも方法はある。全国学力テストが実施できないからといって学力把握ができないというものではない。
現場の強みと意義は,子どもに一番近いから,子どものことを把握することがいつでもできるし,様々な方法でできるということ。それなのに,この記事にある批判をした「現場」はそこにいるのに遠くから子どもを覗いて子どものことを把握しようとしている。現場にいるのに会議室にいるようなものだ。
この批判にある「不公平」という言葉は,全国学力テストに依存して,自分たちができることをやらないことへの免罪符でしかない。現場にいながら子どもたちを会議室で眺めている。そういう「現場」の言い訳でしかない。


